阪神の“天王山”を考察 菅野智之とグリフィンを並べる巨人Vローテを打ち崩すカギは若虎の併用続く「6番」だ

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井上(左)と前川(右)は終盤に入って勢いを加速させる阪神のキーファクターとなり得る。(C)KentaHARADA/CoCoKARAnext

 阪神が9月22日から本拠地・甲子園で首位の巨人を迎え撃つ2連戦は文字通りの天王山だ。2位のホームチームにとって今シーズン最後の伝統の一戦は、アレンパのための“ラストチャンス”と言っても過言ではないだろう。

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 現在、巨人とのゲーム差は2。ゆえに阪神としては自力優勝を復活させるために連勝が必要な状況。無論、1戦目に菅野智之、2戦目にグリフィンとエース級の投手を用意しているとされる巨人を相手にしての連勝は簡単なタスクではない。ただ、直近7試合で6勝と最終盤に入って勢いを加速させるチームであれば、不可能ではないはずだ。

 雨予報による水差しの影響は気になるところだが、そんな大一番でポイントとなるのはどこか。セ・リーグの防御率ランクで2位(2.52)の巨人投手陣をいかに打ち崩すかが一つのカギとなると考え、ここでは打撃陣をクローズアップ。それも中軸の後を打つ6番に注目したい。

 阪神のクリーンナップは、森下翔太(.349)、大山悠輔(.364)、佐藤輝明(.333)と得点圏打率が3割超えのポイントゲッターが居並ぶ。そんな中軸との勝負避けられた場合などで6番が打てるかが、試合展開に影響をもたらす可能性は大いにある。

 直近で「6番」を打っているのは、前川右京と井上広大の若虎だ。両雄ともに粗削りな感は否めないが、その成長は目覚ましい。

 日進月歩で進化を遂げているふたりをいかに起用するかはポイントだろう。とりわけ右の大砲である井上をどう使うかは興味深い。というのも、彼は左右で極端に成績が変わるのだ。

 対左投手に対しての井上は、打率.296、3本塁打、長打率.704、OPS1.049と無双状態。スモールサンプルとはいえ好成績を収めている。一方で、対右投手になると打率.167、0本塁打、長打率.167、OPS.377と極端に数字が低迷。かたや前川は対右投手に打率.280、3本塁打、長打率.368、OPS.722とまずまずの成績を出している。

 この現状を考えれば、巨人2連戦は二人を左右で使い分けてもいいのではないか。1戦目が右の菅野なら前川を、2戦目が左のグリフィンなら井上を、といった具合だ。

 無論、データが全てではない。試合の流れや当日の調子によって、起用法が変わる可能性は大いにある。いずれにしても、「絶対に勝たなければいけない」という状況で首脳陣が打線を活性化させる6番に誰を据えるかは興味深いポイントなるのは間違いない。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]