缶詰博士の珍缶・美味缶・納得缶 第328回 ホテイフーズのやきとり缶が斜め上に進化中! 第1弾はチーズタッカルビ味だ!
「やきとり缶ってマルチプレーヤーですね」と、突然話しはじめた缶詰博士の黒川氏。本題から入るその話し方にもすっかり慣れましたが、えー、何がマルチなんですか?
「冷蔵庫に肉がない時に、いろいろと使えるんです。麺類のトッピングに使うとか、オムレツの具にするとか」
なるほど、肉の替わりに使えると言いたいようです。そんな便利なやきとり缶詰に、新しい味付けが加わったと博士は言います。どんな味付けなのでしょう?
→これまでのお話はこちら
ホテイフーズコーポレーション/とりチーズ・チーズタッカルビ味 70g 216円
リアルなやきとりに寄せている
今でこそやきとり缶詰は数社が出しているが、初めて発売したのはホテイフーズコーポレーションであります。今から54年前の、1970年(昭和45年)のことであります。
使う鶏肉は国産鶏のみ。本物の炭火で焼きあげてからカットするというこだわりようで、缶詰とはいえリアルなやきとりに"寄せた"製法がウリだ。
しかし、9月1日に発売された2つの新商品は、今までと毛色が違う。ひとつは「チーズタッカルビ味」で、もうひとつは「アヒージョ」なのだ。
どちらもやきとりというよりは鶏肉料理。発売から54年というロングセラー商品が、そんな"斜め上"へ進化しちゃって大丈夫なのか?
とりチーズ・チーズタッカルビ味の内観(常温で開缶)
ガーリックとチーズの匂いが食欲をそそる
今回は2商品のうちのひとつ「とりチーズ・チーズタッカルビ味」を取り上げる。
内観はまばゆいようなオレンジ色で、やきとりとチーズがソースに浸った状態だ。このソースは韓国料理風のピリ辛ソースで、中にはチーズが溶け込んでいるという。やはり従来のやきとり缶のイメージとは大きく違う。
開缶と同時に立ち上がってくるのは、ガーリックの香ばしい匂いと、チーズのミルキーな匂いだ。食欲をそそる匂いで、すぐにでも箸を付けたくなる。
やきとり(左)と耐熱チーズ(右)の様子
見た目と違って柔らかいチーズ
中にはひと口サイズのやきとりと、真四角にカットされたチーズが2コ入っている。チーズは一見すると歯応えがありそうだが、とても柔らかい。
ホテイフーズのM氏によると、このチーズは加熱に強い業務用のプロセスチーズなのだそうだ。確かに、殺菌のための高温加熱を経ても、きれいな四角形が保たれている。
この缶詰はチーズタッカルビ味なのだから、チーズが入っていないと話にならない。なので、こんな特殊なチーズを探して採用したわけだ。やるなァ、ホテイフーズ!
野菜をプラスしてチーズは増し増しに
炭火焼きの風味が味わえる
かくのごとし。ブロッコリーなどの野菜を耐熱皿でいったん焼き、そこに缶詰の中身(ソースごと)を入れ、シュレッドチーズも加えてさらに焼いた。
ちなみに、缶に入っていた耐熱チーズの味は、QBBの6Pチーズ(三角形のやつ)のような濃い味だった。そこに韓国風ソースがまとわりついているから、さらに濃厚テイスト。
その味を確認しているうちに、もっとチーズが食べたくなり、シュレッドチーズを加えたのだった。韓国料理のチーズタッカルビも、たぶんこうしてチーズ増し増しで食べるんだと思う。
何だかチーズの感想ばかり書いたが、メインのやきとりもきっちりウマい。韓国風ソースの甘くて辛い味が中まで染み込みつつ、炭火焼きの風味はちゃんと味わえる。
結論。このやきとり缶も、これはこれでアリ。
缶詰情報
ホテイフーズコーポレーション/とりチーズ チーズタッカルビ味 70g 216円
全国のスーパー・コンビニやネットショップなどで購入可
缶詰博士 かんづめはかせ 昭和41年福島県生まれ。公益社団法人・日本缶詰協会認定の「缶詰博士」。世界50カ国以上・数千缶を食している世界一の缶詰通。ひとりでも多くの人に缶詰の魅力を伝えたいと精力的に取材・執筆を行っている。テレビやラジオなどメディア出演多数。著書に「旬缶クッキング」(ビーナイス/春風亭昇太氏共著)、「缶詰博士が選ぶ!『レジェンド缶詰』究極の逸品36」(講談社+α新書)、「安い!早い!だけどとてつもなく旨い!缶たん料理100」(講談社)など多数。初のエッセイ本「缶詰だよ人生は」(本の泉社刊)も絶賛発売中!公式ブログ「缶詰blog」とFacebookファンページも公開中。 この著者の記事一覧はこちら
「冷蔵庫に肉がない時に、いろいろと使えるんです。麺類のトッピングに使うとか、オムレツの具にするとか」
なるほど、肉の替わりに使えると言いたいようです。そんな便利なやきとり缶詰に、新しい味付けが加わったと博士は言います。どんな味付けなのでしょう?
ホテイフーズコーポレーション/とりチーズ・チーズタッカルビ味 70g 216円
リアルなやきとりに寄せている
今でこそやきとり缶詰は数社が出しているが、初めて発売したのはホテイフーズコーポレーションであります。今から54年前の、1970年(昭和45年)のことであります。
使う鶏肉は国産鶏のみ。本物の炭火で焼きあげてからカットするというこだわりようで、缶詰とはいえリアルなやきとりに"寄せた"製法がウリだ。
しかし、9月1日に発売された2つの新商品は、今までと毛色が違う。ひとつは「チーズタッカルビ味」で、もうひとつは「アヒージョ」なのだ。
どちらもやきとりというよりは鶏肉料理。発売から54年というロングセラー商品が、そんな"斜め上"へ進化しちゃって大丈夫なのか?
とりチーズ・チーズタッカルビ味の内観(常温で開缶)
ガーリックとチーズの匂いが食欲をそそる
今回は2商品のうちのひとつ「とりチーズ・チーズタッカルビ味」を取り上げる。
内観はまばゆいようなオレンジ色で、やきとりとチーズがソースに浸った状態だ。このソースは韓国料理風のピリ辛ソースで、中にはチーズが溶け込んでいるという。やはり従来のやきとり缶のイメージとは大きく違う。
開缶と同時に立ち上がってくるのは、ガーリックの香ばしい匂いと、チーズのミルキーな匂いだ。食欲をそそる匂いで、すぐにでも箸を付けたくなる。
やきとり(左)と耐熱チーズ(右)の様子
見た目と違って柔らかいチーズ
中にはひと口サイズのやきとりと、真四角にカットされたチーズが2コ入っている。チーズは一見すると歯応えがありそうだが、とても柔らかい。
ホテイフーズのM氏によると、このチーズは加熱に強い業務用のプロセスチーズなのだそうだ。確かに、殺菌のための高温加熱を経ても、きれいな四角形が保たれている。
この缶詰はチーズタッカルビ味なのだから、チーズが入っていないと話にならない。なので、こんな特殊なチーズを探して採用したわけだ。やるなァ、ホテイフーズ!
野菜をプラスしてチーズは増し増しに
炭火焼きの風味が味わえる
かくのごとし。ブロッコリーなどの野菜を耐熱皿でいったん焼き、そこに缶詰の中身(ソースごと)を入れ、シュレッドチーズも加えてさらに焼いた。
ちなみに、缶に入っていた耐熱チーズの味は、QBBの6Pチーズ(三角形のやつ)のような濃い味だった。そこに韓国風ソースがまとわりついているから、さらに濃厚テイスト。
その味を確認しているうちに、もっとチーズが食べたくなり、シュレッドチーズを加えたのだった。韓国料理のチーズタッカルビも、たぶんこうしてチーズ増し増しで食べるんだと思う。
何だかチーズの感想ばかり書いたが、メインのやきとりもきっちりウマい。韓国風ソースの甘くて辛い味が中まで染み込みつつ、炭火焼きの風味はちゃんと味わえる。
結論。このやきとり缶も、これはこれでアリ。
缶詰情報
ホテイフーズコーポレーション/とりチーズ チーズタッカルビ味 70g 216円
全国のスーパー・コンビニやネットショップなどで購入可
缶詰博士 かんづめはかせ 昭和41年福島県生まれ。公益社団法人・日本缶詰協会認定の「缶詰博士」。世界50カ国以上・数千缶を食している世界一の缶詰通。ひとりでも多くの人に缶詰の魅力を伝えたいと精力的に取材・執筆を行っている。テレビやラジオなどメディア出演多数。著書に「旬缶クッキング」(ビーナイス/春風亭昇太氏共著)、「缶詰博士が選ぶ!『レジェンド缶詰』究極の逸品36」(講談社+α新書)、「安い!早い!だけどとてつもなく旨い!缶たん料理100」(講談社)など多数。初のエッセイ本「缶詰だよ人生は」(本の泉社刊)も絶賛発売中!公式ブログ「缶詰blog」とFacebookファンページも公開中。 この著者の記事一覧はこちら