“クイズ王”の伊沢拓司

 9月18日、クイズ番組『東大王』(TBS系)の最終回が放送された。

 同番組は、いまやタレントとして活動する“クイズ王”の伊沢拓司を筆頭に、鶴崎修功(ひさのり)、鈴木光といった「スター東大生」を輩出。2017年4月にスタートしたが、今回で放送7年半の歴史にピリオドを打った。

 長らく、さまざまな種類のクイズ番組がお茶の間を楽しませてきたが、ここ最近、相次いで終了の憂き目にあっている。

「18日には、劇団ひとりさんと佐藤隆太さんがMCを務める『クイズ!あなたは小学5年生より賢いの?』(日本テレビ系)が、27日の放送をもって終了する、と発表されました。

 2023年9月に『潜在能力テスト』(フジテレビ系)、2024年3月には『日立 世界・ふしぎ発見!』(TBS系)が終了。『ふしぎ発見!』は1986年から38年間放送された長寿番組だったので、ショックを受ける視聴者も多かったようです」(芸能記者)

『クイズプレゼンバラエティーQさま!!』(テレビ朝日系)や『ネプリーグ』(フジテレビ系)といった長寿クイズ番組もあるものの、確実に“終了ラッシュ”は来ている。それを象徴するかのように、今回の『東大王』や『小学5年生より賢いの?』の終了を伝えるYahoo!ニュース記事のコメント欄には、昨今のクイズ番組に対する辛辣な声も見受けられた。

《芸能人が単純な問題に答えて商品もらって騒いでる番組みて何が面白いのかって制作者は視聴者目線になって考えたことあるのかね。出てくる芸能人もクイズの内容もワンパターン、あからさまな番宣で俳優さんが出てきたり、果たしてクイズ番組なのか?って疑問に思う番組も多々ある》

《最近のクイズ番組はお笑いタレントやギャル系タレントのふざけた回答でのウケ狙いが多くクイズというよりつまらない大喜利のようなものが多くなってしまいましたね》

《今のクイズ番組は芸能人が内輪で盛り上がってるだけだからつまらないんだよ。昔は一般視聴者参加型のクイズ番組ばかりだったからこそ楽しめた》

《最近の「お笑い芸人やタレントが出て、わざと回答をボケて笑いを取るようなクイズ番組」はちっとも面白くありません。クイズ番組、見なくなりました》

 そもそもの、番組としての“レベル低下”を嘆く声も少なくない。テレビ局関係者は、「ひと昔前のスタイルを求める視聴者もいるのではないか」と語る。

「1970年代の『クイズダービー』(TBS系)や『アメリカ横断ウルトラクイズ』(日本テレビ系)、1975年から2021年まで放送された『パネルクイズ アタック25』(テレビ朝日系、2022年からBSJapanextで放送中)のように、一般の視聴者が参加するクイズを見たい人も多いのだと思います。

 実際に初期の『東大王』は、ほとんど一般人だった東大生との対決という形がウケたわけですからね。しかし近年は、俳優やお笑い芸人が解答者として出演するスタイルが増え、視聴者主体のクイズ番組は減っていました」

 ただ、かつてのスタイルを復活させるのは簡単なことではないようだ。

「一般視聴者が参加する番組は、収録前後の確認や注意事項が多く、スタッフの負担も大きいのです。直前になって出演を辞退したり、当日に連絡なしで集合場所に来なかったり、といったトラブルも珍しくありません。

 そうなると、ドタキャンなどの心配が少なく、話題性のある芸能人に頼る番組が多くなるのもわかります。ただ、芸能人主体のクイズ番組には視聴者は飽き始めているので、“限界”が迫っているかもしれません」(テレビ局関係者)

 令和でクイズ番組をヒットさせるという“難問”の答えはーー。