突然家に覚えのない銀行キャッシュカードが届いた!もしかして詐欺?→「うちもこれあってビビりました」真相を銀行に聞いた
フィッシング詐欺や銀行口座売買など、銀行口座にまつわる詐欺のニュースが後を絶ちませんが、最近X(旧Twitter)に、「家に突然、銀行のキャッシュカードが届いた。詐欺かと思いきや、知らない間に未成年の子どもが勝手に銀行口座をつくっていた!」というような投稿が複数登場し話題となりました。
犯罪に巻き込まれていないかと、心配する親御さんによる投稿に多くの人が反応。
「うちもこれあってビビりました」
「子ども曰く『ポイント欲しくて申し込んだらつくれちゃった』とのこと」
「軽い気持ちで口座をつくる子どもが増えると、犯罪に巻き込まれそう」
「数年前、子どもが友人に頼まれて、IDつくって貸したらまさかの振り込め詐欺に使われたというSNSの投稿見た」
「PayPayのアカウント売買でも同じリスクありそう」
これらの投稿について、危惧するコメントが多く集まる中、未成年でも口座をつくる必要があるため、理解できるという意見も見受けられます。
「高校1年生(15歳)ならバイトする人もいるから、必要だよね」
「就労できる年齢なので口座開設は可能ってことかな」
「良い親でない場合、子どもが早く家を出るためにこっそりバイトしたりします。もし口座がつくれなくなったら早く家を出たい子どもたちは長い間苦しむかと」
危険を感じる人たちの意見はもちろん、肯定派の意見も納得できるものです。筆者も気になって調べてみたところ、問題となっている「保護者の同意不要な口座開設年齢」は、多くの銀行が15歳以上で口座開設が可能でした。
今回、SNSでは「PayPay銀行で口座を開いていた」という投稿がいくつかあったので、PayPay銀行のご担当者の方にお話をお伺いしました。
実は銀行によって、口座開設可能な年齢はバラバラ
ーー今回SNSで注目された投稿は、どれも未成年の学生が口座をつくったようです。PayPay銀行での銀行口座開設は15歳以上なら可能ですか?
「当社では、満15歳以上なら口座開設は可能で、親権者の同意は不要です。口座開設可能年齢については、全銀行共通ルールというものはなく、各銀行ごとに設定しています。弊社の詳細はWebサイトにご紹介しております」
ーーPayPay銀行では、口座開設の本人確認はどのように行なっていますか? 未成年の場合、どういう証明書により本人確認をするのでしょう?
「マイナンバーカードやパスポート、 住民票などの本人確認書類を提出いただいております。当社の口座開設申し込みに使用可能な本人確認書類の詳細は、Webサイトでもご紹介しています」
ーーマイナンバーカードがあれば、つくりやすいようですね。今回の投稿では、親が知らないうちにお子さんが口座を開設し、覚えのないキャッシュカードが自宅に届き驚かれたようですが、未成年の子どもが口座を開いたことを保護者が知る方法はありますか?
「口座名義人のお客さまに向けて案内を出しているため、当社から保護者の方に何かお知らせするという対応はございません」
ーー確かに、口座を保持していることを、保護者に知られない方が良いという事情がある未成年者もいるはずですしね。では保護者が未成年の口座を解約する方法はありますか?
「『預金口座取引一般規定』 に定める解約事由に該当する場合を除き、 銀行側はご本人以外の方からの申し出により、ご本人の同意なく口座解約をすることはありません。
ちなみにご本人の同意なく解約することができる例としましては、『預金口座の名義人が存在しないことが明らかになったとき』『預金口座の名義人の意思によらず開設されたことが明らかになったとき』『本人以外に預金口座を利用させたとき』『本人以外のために預金口座を利用したとき』などがあります。これらのように『預金口座取引一般規定』に反する口座と該当した場合は、当社はお客さまに事前に通知することなく、直ちに預金取引の全部または一部を停止もしくは制限し、または預金口座を解約できるものとしています」
口座の転売は「3年以下の懲役もしくは500万円以下の罰金」の可能性も
ーー犯罪防止のためにもそういう規定があるのですね。未成年の子どもが勝手に口座を開設することを保護者は不安に思いますが、口座が犯罪に使われないように、どういう対策をとられていますか?
「年齢に関わらず全ての口座申込者に対し、法令に則り厳格な本人確認を行っています。具体的なことはセキュリティ上の観点からお答えできませんが、口座開設後も不正防止の対策を行っております。例えば、専門部署による24時間365日体制の不審な取引のモニタリングや、普段と異なる環境からのログイン検知等を行っております」
ーーそうなんですね、ちょっと安心しました。一方で、口座をつくって転売するという犯罪は、学生が手を出しやすいようです。これはどういう罪に問われますか?
「これは『犯罪による収益の移転防止に関する法律』第28条に該当します。なりすまし目的やその他正当な理由なく口座情報等の売買をしたものは、1年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金(またはその併科)。これを業として行った場合は、3年以下の懲役もしくは500万円以下の罰金(またはその併科)に処せられます」
ーー軽い気持ちでやったとしても、罪は重いですね。最近は詐欺も多発しています。どういうことに気をつけてほしい、などあれば教えてください
「当社HPでも注意喚起をしていますが、口座の売買は犯罪であり、買取も売却も処罰対象となります。SNSでの口座買取の勧誘には十分にご注意いただき、口座の売買は絶対にしないでください。また、弊社PayPay銀行の名を騙るいわゆるフィッシング詐欺については、不審なメールやSNSにご注意いただき、もし不審な点やご不安なことがあれば速やかに弊社カスタマーセンターにご連絡ください」
(まいどなニュース/Lmaga.jpニュース特約・東寺 月子)