神木隆之介、31歳で日曜劇場初主演「すごくプレッシャー」“初の1人2役”50年代の青年&現代のホスト演じる裏側とは【「海に眠るダイヤモンド」インタビュー】
【モデルプレス=2024/09/18】10月スタートのTBS系日曜劇場「海に眠るダイヤモンド」(毎週日曜よる9時〜)で主演を務める俳優の神木隆之介(かみき・りゅうのすけ/31)に、モデルプレスがインタビュー。初めて日曜劇場で主演を飾る心境や芸歴30年目にして挑戦したいことなどを語ってもらったほか、新井順子プロデューサーからも今作の見どころを教えてもらった。
【写真】神木隆之介&浜辺美波が密着 美麗ショット
本作は、1955年からの石炭産業で躍進した長崎県・端島と、現代の東京を舞台にした70年にわたる愛と友情、そして家族の壮大な物語。神木は1955年の端島で暮らす青年・鉄平と2018年の東京でホストとして生活する玲央の2役を演じる。
「アンナチュラル」(2018)、「MIU404」(2020)を手掛けた脚本・野木亜紀子、監督・塚原あゆ子、プロデューサー・新井が再タッグを組むことでも大きな注目を集めている。
― 神木さんへのオファーは制作陣の満場一致で決まったそうですが、オファーを受けた際の感想や、快諾するに至った理由を教えてください。
神木:すごく嬉しい気持ちと同時にすごくプレッシャーもありました。オリジナルの脚本ですし、お話をいただいたのが結構前だったこともあり、展開についてわからないことも多い状況でしたが、野木さんや塚原さんや新井さんに仮の台本の時点で何を思ったかをお伝えしたときに、みなさんの目がすごく自信に満ち溢れていたのが印象的だったんです。「私たちはこうしたい」「こういうことを表現したい」という強い意志を感じました。日曜劇場は「集団左遷!!」(2019)や「あいくるしい」(2005)に出させていただいて、「集団左遷!!」では当時の事務所の大先輩の福山(雅治)さんが真ん中に立ってみんなを引っ張っていく姿を見ているので、表現者として培ったものがある方が背負う、重いものだと思っていました。まさかこの31という歳で話が来ると思っておらず、正直不安や、少し弱気になっていたところもあったのですが、塚原さんたちの目を見て、「この方たちに付いていけばいいんだな、僕はこの人たちに付いていこう」と思い参加を決めました。
満場一致の話は発表のときに聞いたので、「あ、そうなの!」みたいな。Xでも野木さんと同じく脚本家の長田(育恵)さんが「らんまん」(NHK/2023)の前からお話があったと話しているのを見たので、すごく嬉しかったですし、そう思ってくださるのであれば、主役として一生懸命頑張って、皆さんの期待以上にいい作品を作りたいと思いました。
― プロデューサーや監督からリクエストされたことはありますか?
神木:端島は独特な空間で、全員が家族で全員が自分のことを知っているという感じなので、息苦しさを感じる人もいれば「それが一島一家だ」「みんな一緒だ」と楽しさを感じる人もいる。楽しいという中にも、この島がいいのか、逆に広い世界を見てみたいのか、だけど職を継いでいかなければいけないのか…そういったことをキャラクターごとに表現してもらいたいということでした。僕が演じる鉄平という人間は、いかに端島を良くしていきたいかを軸に動く人間なので、複雑に悩むというよりかは、前向きで元気なキャラでいてほしいとリクエストを受けたんです。後々のストーリーでは、いろいろと問題が起きていくと思いますが、基本的には元気よくやって「ワンピース」のルフィみたいな人がイメージと言われました。
― 撮影現場はどのように進んでいますか?共演者の方とのエピソードをお聞かせください。
神木:楽しく進んでいます!大事に撮るところはもちろん大事に撮りますけど、楽しくて、早いです(笑)。杉咲花さん、池田エライザさん、(清水)尋也、土屋太鳳さん、意外と同世代も多くて、仲間がいっぱいいるという感じですごく楽しいですし、休憩時間はいつも笑いながら進んでいます。
― 1人2役という役柄でもありますが、脚本を最初に読んだ時はどんな感想を持たれましたか?また、現時点でどのような役作りをされているかお聞かせください。
神木:純粋に「え?1人2役ってどういうことですか?」となりました(笑)。もちろん試行錯誤して役を作っていますが、脚本はすごく難しいと思いました。
特に端島パートは僕が生まれる前の話で、小さい島の中で最大で約5,000人ぐらいの大勢の人たちが過ごす限定された空間の中での人間関係というのはすごく特殊なものもいっぱいあると思います。島ならではの悩みだったり、はたまた喜びだったり、安心だったりを理解することや、各キャラクターとの関係性や、それぞれが持つ葛藤をどう表現をしていくかが難しいんだろうなというのは、1話を観てすごく思いました。
― 鉄平と玲央をどのような人物として解釈して演じ分けていますか?
神木:野木さんや塚原さんたちと話していたのは、鉄平は「ワンピース」のルフィみたいなキャラクターで、玲央は「だるい、めんどくさい、もうどうでもいい」などを口癖のように言う無気力な男で、自分の将来のことも考えていないし、どうすれば良いかもわかっていないけれど、ただただ流れに身を任せて「どうにかなるでしょう」という感じで生きている人間。「このままでいいのかな」という葛藤はもちろんありますが、それを考えるのすらめんどくさい、という風に言われました。
喋り方や出す雰囲気は意識して変えているのですが、役作りは野木さんや塚原さんから言われた言葉を、「こういう喋り方かな」「こういう姿勢なのかな」と噛み砕いてやってみることが多いです。
― 神木さんご自身は、鉄平と玲央のどちら寄りだと思いますか?
神木:テンションが上がるとルフィっぽいですけど、家で引きこもっていると本当に堕落した生活になります。しばらく休みが続くと朝6時とかに寝るようになってしまうので、基本鉄平ですけど、チラチラ玲央が見える感じ(笑)。鉄平も玲央も両方わかるので良かったです。
― 現代と過去という2つの軸がある作品となりますが、神木さんの思うこのドラマの楽しみ方を教えてください。
神木:過去パートは、当時の日本の状況や島の環境など、背負うものが多いキャラクターがたくさんいるので、それぞれに感情移入してしみじみと観ることができるパートではあります。現代パートは今に近いので、気楽に観られる休憩場所ともとれますし、今を生きる青年・玲央が、どのように過去の時代を見ているのか、どういう風に関わって見方が変わっていくのか、という変化を楽しむ見方もできると思います。玲央と一緒に端島のストーリーを見守っていくという目線でも観られるのは、1つの時代を描く作品よりは限定されない見方ができる作品だと思います。
― 演じてみて理解が深まる部分もありますか?
神木:玲央と一緒に学んで、「昔はこうだったんだよ」という話を聞くことによって、頭の隅に置くだけでも、何か変わっていくこともあるのかなと思います。端島パートも自分自身で演じていますが、玲央と一緒に改めて客観的に端島のストーリーを見て、どう見えていたのかを改めて振り返りながら玲央と鉄平を演じられるかなと思います。
― 神木さんは端島へ行かれましたか?
神木:行きました。迫力がありますね。僕は初めて行ったのですが急に軍艦みたいなシルエットが出てきて、やはり鳥肌が立ちました。今は入れるところがすごく限定されていて、建物は残っているけど壁沿いに緑が生い茂っている感じでした。今はもちろん誰も住んでいないですし、危険区域もいっぱいあります。話を聞いたことでその前提で見てしまっているのかもしれないのですが、活気があった面影は感じました。
― 来年で芸能生活30周年を迎えられますが、これまでの経験を踏まえ、今回の作品で活かしたいことや、自分の中の引き出しを使ってみたいということをお聞かせください。
神木:ドキュメンタリーっぽさがある表現に挑戦してみようと思っています。今回の作品でも塚原さんから「セリフが被っても良い」と言われていて。「関係性で会話のテンポだったりももちろん変わるよね。だから変えていいよ。何かしながら喋っていいし、相手が喋っているときに喋りたかったら喋っていい。相槌もいいよ」と言ってくださる環境にあるので、もちろんドラマのキャラクターではありますが、実際にそこで生きた1人の人間として、心の動きの生々しさなどを表現できたらいいなと思います。今までなかなか挑戦できていなかったことなので、思いっきりやってみようと思いました。あとは、日曜劇場、31歳、すごくプレッシャーありますが、福山(雅治)さんが引っ張ってくれた背中を思い出して頑張っていこうと思います。
― 最後に作品の見どころや視聴者の方々へのメッセージをお願いします。
神木:見どころは一言では言い切れないほどいっぱいありますが、端島をここまで本格的にドラマで描くのは初めてなので、今、「軍艦島」と認識されていますが、僕も端島という名前を初めて知りましたし、皆さんもどのような島だったのか、どういう方たちが当時暮らしていらしたというのはあまり知らないとは思うので、このドラマを通して、当時の生き生きとした端島、そしてその時代にどういう人間ドラマが生まれていたか、時代とともにどのように駆け抜けて行ったのかというのを見ていただきたいです。僕も今、撮影で一生懸命頑張って、それを表現しています。現代のパートでももちろん見どころがたくさんあるので、同時並行で楽しんでいただけたら嬉しいです。
― 新井順子プロデューサーが考える今作の見どころをお聞かせください。
新井:やはり神木さんの1人2役というところの、別人のようなお芝居です。この間、昼は過去で夜は現代という撮影スケジュールだったのですが、見た目からして別人になっていて、表情や目の芝居が別人に見えて「さっきの人がいない」みたいな感じがありました。
見どころは、大規模な端島銀座のセットなのですが、CG含め、当時の端島の様子を再現するというのは見応えがあるものになると思います。エキストラさん含めて、全身当時の服に着替えて、活気ある時代を作っていただけるのは、やはり美術さんのすごい努力です。また、なぜ過去と現代という2つの軸が走っているかというところが、後半にかけて盛り上がっていきます。前半は青春や恋模様というのが多いのですが、後半戦は激動の時代を歩んだ鉄平の生き様みたいな部分も描かれます。この間SNSを見ていたら「きっと鉄平はハッピーに終わるに違いない」みたいに投稿されていて「ハッピーとはなんだろう」と考えました(笑)。こういう時代に生きている方々が観たとき、きっといろいろと感じとってもらえるものがあるのではないかと思います。
― ありがとうございました。
(modelpress編集部)
1993年5月19日生まれ。幼少に芸能デビューを飾り、子役として活躍。近年はドラマ「神木隆之介の撮休」(WOWOW)のほか、映画「ノイズ」「ホリック xxxHOLiC」「GHOSTBOOK おばけずかん」、アニメ映画「すずめの戸締り」(声優)など話題作に多数出演。2023年にはNHK連続テレビ小説「らんまん」で主演を務めたほか、主演映画「大名倒産」「ゴジラ-1.0」が公開された。
「私と、結婚しない?」2018年夏、東京。
その日暮らしのホスト・玲央(神木隆之介)は、出会ったばかりの怪しげな婦人・いづみ(宮本信子)から、突然プロポーズされる。ホストクラブに案内すると玲央のために大金を使ってくれるいづみ。都合のいい客に巡り会った玲央は、後日再び現れたいづみの誘いに乗って、軽い気持ちで長崎を訪れる。フェリーに乗る2人だったが、近づいてくる端島を前に、いづみは想いを馳せて…。
1955年春、長崎県・端島。炭鉱員・一平(國村隼)の家に生まれた青年・鉄平(神木隆之介)は、島外の大学を卒業後、島の炭鉱業を取り仕切る鷹羽鉱業の職員として端島に戻ってきた。同じ大学を卒業した幼馴染の賢将(清水尋也)と百合子(土屋太鳳)も帰島した。鉄平の兄・進平(斎藤工)や島の食堂の看板娘・朝子(杉咲花)、鉄平の母・ハル(中嶋朋子)ら、皆が鉄平の帰島を喜ぶなか、一平だけは激怒する。さらに鷹羽鉱業の職員で賢将の父・辰雄(沢村一樹)もまた、息子の就職先については思うところがあるようだ。
同じ頃、端島に謎多き美女・リナ(池田エライザ)が降り立つ。歌手だというリナに、興味津々の鉄平たちだが…。
未来への希望と活力に満ちた高度経済成長期の端島と、どこか閉塞感が漂う現代の東京。70年の時を超え、2つの異なる場所をつなぐ若者たちの物語が今、幕を開ける――。
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◆神木隆之介主演「海に眠るダイヤモンド」
本作は、1955年からの石炭産業で躍進した長崎県・端島と、現代の東京を舞台にした70年にわたる愛と友情、そして家族の壮大な物語。神木は1955年の端島で暮らす青年・鉄平と2018年の東京でホストとして生活する玲央の2役を演じる。
◆神木隆之介、日曜劇場初主演の心境「すごくプレッシャーもありました」
― 神木さんへのオファーは制作陣の満場一致で決まったそうですが、オファーを受けた際の感想や、快諾するに至った理由を教えてください。
神木:すごく嬉しい気持ちと同時にすごくプレッシャーもありました。オリジナルの脚本ですし、お話をいただいたのが結構前だったこともあり、展開についてわからないことも多い状況でしたが、野木さんや塚原さんや新井さんに仮の台本の時点で何を思ったかをお伝えしたときに、みなさんの目がすごく自信に満ち溢れていたのが印象的だったんです。「私たちはこうしたい」「こういうことを表現したい」という強い意志を感じました。日曜劇場は「集団左遷!!」(2019)や「あいくるしい」(2005)に出させていただいて、「集団左遷!!」では当時の事務所の大先輩の福山(雅治)さんが真ん中に立ってみんなを引っ張っていく姿を見ているので、表現者として培ったものがある方が背負う、重いものだと思っていました。まさかこの31という歳で話が来ると思っておらず、正直不安や、少し弱気になっていたところもあったのですが、塚原さんたちの目を見て、「この方たちに付いていけばいいんだな、僕はこの人たちに付いていこう」と思い参加を決めました。
満場一致の話は発表のときに聞いたので、「あ、そうなの!」みたいな。Xでも野木さんと同じく脚本家の長田(育恵)さんが「らんまん」(NHK/2023)の前からお話があったと話しているのを見たので、すごく嬉しかったですし、そう思ってくださるのであれば、主役として一生懸命頑張って、皆さんの期待以上にいい作品を作りたいと思いました。
◆神木隆之介「海に眠るダイヤモンド」制作陣からのリクエスト明かす
― プロデューサーや監督からリクエストされたことはありますか?
神木:端島は独特な空間で、全員が家族で全員が自分のことを知っているという感じなので、息苦しさを感じる人もいれば「それが一島一家だ」「みんな一緒だ」と楽しさを感じる人もいる。楽しいという中にも、この島がいいのか、逆に広い世界を見てみたいのか、だけど職を継いでいかなければいけないのか…そういったことをキャラクターごとに表現してもらいたいということでした。僕が演じる鉄平という人間は、いかに端島を良くしていきたいかを軸に動く人間なので、複雑に悩むというよりかは、前向きで元気なキャラでいてほしいとリクエストを受けたんです。後々のストーリーでは、いろいろと問題が起きていくと思いますが、基本的には元気よくやって「ワンピース」のルフィみたいな人がイメージと言われました。
◆神木隆之介「海に眠るダイヤモンド」撮影現場は「仲間がいっぱいいる」
― 撮影現場はどのように進んでいますか?共演者の方とのエピソードをお聞かせください。
神木:楽しく進んでいます!大事に撮るところはもちろん大事に撮りますけど、楽しくて、早いです(笑)。杉咲花さん、池田エライザさん、(清水)尋也、土屋太鳳さん、意外と同世代も多くて、仲間がいっぱいいるという感じですごく楽しいですし、休憩時間はいつも笑いながら進んでいます。
◆神木隆之介、初の1人2役に挑戦「鉄平も玲央も両方わかる」
― 1人2役という役柄でもありますが、脚本を最初に読んだ時はどんな感想を持たれましたか?また、現時点でどのような役作りをされているかお聞かせください。
神木:純粋に「え?1人2役ってどういうことですか?」となりました(笑)。もちろん試行錯誤して役を作っていますが、脚本はすごく難しいと思いました。
特に端島パートは僕が生まれる前の話で、小さい島の中で最大で約5,000人ぐらいの大勢の人たちが過ごす限定された空間の中での人間関係というのはすごく特殊なものもいっぱいあると思います。島ならではの悩みだったり、はたまた喜びだったり、安心だったりを理解することや、各キャラクターとの関係性や、それぞれが持つ葛藤をどう表現をしていくかが難しいんだろうなというのは、1話を観てすごく思いました。
― 鉄平と玲央をどのような人物として解釈して演じ分けていますか?
神木:野木さんや塚原さんたちと話していたのは、鉄平は「ワンピース」のルフィみたいなキャラクターで、玲央は「だるい、めんどくさい、もうどうでもいい」などを口癖のように言う無気力な男で、自分の将来のことも考えていないし、どうすれば良いかもわかっていないけれど、ただただ流れに身を任せて「どうにかなるでしょう」という感じで生きている人間。「このままでいいのかな」という葛藤はもちろんありますが、それを考えるのすらめんどくさい、という風に言われました。
喋り方や出す雰囲気は意識して変えているのですが、役作りは野木さんや塚原さんから言われた言葉を、「こういう喋り方かな」「こういう姿勢なのかな」と噛み砕いてやってみることが多いです。
― 神木さんご自身は、鉄平と玲央のどちら寄りだと思いますか?
神木:テンションが上がるとルフィっぽいですけど、家で引きこもっていると本当に堕落した生活になります。しばらく休みが続くと朝6時とかに寝るようになってしまうので、基本鉄平ですけど、チラチラ玲央が見える感じ(笑)。鉄平も玲央も両方わかるので良かったです。
◆神木隆之介が考える「海に眠るダイヤモンド」の楽しみ方
― 現代と過去という2つの軸がある作品となりますが、神木さんの思うこのドラマの楽しみ方を教えてください。
神木:過去パートは、当時の日本の状況や島の環境など、背負うものが多いキャラクターがたくさんいるので、それぞれに感情移入してしみじみと観ることができるパートではあります。現代パートは今に近いので、気楽に観られる休憩場所ともとれますし、今を生きる青年・玲央が、どのように過去の時代を見ているのか、どういう風に関わって見方が変わっていくのか、という変化を楽しむ見方もできると思います。玲央と一緒に端島のストーリーを見守っていくという目線でも観られるのは、1つの時代を描く作品よりは限定されない見方ができる作品だと思います。
― 演じてみて理解が深まる部分もありますか?
神木:玲央と一緒に学んで、「昔はこうだったんだよ」という話を聞くことによって、頭の隅に置くだけでも、何か変わっていくこともあるのかなと思います。端島パートも自分自身で演じていますが、玲央と一緒に改めて客観的に端島のストーリーを見て、どう見えていたのかを改めて振り返りながら玲央と鉄平を演じられるかなと思います。
◆神木隆之介、端島へ行って感じたこと
― 神木さんは端島へ行かれましたか?
神木:行きました。迫力がありますね。僕は初めて行ったのですが急に軍艦みたいなシルエットが出てきて、やはり鳥肌が立ちました。今は入れるところがすごく限定されていて、建物は残っているけど壁沿いに緑が生い茂っている感じでした。今はもちろん誰も住んでいないですし、危険区域もいっぱいあります。話を聞いたことでその前提で見てしまっているのかもしれないのですが、活気があった面影は感じました。
◆神木隆之介、今作で挑戦したいこととは
― 来年で芸能生活30周年を迎えられますが、これまでの経験を踏まえ、今回の作品で活かしたいことや、自分の中の引き出しを使ってみたいということをお聞かせください。
神木:ドキュメンタリーっぽさがある表現に挑戦してみようと思っています。今回の作品でも塚原さんから「セリフが被っても良い」と言われていて。「関係性で会話のテンポだったりももちろん変わるよね。だから変えていいよ。何かしながら喋っていいし、相手が喋っているときに喋りたかったら喋っていい。相槌もいいよ」と言ってくださる環境にあるので、もちろんドラマのキャラクターではありますが、実際にそこで生きた1人の人間として、心の動きの生々しさなどを表現できたらいいなと思います。今までなかなか挑戦できていなかったことなので、思いっきりやってみようと思いました。あとは、日曜劇場、31歳、すごくプレッシャーありますが、福山(雅治)さんが引っ張ってくれた背中を思い出して頑張っていこうと思います。
― 最後に作品の見どころや視聴者の方々へのメッセージをお願いします。
神木:見どころは一言では言い切れないほどいっぱいありますが、端島をここまで本格的にドラマで描くのは初めてなので、今、「軍艦島」と認識されていますが、僕も端島という名前を初めて知りましたし、皆さんもどのような島だったのか、どういう方たちが当時暮らしていらしたというのはあまり知らないとは思うので、このドラマを通して、当時の生き生きとした端島、そしてその時代にどういう人間ドラマが生まれていたか、時代とともにどのように駆け抜けて行ったのかというのを見ていただきたいです。僕も今、撮影で一生懸命頑張って、それを表現しています。現代のパートでももちろん見どころがたくさんあるので、同時並行で楽しんでいただけたら嬉しいです。
◆「海に眠るダイヤモンド」新井順子Pが考える今作の見どころ
― 新井順子プロデューサーが考える今作の見どころをお聞かせください。
新井:やはり神木さんの1人2役というところの、別人のようなお芝居です。この間、昼は過去で夜は現代という撮影スケジュールだったのですが、見た目からして別人になっていて、表情や目の芝居が別人に見えて「さっきの人がいない」みたいな感じがありました。
見どころは、大規模な端島銀座のセットなのですが、CG含め、当時の端島の様子を再現するというのは見応えがあるものになると思います。エキストラさん含めて、全身当時の服に着替えて、活気ある時代を作っていただけるのは、やはり美術さんのすごい努力です。また、なぜ過去と現代という2つの軸が走っているかというところが、後半にかけて盛り上がっていきます。前半は青春や恋模様というのが多いのですが、後半戦は激動の時代を歩んだ鉄平の生き様みたいな部分も描かれます。この間SNSを見ていたら「きっと鉄平はハッピーに終わるに違いない」みたいに投稿されていて「ハッピーとはなんだろう」と考えました(笑)。こういう時代に生きている方々が観たとき、きっといろいろと感じとってもらえるものがあるのではないかと思います。
― ありがとうございました。
(modelpress編集部)
◆神木隆之介(かみき・りゅうのすけ)プロフィール
1993年5月19日生まれ。幼少に芸能デビューを飾り、子役として活躍。近年はドラマ「神木隆之介の撮休」(WOWOW)のほか、映画「ノイズ」「ホリック xxxHOLiC」「GHOSTBOOK おばけずかん」、アニメ映画「すずめの戸締り」(声優)など話題作に多数出演。2023年にはNHK連続テレビ小説「らんまん」で主演を務めたほか、主演映画「大名倒産」「ゴジラ-1.0」が公開された。
◆「海に眠るダイヤモンド」第1話あらすじ
「私と、結婚しない?」2018年夏、東京。
その日暮らしのホスト・玲央(神木隆之介)は、出会ったばかりの怪しげな婦人・いづみ(宮本信子)から、突然プロポーズされる。ホストクラブに案内すると玲央のために大金を使ってくれるいづみ。都合のいい客に巡り会った玲央は、後日再び現れたいづみの誘いに乗って、軽い気持ちで長崎を訪れる。フェリーに乗る2人だったが、近づいてくる端島を前に、いづみは想いを馳せて…。
1955年春、長崎県・端島。炭鉱員・一平(國村隼)の家に生まれた青年・鉄平(神木隆之介)は、島外の大学を卒業後、島の炭鉱業を取り仕切る鷹羽鉱業の職員として端島に戻ってきた。同じ大学を卒業した幼馴染の賢将(清水尋也)と百合子(土屋太鳳)も帰島した。鉄平の兄・進平(斎藤工)や島の食堂の看板娘・朝子(杉咲花)、鉄平の母・ハル(中嶋朋子)ら、皆が鉄平の帰島を喜ぶなか、一平だけは激怒する。さらに鷹羽鉱業の職員で賢将の父・辰雄(沢村一樹)もまた、息子の就職先については思うところがあるようだ。
同じ頃、端島に謎多き美女・リナ(池田エライザ)が降り立つ。歌手だというリナに、興味津々の鉄平たちだが…。
未来への希望と活力に満ちた高度経済成長期の端島と、どこか閉塞感が漂う現代の東京。70年の時を超え、2つの異なる場所をつなぐ若者たちの物語が今、幕を開ける――。
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