「コーヒーの飲み過ぎは病気につながる」専門家が語る“カフェイン多量摂取の副作用”

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コーヒーは健康に良いことで知られていますが、飲み過ぎは逆効果なことをご存じですか? コーヒーを飲み過ぎることで起こるリスクついて「管理栄養士」の丹羽さんに解説していただきました。

≫“カフェイン”の摂りすぎが良くない理由 1日に摂っていい量は何mg? 【管理栄養士が解説】

監修管理栄養士:
丹羽 琴美(管理栄養士)

名古屋学芸大学管理栄養学部卒業。大学卒業後、愛知県内の老人ホームに管理栄養士として就職。献立作成・栄養管理・調理などを担当。その後、食の楽しさや、正しい知識を発信したいとの想いから、フリーランスの管理栄養士・ライターに。「有益な情報を読みやすく発信」をモットーに、記事の執筆や編集、レシピ作成などを手がけている。

編集部

コーヒーを飲み過ぎると、どんな症状・副作用が起こるのでしょうか?

丹羽さん

コーヒーを飲み過ぎると、不眠や口臭、めまい、興奮。心拍数の増加、震え、不安などが起こる可能性があります。コーヒーに多く含まれるカフェインが、中枢神経を過剰に刺激するのが原因です。また、カフェインは消化器官も刺激するため、吐き気や下痢などの胃腸障害を引き起こすこともあります。コーヒーを飲み過ぎて、気持ち悪くなったことがある人もいるでしょう。そのほかにも、コーヒー中の成分であるタンニンは、貧血を悪化させることがあるため、要注意です。

編集部

コーヒーでカフェインの摂り過ぎが続くと、病気になることはありますか?

丹羽さん

継続的にカフェインを摂り過ぎると、不眠症や骨粗しょう症などの病気になる可能性があります。不眠症を引き起こす原因は、カフェインが眠気を引き起こす脳内物質の働きを抑えるためです。また、カフェインは利尿作用があり、尿と一緒にカルシウムも排泄されるため、骨粗しょう症に繋がる可能性もあります。さらに、カフェインは一時的に血圧を上げる作用があるため、高血圧症に関係しているという見方もされてきました。しかし、さまざまな研究結果があり、一概にはいえません。

編集部

コーヒーを飲み過ぎると、エナジードリンクと同様にカフェイン依存症になりますか?

丹羽さん

そうですね。コーヒーも飲み過ぎてしまうと、カフェイン依存症になってしまう可能性があります。カフェイン依存症は、カフェインが切れると集中力が落ちたり、イライラしたりするのが特徴です。その結果、さらにカフェイン摂取をやめられなくなってしまいます。症状がひどく死亡してしまった例もあるため、過剰摂取には十分注意しましょう。ただ、コーヒーは適正の量を守れば体にうれしい効果がありますよ。

編集部

正しい摂取量を守った場合、コーヒーは体にとってどんなメリットがあるのでしょうか?

丹羽さん

まず、コーヒーに含まれるカフェインは、脳を活性化させる効果があります。さらに、カフェインは利尿作用があるため、むくみ解消に効果的です。また、コーヒーはポリフェノールが多く含まれているのも魅力のひとつです。ポリフェノールの抗酸化作用は、肌を健康に保ったり、生活習慣病予防をしたりするのに役立ちます。コーヒーの成分が肝硬変や肝疾患の予防になるという研究もあります。

※この記事はMedical DOCにて【コーヒーの飲み過ぎは健康に悪い? 飲み過ぎによる症状と正しい飲み方を管理栄養士に聞く】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。