将棋界の早指し団体戦「ABEMAトーナメント2024」本戦トーナメント決勝の模様が9月14日に放送され、チーム稲葉がチーム永瀬を破り2期ぶり2度目の優勝を決めた。個人賞では、チーム稲葉の藤本渚五段(19)が「最多勝」と「最多対局賞」をダブル受賞。約半年間の激闘を振り返り、「すごく嬉しい」と喜びを語った。

【映像】優勝賞金の使い道は…?藤本五段のコメント

 現役最年少棋士の藤本五段は、同門の兄弟子・稲葉陽八段(36)の指名を受け、チーム稲葉入り。同じ井上慶太九段(60)門下の上野裕寿四段(21)と3人で見事なチームワークを発揮し、約半年間の戦いの末に頂点にのぼり詰めた。

 個人賞は、チーム永瀬のリーダー・永瀬拓矢九段(32)と決勝戦まで熾烈な争いが繰り広げられることに。大会を通じて最も勝ち星を挙げた棋士に贈られる「最多勝」は、藤本五段と永瀬九段が並び11勝3敗となったが、チームの成績を優先する規定により藤本五段が獲得した。

 また、大会を通じて最も対局数の多かった棋士を称える「最多対局賞」は14局で藤本五段、永瀬九段、上野四段の3人が同局となったが、チーム成績と勝率を優先し藤本五段の受賞に決定した。

 トップ棋士たちが勢ぞろいした本大会で、堂々の個人賞二冠を達成した藤本五段は「最多勝、最多対局賞をもらえてすごく嬉しく思います」とはにかんだ笑顔。「そこまで(獲得を)意識していたわけではないですが、たくさん指してたくさん勝って、チームに貢献できた結果がついてきて嬉しく思います」と個人で獲得した結果に自信ものぞかせていた。

 藤本五段と言えば、2023年度の将棋大賞「新人賞」と「最多勝利賞」を獲得するなど、公式戦での活躍も目覚ましい。近い未来の将棋界を担う逸材とあり、ファンにとっても今後の飛躍からますます目が離せなくなりそうだ。

◆ABEMAトーナメント2024 第1、2回が個人戦、第3回から団体戦になり今回が7回目の開催。ドラフト会議にリーダー棋士11人が参加し、2人ずつを指名、3人1組のチームを作る。残り1チームは指名漏れした棋士が3つに分かれたトーナメントを実施し、勝ち抜いた3人が「エントリーチーム」として参加、全12チームで行われる。予選リーグは3チームずつ4リーグに分かれ、上位2チームが本戦トーナメントに進出する。試合は全て5本先取の9本勝負で行われ、対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行われる。優勝賞金は1000万円。
(ABEMA/将棋チャンネルより)