京都・伏見で食べる、とろとろチャーシューがてんこ盛りな「特製みそラーメン」。みその風味が芳醇な一杯をぜひ堪能して
食べロググルメ著名人・門上武司さんがお気に入りの推し麺をご紹介。今回訪れたのは、京都・伏見の「萬福 下鳥羽店」。厚切りチャーシューがたまらない「特製みそラーメン」を紹介する。
〈これが推し麺!〉
ラーメン、そば、うどん、焼きそば、パスタ、ビーフン、冷麺など、日本人は麺類が大好き! そんな麺類の中から、「これぞ!」というお気に入りの“推し麺”をご紹介。そのこだわりの材料や作り方、深い味わいの秘密に迫る。
今回訪れたのは、食べロググルメ著名人・門上武司さんが教えてくれた京都・伏見の「萬福 下鳥羽店」。厚切りチャーシューがたまらない「特製みそラーメン」を紹介する。
教えてくれる人
門上武司
1952年大阪生まれ。関西中のフランス料理店を片っ端から食べ歩くももの足らず、毎年のようにフランスを旅する。39歳で独立し「株式会社ジオード」設立後はフードコラムニストというポジションにとどまらず、編集者、プロデューサー、コーディネーターとマルチに活躍。関西の食雑誌「あまから手帖」編集顧問であり、全日本・食学会副理事長、関西食文化研究会コアメンバー。著書には「食べる仕事 門上武司」「門上武司の僕を呼ぶ料理店」(クリエテ関西)、「京料理、おあがりやす」(廣済堂出版)、「スローフードな宿1・2」(木楽舎)、など。年間外食は1,000食に及ぶ。
京都・伏見で40年以上営む
名神高速京都南ICを降りて車で約3分。京都・伏見で40年以上愛され続けているラーメン店「萬福」がある。店主は中村健一さん。さまざまな仕事をしていくなかで、“食は人に幸せを与える商売だ”と気づき、食に関わる仕事をしようと決意。29歳のときに「萬福」を龍谷大学近く、深草で開店した。その後25年前に今の場所に移転したという。
中村さんはラーメン作りにおいて、すべて一からが身上。特にチャーシューには力を注いでいる。九州産の豚は店でアバラやウデなど部位ごとにさばいて一晩血抜きをし、翌日水洗い。それらを、時間をかけてじっくり炊き込んだのち、熟成醤油に漬けている。決して作り置きはせずに、この作業を毎日繰り返しているのだ。
門上さん
現在の場所でなく深草の時代に友人のススメで初めて訪問。その時はしょうゆラーメン。みそラーメンは最近。スープのキレの良さと淡いみその風味が印象的でした。
これが特製みそラーメンの作り方!
しょうゆラーメンも人気だが、今回は特製みそラーメンをご紹介する。特製は厚切り手切りチャーチューがたっぷりトッピングされている看板メニュー。早速、中村さんに作ってもらった。
これが門上さんおすすめ特製みそラーメン
独特のみその風味があるスープが印象的。噛み応えの良いストレート麺とも好相性だ。食べ応えのあるチャーシューも美味。とろっと甘い九条ネギ、みずみずしいもやし、しゃっきり食感のメンマも好バランス。ちゃんと、丁寧に作られていることが伝わってくる一杯だ。
門上さん
麺は中太ストレートで、小麦の味わいとスープとの絡みが素敵です。チャーシューの圧倒的なとろとろ感も魅力です。
手作りを守り続ける
今、店を切り盛りしているスタッフは15年以上続くベテランばかり。スムーズにラーメンが供される空気感はそれが理由だろう。中でも2代目となる娘婿の藤森大樹さんは「スープ、タレなど一からすべて手作りする大将のやり方は、古いやり方かもしれません。でもこのやり方を引き継いで、自分の子供にも食べてほしいと思えるおいしさを守っていきたいです」と今後について話した。
<店舗情報>
◆萬福 下鳥羽店
住所 : 京都府京都市伏見区下鳥羽北ノ口町88
TEL : 075-612-8550
※価格は税込。
撮影:福森公博
取材・文:木佐貫久代