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(カナダ・トロントより現地レポート)現地時間2024年9月5日、トロントで第49回トロント国際映画祭(TIFF)が幕を開けた。TIFFは北米最多のプレミア上映数を誇り、『ノマドランド』や『フェイブルマンズ』といった観客賞受賞作が後にアカデミー賞やゴールデン・グローブ賞を受賞することから、「主要賞レースを左右する映画祭」として知られている。注目の初日には、レッドカーペットにベン・スティラーや、デミ・ムーア、そしてサプライズでオーランド・ブルーム&ケイティ・ペリー夫妻が登場し大いに盛り上がった。現地で取材を行った様子をレポートする。

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トロント国際映画祭は、カナダ最大の駅である「ユニオン駅」に近い、ダウンタウンのメインストリート「キング・ストリート」を中心に開催される。普段は映画館や人気レストランが並び、ストリートカーが走る賑やかな通りだが、映画祭期間中は通行が制限される。その間、スターたちによるファンサービスや、無料のライブイベントなどが行われ、特別な雰囲気に包まれる。

初日には、オーランド・ブルーム主演の新作映画『The Cut(原題)』のプレミア公開があり、レッドカーペットが開催された。当初、登場予定ゲストにオーランドとケイティは含まれていなかったが、2人が登場すると会場からは大きな歓声が。オーランドとケイティはお互い腕を組み、笑顔で見つめ合いながらフォトコールに応じ、共演者たちともハグをするシーンも見受けられた。

『The Cut(原題)』は、オーランド演じる引退した“ボクサー”が、命をかけてリングへのカムバックに執着していく姿を描いている。“ボクサー”の妻でトレーナーのケイトリンをカトリーナ・バルフが演じ、『THE BATMAN -ザ・バットマン-』など多くの話題作に出演してきたジョン・タトゥーロも出演。監督は、『フローズン・タイム』でアカデミー賞短編賞にノミネートされた実績を持つショーン・ハリスが務める。

ベン・スティラーは、『Nutcrakers(原題)』のプレミア前レッドカーペットに登場。本作でベンは、都会の不動産開発業者マイケルを演じる。家族と過ごす時間がなかったマイケルが、あることをきっかけに、田舎の孤児たち4人の面倒を見なくてはならなくなるストーリーだ。『ハロウィン』シリーズや『エクソシスト 信じる者』のデヴィッド・ゴードン・グリーンが監督を務めた本作は、“新しい家族の成り立ち”を描く感動作に仕上がっている。

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レッドカーペットでベンは子どもたちと一緒に写真撮影。

なおレッドカーペットは、長い歴史を持つ劇場3つの前で主に開催されている。そのため、キング・ストリートには連日開催のレッドカーペットに登場するスターたちを一目見ようと多くの人で埋め尽くされていた。

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サインやツーショットをゲットするファンも多数。

そのほか、TIFFで公開される注目作品は、アリシア・ヴィキャンデルとエリザベス・オルセン主演のSFスリラー『The Assessment(原題)』、エイミー・アダムスが演じる専業主婦が、イヌに変身しているかもしれないと考え始める異色ホラー・コメディ『Nightbitch(原題)』、“若さ”と“美”に執着し危険な闇治療に手を出すハリウッド女優の姿を描くデミ・ムーア主演のホラー『The Substance(原題)』、フランシス・フォード・コッポラを祖父に持つジア・コッポラが監督を務め、長年続くショーの閉鎖決定後のベテランダンサーの姿を描く『The Last Showgirl(原題)』など。日本公開を期待したい注目作が多く公開されている。

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また日本からは、菅田将暉が主演を務める『Cloud クラウド』ほか、夏子主演の『ザ・ゲスイドウズ』、奥山浩司監督のドラマ『マイ・サンシャイン』、空音央監督の『HAPPYEND』などが公開される。

第49回トロント国際映画祭は現地時間9月15日まで開催。