【ローズS/追い切り診断】レガレイラを超える「S」の最高評価 鋭い切れで「実績上位馬にひと泡吹かせる」存在浮上

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第42回ローズS(15日/GII、中京芝2000m)にはダービー5着のレガレイラ、オークス4着のクイーンズウォーク、フローラS3着の実績があるカニキュルなどが出走予定。
本記事では、出走各馬の追い切りを診断し「S」「A」「B」の3段階で評価した有力馬や穴馬をピックアップ。ここでは「フレミングフープ」を取り上げる。

■フレミングフープ

【中間調整】母は米の2歳GI勝ち馬、半兄に東スポ杯2着のダノンザタイガー。体質が弱く精神面も未完成だった2歳シーズンには勝ち上がれなかったが、ノドの手術を施され半年ぶりの復帰戦だった今年6月の未勝利戦で快勝。そこから中1週の1勝クラス特別は5着に終わるも、半年ぶりのレースを勝った反動が残っていただろうし、単純に重馬場も不向きだったか。そこから中7週と間隔を取って立て直された前走の御在所特別(中京芝2000m)では、スローで前が止まらない展開ながら大外を豪快に駆け上がり勝利。2着に1馬身半という着差以上の強さだった、
その後、中3週でローズSへ在厩調整で挑むことに。反動を残さないよう慎重に立ち上げられ、本格的に速い時計を出したのは1週前追いから。2勝クラスを追走し1馬身ほどの遅れ入線に終わったが、これは相手が飛ばし過ぎただけ。CW5F65秒1(一杯)と時計・負荷ともに十二分の内容で、タイトなローテでも戦える態勢にあることをアピールした。
【最終追い切り】レース当週はCW単走。1週前の猛時計で負荷は十分掛かっており、ここでは終いだけ重点の内容だった。直線の入り際で一瞬バランスを崩しかけるが、スッと体勢を整え素軽く加速する。ラストは促しへ鋭く反応し重心をグンと沈めて鋭く切れた。
【見解】厳しい暑さが残るなかの中3週で心身両面の反動が気になるシチュエーションだが、1週前、最終追いの動きを見る限り杞憂に終わりそうだ。特に最終追いではなんなく体勢を立て直せたあたり、メンタル面はかなりいい状態にありそう。前走はAコース、今回はBコースの違いはあれど同じ中京芝2000mでの快勝経験は大きなアドバンテージ。レガレイラを筆頭とする春の実績馬勢にひと泡吹かせるとすれば、この馬ではないか。
総合評価「S」

著者プロフィール

西村武輝(にしむらぶこう)
【重賞深掘りプロジェクト】調教ライター。競走馬の追い切り評価を専門として、ネットメディア中心に執筆を続けているフリーライター。UMAJINでは「競馬サロン」開設以前から毎週の重賞出走全頭のレポートを執筆、担当。またプロレス関連業界にも関わっており、週刊プロレスや書籍等への寄稿歴もある。