予約した新幹線の「指定席」に老夫婦が座っていた…!まず車掌さんに言うべきですか?
指定席は予約した人に保証された座席
新幹線に乗る際は、運賃と特急料金の合計を支払いますが、特急券には指定席特急料金と自由席特急料金があります。
指定席特急料金を支払うと、「指定された列車」の「指定した席」に座れることが保証されます。自由席のように「空いていればどこでも座っていい席」ではありません。
「先客」がいる場合の対応
とはいえ「座席を勘違いしている」などの理由で、誰かが自分の指定席に座ってしまっていることがあるかもしれません。このような場合は、以下の通り対応できます。
1.チケットを確認する
2.本人に声をかけてチケットを確認してもらう
相手は単に勘違いしているだけで、すぐに席をどいてくれるかもしれません。この場合は上記の通り対処すれば事なきを得るでしょう。
しかし相手に声掛けすることが不安な場合や気まずい場合、もしくは相手に声をかけても座席間違いを認めない場合は、車掌さんを探してサポートを依頼できます。
相手が席をどかない場合はどうなる?
まれなケースですが、相手に座席間違いを伝えても応じてくれない場合が想定されます。この場合、周りの目やより大きなトラブルに発展することへの不安から、仕方なく目的地まで立ち乗りすることにすることを選ぶ方もいるのではないでしょうか。
中には車掌に伝えたものの、解決しなかったケースもあるようです。指定した座席に座れなかった場合、覚えておくといい点をご紹介します。
空いている自由席に勝手に座ることは原則NG
「先客」が席をどかない場合、空いている座席に適当に座りたいと思うかもしれません。しかし東日本旅客鉄道株式会社のサイト内にあるJRの旅客営業規則「第182条の4」によると、「座席指定券を所持する旅客は、その券面に指定された列車、旅客車若しくは座席に限って乗車することができる」とされています。
上記より、指定席以外に勝手に座ることはできないと考えられます。
運賃の払い戻しは原則不可
仮に指定席に座らず、そのまま目的地まで到着した場合、JRから運賃を返還してほしいと思うかもしれませんが、原則不可と考えられます。
乗車券の払い戻しは「使用開始前」に行わなければならないようです。また目的地まで乗車しているため、JRとの旅客運送契約は果たされたといえるでしょう。
指定席特急券の損害賠償は請求できる可能性あり
ただ、指定席特急券については状況が異なるでしょう。JRは指定席を購入した旅客が、当該座席に着席できるようにする義務を負います。
車掌さんに状況を伝えたにもかかわらず、「先客」が席をどかないために着席できなかった場合、JRは義務を果たせなかったことになり、旅客の損失について責任を問われる立場になる可能性があるでしょう。
「先客」に対する損害賠償を請求できる可能性あり
座席を間違えたうえに速やかにどかなかった「先客」については、その席を購入した旅客に対して損害を与えたことになります。
そのため受けた身体的・精神的苦痛に対する慰謝料を請求できるかもしれません。ただし訴訟となると相手の素性について情報を聞き出す必要があるため、簡単には事が運ばないとも考えられます。
指定席に他人がいる場合はまず切符確認して相手に伝えよう
自分の指定席に第三者がいる場合は、まず手持ちの切符を見て、指定席の位置を確認しましょう。日付や座席位置に誤りがないのであれば、自分で、あるいは車掌さんを通して相手に座席間違いを伝えます。
場合によってはトラブルに発展することも考えられます。相手がどこうとしない場合は、念のため車掌さんにサポートを依頼すると安心です。
出典
東日本旅客鉄道株式会社 第2編 旅客営業-第4章 乗車券類の効力-第7節 座席指定券の効力 第182条の4
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー