クルマのナンバープレート「2枚重ね付け」違反じゃない? 輸入車乗りに人気!? 日本と海外ナンバー同時装着で注意すべきこととは
日本と海外のナンバープレートを重ねて装着ってどうなの?
輸入車オーナーのなかには、そのモデルの生産国のナンバープレートをあえて装着するカスタムを楽しみたいと考える人もいますが、その一方で「紛らわしい」との指摘もあります。
日本と海外のナンバープレートを「重ね付け」することは違法ではないのでしょうか。
まず、日本のナンバープレートを装着せず、海外のナンバープレートだけを装着した状態で走行できるのかという点では、当然ながらNG。所轄の陸運局に届出をして発行された日本のナンバープレートを、規定された箇所に装着する義務があります。
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道路を走行するクルマの法律「道路運送車両法」の第98条(不正使用等の禁止)には「何人も、行使の目的をもって、自動車登録番号標、臨時運行許可番号標、回送運行許可番号標、臨時検査合格標章、検査標章若しくは保安基準適合標章を偽造し、若しくは変造し、又は偽造若しくは変造に係るこれらの物を使用してはならない」と記載。
つまり、ナンバープレートを含む数々の登録番号標は一切偽造・変造をしてはいけないということを意味します。
また同第19条(軽自動車は第73条)にも「(省略)自動車登録番号標交付代行者から交付を受けた自動車登録番号標を国土交通省令で定める位置に、かつ、被覆しないことその他当該自動車登録番号標に記載された自動車登録番号の識別に支障が生じないものとして国土交通省令で定める方法により表示しなければ、運行の用に供してはならない」とも記載されています。
こちらも要約すると、「ナンバープレートは上部に被るものがなく、かつ見やすいように固定して表示すること」が義務付けられています。
左右に多少オフセットするのは問題ないのですが、取り外してダッシュボード上に置くという掲示の仕方は、見えにくい上に固定されていないので認められていません。
日本の道路で走行する以上は、所定の位置(またはそれに準じる位置)に日本のナンバープレートを装着する義務があります。
一方で、ときどき街中で見かける、日本のナンバーの下に海外のナンバーを装着する「重ね付け」、または海外のナンバープレートを装着することは問題ないのでしょうか。
海外のナンバープレートは、日本の法律ではあくまで「装飾品」として扱われます。
日本の正規のナンバープレートを道路交通法に定められた位置や角度でしっかり固定して表示してあれば、原則的には問題ありません。
ただし、日本のナンバープレートに被ってしまうなど、上につけてしまう(被覆する)と、法令違反になってしまうので注意が必要です。
もし2枚重ねする場合は、ナンバープレートは見える箇所と角度にしっかり固定する必要があります。
またナンバープレートを折り曲げて見えにくくしてしまうのも取り締まりの対象になることもあるので、気を付けましょう。
実際に取り付ける場合、フロントのナンバープレートは2箇所のボルトを外し、2枚重ねしてから再度ボルトで締め直せばいいだけですが、海外のナンバープレートは日本のものとボルトの位置が違うため、ドリルなどで穴を開ける加工が必要になります。
フロントは穴開け加工さえクリアすれば自分でもできますが、問題なのはリアのナンバープレートです。かんたんに改ざんできないように、リアのナンバープレートには封印が施されており、外してはいけません。
もしリアのナンバープレートを重ね付けしたい場合は、海外のナンバープレートを所轄の運輸支局に持ち込み、その旨を伝えて担当者に再封印してもらう必要があるなど、手間がかかります。
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約20年前まではフロントのナンバープレートを取り外しても罰則規定がなかったため、海外のナンバープレートを装着するのが流行したことがあり、これが現代でも受け継がれているようです。
しかし現在の道路運送車両法では、フロントのナンバーを取り外して走行すると50万円以下の罰金が科されるようになっています。
重ね付けしたいのならば、道路運送車両法の範疇で楽しむようにしましょう。