QualcommがIntelのチップ設計部門の一部を買収することを検討しているとの報道
by Kārlis Dambrāns
大手半導体メーカーのQualcommが、業績悪化に苦しむIntelのチップ設計部門の一部を買収することを検討していると、海外メディアのロイターが報じました。QualcommはIntelのすべてのチップ設計部門に注目しているものの、特に関心が高いのはクライアントPC用のチップ設計部門だとのことです。
Exclusive: Qualcomm explores acquiring pieces of Intel chip-design business | Reuters
Qualcomm reportedly explores buying portions of Intel's PC client business | Tom's Hardware
https://www.tomshardware.com/tech-industry/qualcomm-reportedly-explores-buying-portions-of-intels-pc-client-business
Qualcomm interested in buying parts of Intel business: report
https://qz.com/qualcomm-interested-buy-parts-intel-business-ai-chips-1851641782
IntelはTSMCやAMDの台頭によって苦戦を強いられる中、2021年に就任したパトリック・ゲルシンガーCEOの下で立て直しを図っています。ところが、2024年第2四半期の決算は2400億円超の赤字となり、全従業員の15%以上に相当する約1万5000人の人員削減を行うことを発表したほか、ドイツで進めていた半導体製造拠点の開発計画も中止が決まっています。
Intelが2024年第2四半期の決算発表、2400億円超の赤字で約1万5000人の人員削減に踏み切る - GIGAZINE
一部からは「Intelが復活するにはファウンドリ事業を分割するしかないのではないか」という声も上がっており、実際にIntelは事業の売却を含めた選択肢を検討しているとのこと。
Intelが復活するにはファウンドリ事業を分割するしかないのか? - GIGAZINE
ロイターは現地時間の2024年9月7日に、問題に詳しい2人の情報筋からの情報として「Qualcommは製品ポートフォリオを強化するため、Intelのチップ設計事業の一部を買収することを検討しています」と報じました。
QualcommはIntelのすべてのチップ設計部門に注目しているものの、情報筋の1人はIntelのクライアントPC向けチップの設計部門が、Qualcommの幹部にとって大きな関心事だと述べています。Qualcommはスマートフォン向けチップなどのシェアが大きいため、分野が異なるサーバー向けチップの設計部門などは、買収する意味があまり大きくないとのこと。
情報筋によると、QualcommはIntelの一部を買収する計画を数カ月前から検討していたそうですが、記事作成時点では計画が確定したわけではないため、今後方針が変わる可能性もあるとのことです。
ロイターの問い合わせに対し、Intelの広報担当者はこれまでのところQualcommからのアプローチはないとして、「IntelはPCビジネスに深くコミットしています」と述べました。一方、Qualcommはコメントを拒否しました。