生田絵梨花(撮影:池村隆司)

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 『アンメット ある脳外科医の日記』(カンテレ・フジテレビ系/以下、『アンメット』)での好演も記憶に新しい生田絵梨花が、毎週日曜22時より放送中の連続ドラマ『素晴らしき哉、先生!』(ABCテレビ・テレビ朝日系)で初の教師役に挑んでいる。感情を爆発させた演技で新境地を切り開いている生田に、地上波連続ドラマ初主演の心境や役作りについて話を聞いた。

参考:生田絵梨花がマシンガントーク! 『素晴らしき哉、先生!』に詰め込まれた“教師のリアル”

ーー『アンメット』に続いて2クール連続のドラマ出演になりますね。しかも今回は地上波連続ドラマ初主演です。

生田絵梨花(以下、生田):もちろんものすごく嬉しいことではあるのですが、地上波連続ドラマ初主演というのは、やっぱり緊張や不安な気持ちのほうが大きかったです。いざ撮影現場に入っても、目の前にやるべきことが積み重なってきて、そこに追いついていくのが必死で。撮影が一息つくと、嬉しさやありがたみを感じることができるのですが、りおを演じているときはとにかくがむしゃらです。先生という職業もそうですし、主演ってこんなに大変なんだと実感しました。それこそ『アンメット』で共演した杉咲花ちゃんに相談に乗ってもらったりもしたんです。

ーーそうなんですね!

生田:花ちゃんの言葉にはすごく助けられました。あとやっぱり、『アンメット』をやっていなかったら、今回の『素晴らしき哉、先生!』はできなかったと思います。

ーー具体的にどういうところでそう感じますか?

生田:私のシーンではそういうことはなかったのですが、『アンメット』の現場ではリハーサルをせずに一発撮りをしたり、長回しで撮影したりしていたそうなんです。今回の現場では、そういうことを試みているシーンもあったりして。それまでの私だったら、そういう考え自体思い浮かばなかったと思いますし、実際ものすごくリスクのあることだと思うので、そういう決断をすることはできなかったと思うんです。でも、今回はやってみようと思えたんですよね。

ーー『アンメット』での経験が『素晴らしき哉、先生!』の現場にも活きているわけですね。

生田:それは間違いないです。自分が演じる役についても、より探求するようになりました。『アンメット』を経験していなかったら、また違った『素晴らしき哉、先生!』になっていたと思います。

ーー初の教師役に手応えは感じていますか?

生田:私、あまり貫禄がないんですよ(笑)。だから生徒役のみんなと一緒にモニターに映っているのを最初に見たとき、自分のほうが子どもに見えてしまって「ヤバい!」と思って。スタッフさんとも笑いながら話していました。

ーー年下の共演者がこんなにたくさんいる現場もなかなかないですよね。

生田:確かにそうですね。“生徒たちが見ている”という感覚もあるので、私自身もしっかりしなきゃいけないなという気持ちです。でも、よくよく考えてみたらりおも最初は頼りないところからスタートしますし、私と同じように真ん中に立って「どんとこい!」というタイプではないので、一緒に成長していけたらいいなと思うようになりました。

ーーりおの教師としての部分だけではなく、プライベートの人間的な部分を掘り下げているのも本作の大きな特徴だと思います。

生田:自分が生徒だったときは、教室にいる先生のことを当たり前に“先生”として見ていました。でも実際は、先生も1人の人間なんだということを今回身にしみて感じました。このドラマを通して、先生という仕事がより魅力的に感じました。

ーー生田さんはりおのようにプライベートで感情を爆発させたりすることはありますか?

生田:あそこまでテンションを上げて感情を爆発させることはないかもしれません(笑)。でも、「そう言いたくなるよな」「そうしちゃうよな」と、りおの行動に関しては全部共感はできます。それに、りおを演じることによって、「自分ってこうなるんだ」「感情がここまで湧き上がることがあるんだ」と気づくことがたくさんありました。いままで知らなかった自分に出会えている感覚はすごくあります。

ーー感情を爆発させるお芝居には労力もかなり必要ですよね。

生田:もともと泣いたり笑ったり怒ったり……という感情をおもいっきり表現することに対しては苦手意識があったんです。でもよくよく考えてみると、表に出していないだけで、誰の心の中にも大なり小なりある感情だと思うんですよね。りおを演じてみて、いままで自分の感情に蓋をしたり見ないようにしていたことに気づきました。そういう感情を見せるときって、自分がリラックスしている状態だったり、信頼している相手に対してだと思うんです。現場で表現するためには共演者やスタッフのみなさんとのコミュニケーションがものすごく大事でした。みなさんに助けていただけたことで、今まで表現したことなかった感情を出すことができたのではないかと思います。

(取材・文=宮川翔)