真夏の青空と青い稲穂(あんみつ姫/stock.adobe.com)※画像はイメージです

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 コメ品薄、価格高騰のニュースが連日のように流れたり、スーパーのコメ売り場の棚が空っぽだったり…そんな中でも消費者の冷静な行動が呼びかけられる昨今ですが、先月中旬「X」にポストされた、夏の日の青々とした田んぼの上を吹き抜ける風の動きを撮影した動画が大きな注目を集めました。

【動画】「風が見える…」田んぼを吹き抜ける爽やかな風

「田んぼを駆け抜ける風。」というひと言とともに投稿されたこの動画は記事作成時、9.3万件もの「いいね」がついており、おだやかに、おおらかに青田の上を風が通り、ゆるやかな波のように稲の緑がそよぐ光景が見る者の心を深く癒やしてくれます。

「風が見える」
「ずっと見てられる」
「猫バスがお散歩してるね」
「季語『青田風』、はっきり見ることが出来ました。 感謝。」
「この景色が守られますように」

 動画を見た人からは感動と感謝の声が届きました。

 投稿主のじゅんさい次郎さん(@Junsai_Jiro)はじゅんさいの産地として知られる秋田県三種町で「じゅんさい・あきたこまち・きりたんぽ」の栽培、加工、販売をしている「安藤食品」の従業員として働いています。動画には安藤食品の田んぼと、ご近所の田んぼが映っているのだそう。

ドローンで撮影! 

 じゅんさい次郎さんに撮影時のことをお聞きしました。

――美しい動画です。画面を縦に走る茶色の線は何でしょうか?

田んぼと田んぼの境目の畔です。

――高い位置から撮影されていますね。この動画を撮ろうと思ったきっかけは?

ドローンで撮影しています。地元の美しい風景などを知ってもらいたくてカメラやドローンで写真撮影を楽しんでいます。田んぼが風で波のように揺れる様子を空から撮ってみるとどうなるのか見てみたくて撮影しました。

「農地を守ることは故郷の風景を守ること」

――尊い、日本の原風景のように感じました。動画に大きな反響があったことへの感想はいかがですか?

田んぼの風景が沢山の人にとって日本の原風景のように感じてもらえたり、美しいと感じてもらえることはとても嬉しいです。農地を守ることは故郷の風景を守ること。そんな思いで日々の作業に取り組んでいますので、この風景が沢山の人の心に響いたならこんなに嬉しいことはありません。

今年も暑い夏で収穫量が心配、大雨や台風の可能性も

――リプライ欄で「秋田県三種町のふるさと納税返礼品として私達のお米を取り扱っていただいてます。」とおっしゃっていました。稲刈りはいつごろから?今年の収穫量はいかがですか?

9月下旬から稲刈りが始まる予定です。昨年は暑さで、収穫量も品質もあまり良くなく、今年も暑い日が多いので心配しています。また、大雨や台風の可能性もまだまだあるので油断できません。大きな被害がないことを祈るばかりです。

◇◇

 実りの秋はもうすぐそこです、苦労して作ったお米をどんなふうに味わって食べてほしいですか、とじゅんさい次郎さんにお聞きすると以下のように答えてくれました。「新米のあきたこまちは格別な美味しさがありますから、秋の味覚と共にお腹いっぱい食べていただきたいです!」

(まいどなニュース特約・山本 明)