『虎に翼』のどかを蹴り飛ばし「怒っちゃダメなの?」とたずねる優未にうまく答えられない轟・よね。<副音声>だけで語られていたまさかの理由とは
9月5日の『虎に翼』
現在放送中の伊藤沙莉さん主演・連続テレビ小説『虎に翼』(NHK総合/毎週月曜〜土曜8時ほか)。第23週「始めは処女の如く、後は脱兎の如し?」の114回が9月5日に放送され、話題になっています。
明日の『虎に翼』あらすじ。竹もとで修業に励む梅子に人生の転機がおとずれる。百合の認知症が進む中、「原爆裁判」にも判決が…<ネタバレあり>
*以下、9月5日放送内容のネタバレを含みます。
昭和37年1月、原告のひとり、吉田ミキ(入山法子さん)が法廷に立つことを承諾し、広島から上京してくる。
一方、星家ではのどか(尾碕真花さん)の態度に不満が爆発し、優未(毎田暖乃さん)が家を飛び出してしまう。
登戸の猪爪家に連絡したら大ごとになると考えた寅子はどうしたものかと頭を悩ませて――といった話が描かれました。
あらためてあらすじ
前回の最後、認知症が進む百合の介護をめぐり、のどかへの怒りを爆発させた優未。
「ばかばかばかばか、ばか!」と攻めた挙句、のどかを蹴り飛ばし、そのまま家出をしてしまいました。
家出をしてたどり着いた山田轟法律事務所で優未を迎え入れたのはよねと轟、そして轟の恋人・遠藤時雄(和田正人さん)。
轟から「俺たちで良ければ話を聞くぞ」と言われた優未は、のどかが百合の介護を手伝わず、自分のことばかりしている、という不満を打ち明けます。
「ついお姉ちゃんのことを蹴り飛ばしちゃって」と話すと、「け…ああ…」と言葉を失う轟。轟はよねの方を見ますが、なぜかよねは視線をそらします。
続けて「どうしても謝りたくない。おばあちゃんに疲れているのはみんな同じなのに…。それでも怒っちゃダメなの?」と優未がたずねると、答えたのは遠藤でした。
遠藤の想い
「怒っちゃいけないことなんてないよ。僕もね、許せない人や物事がたくさんある。ずーっと怒ってる。ただ…口や手を出したりするってことは、変わってしまうってことだとは、覚えておいてほしい。その人との関係や、状況や自分自身も」
と話す遠藤。さらに
「その変わったことの責任は、優未ちゃんが背負わなきゃいけない。口や手を出して、何の責任も負わないような人には、どうかならないでほしい」
と優未に伝えます。
しばらく考えた後、「…わかった。考えてみる」と答える優未。
その様子を事務所のドアの向う側で聞いていた寅子。勢いよくドアを開けると「遠藤さんの話に聞き入ってしまって」と言い、拍手喝采で遠藤をたたえるのでした。
副音声で語られた裏側
優未の「蹴り飛ばしてしまった」「怒っちゃダメなのか」といった疑問にうまく答えられなかった轟とよね。そんななかでも、しっかりと優未を納得させた遠藤の言葉に感じ入るものがあった視聴者は多かったようです。
ネットでは「めちゃめちゃ素敵」「よねのこれまでに思いを馳せずにはいられない、深い言葉」「轟たち、恋愛の悩みがくると待ち構えていたところにまさかの介護問題で面食らったに違いない」「彼の属性ゆえにますます染みる…」といった声があがっていました。
なおドラマ放映後に脚本を担当している吉田恵里香さん(@yorikoko)がエックス(旧ツイッター)を更新。今回の内容について
「寅子もよねも轟も、思わず手が出てしまった側の人間なので遠藤しか優未に話すことはできない。そんな気持ちも込めて書いたのですが副音声でそこを拾ってもらえて嬉しかったです。」
とつぶやいていらっしゃいました。
そこで副音声を確認してみると、優未の「蹴り飛ばし」発言の後、確かに「面くらう轟。少々耳の痛いよね」という解説が。
寅子も含め、口や手を出してきた覚えのある人ばかりだったので、ごにょごにょとしてうまく答えられなかった…という事情が裏側にあったようです。
朝ドラ通算110作目となる『虎に翼』は、日本初の女性弁護士で後に裁判官となった三淵嘉子(みぶち・よしこ)さんがモデル。昭和の法曹界を舞台に、激動の時代を描いたリーガル・エンターテインメントです。
仲野太賀さんや石田ゆり子さん、松山ケンイチさんらが出演し、尾野真千子さんが語りを、主題歌『さよーならまたいつか!』は米津玄師さんが手掛けています。