19年のスプリンターズSを制したタワーオブロンドン(撮影:下野雄規)

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 新種牡馬タワーオブロンドンの産駒が好調だ。先週までに5頭が勝ち上がり、小倉2歳Sではアーリントンロウが3着、レイピアが4着と短距離戦線で注目のサイアーとなっている。そんなタワーオブロンドンが最も輝いたと言える19年9月の2戦、セントウルSとスプリンターズSをプレーバックする。

 2歳から重賞戦線で活躍していたタワーオブロンドン。4歳夏は北海道に滞在し、函館スプリントSが3着、キーンランドCが2着。ここからスプリンターズSに向かうかと思われたが、中1週でセントウルSに参戦した。同年の高松宮記念覇者のミスターメロディを抑えて1番人気に推された一戦。やや立ち遅れて中団後ろからの競馬となったが、直線でグイグイ伸びて差し切り。1分6秒7のレコードで重賞4勝目を挙げるとともに、サマースプリント王者に輝いた。

 こうやって勢いに乗り、迎えたのが大目標のスプリンターズSだった。主戦のC.ルメール騎手が同厩舎のグランアレグリアに騎乗するため、乗り替わりが予定されていたが、グランアレグリアが左前脚の蹄の炎症で回避。ルメール騎手の継続騎乗となった。レースはスタートを決めて中団追走。いつものように直線で脚を伸ばすと、1番人気のダノンスマッシュに伸び勝ち、そして逃げ粘る3番人気のモズスーパーフレアを捕らえ、待望のGI初制覇を果たした。

 その後は勝ち星に恵まれなかったものの、20年12月の現役引退後は北海道日高町のダーレー・ジャパン・スタリオン・コンプレックスにスタッドイン。初年度から多くの繁殖牝馬を集め、日高の人気種牡馬となっている。いつの日か、父仔2代のGI制覇を果たす馬が出てくることを期待したい。