今夏の移籍話に言及した。北中米ワールドカップのアジア最終予選に臨む日本代表メンバーに選出されたDF板倉滉は、8月31日のリーグ戦を終えて代表に合流。ボルシアMGでの3年目を迎え、「移籍はなかったが、こうやってチームから必要とされていることが選手として非常にうれしいこと」と思いを語った。

 昨シーズンはボルシアMGでリーグ戦20試合3得点を記録。今夏にはオランダのPSVからのオファーも報じられていたなか、板倉は移籍がないことを明言した。「チームのためにというところを考えつつ、個人のパフォーマンス、レベルアップにフォーカスしてやっていきたい」。すでに今シーズンでもカップ戦1試合、そしてリーグ戦でも開幕2試合と、公式戦3試合でフル出場している。

 CBのレベルアップについて、板倉は「チームの結果が個人の評価につながる」と見解。「何が一番大事かというと、やっぱりチームが勝つこと。そこが一番。それをやれていれば、自分の評価は上がってくる」。好スタートを切った新シーズンの戦い方を述べた。

 第2節・ボーフム戦(○2-0)ではチーム最多のデュエル勝利数を記録し、独『Kicker』が選ぶブンデスリーガ週間ベストイレブンにも選出された。好調を維持しながら代表に合流したが、板倉は「本当に気を抜いたら足元を掬われる」とアジアの戦いに目を向ける。「最終予選の一発目、ホームでしっかりまずは勝って勢いに乗れるように、そこだけに集中したい」と気合いを込めた。

 前々回のアジア最終予選でも初戦黒星スタートを切った。そして、その経験を踏まえて臨んだ前回のアジア最終予選でも初戦を落とした。警戒を怠っていないはずのなかで喫した敗戦。その原因を板倉は分析する。

「間違いなく緊張感を持って試合に入るなかで、固くなってしまったり自分たちがうまくいかないところは想定しておかないといけない。そのなかでしっかり勝ち切るということをやらないといけない。もちろん、全部が全部うまくいくとは思っていない。自分たちはやりたいようにやらせてくれないというのもわかっている。そういう難しい戦いのなかで、最後しっかり勝って終わるという、そこが一番大事」

 この日は16人が集まったが、板倉を含めた10人が室内での調整に終わった。あすには全27人が揃い、5日の初戦・中国戦に向けた準備を行っていく。「まずは初戦が一番大事になってくる。そこでしっかり勝ちという結果を出せるように準備をしていきたい」。クラブで手にした勢いのまま、アジア最終予選を白星で始めるつもりだ。

(取材・文 石川祐介)