アジアカップ以来の招集となった。MF三笘薫(ブライトン)は北中米ワールドカップアジア最終予選に臨む日本代表のメンバーに7か月ぶりに名を連ねた。W杯を目指す戦いに向けて「本当に勝たないといけない試合なので、そのなかでゴールやアシスト、守備のところでもしっかりと貢献して勝てれば」と意気込みを語った。

 プレミアリーグではシーズン開幕から躍動している。三笘は開幕節・エバートン戦(○3-0)で今季初ゴール、第2節・マンチェスター・U戦(○2-1)でも1アシストを記録。「チームとしての層が厚くなって、自分たちがやるべきことをやっている結果、一人ひとりが活躍できている」。3位に位置するチームとともに、自らの調子も上げてきた。

 昨冬のアジア杯敗退以降、痛めていた腰の治療に専念した三笘は3月、6月の代表活動で招集外。アジア2次予選の戦いは外から見守った。「無失点の試合も多かった。チームとしての完成度が高かった。3バックもチャレンジして色んなところは見えた」。自分がいない日本代表を冷静に分析しつつ「そこに自分が加わって、どれだけ変化を加えられるか」とこれからの試合のイメージをめぐらせていた。

 自らの不在の間、FW中村敬斗(スタッド・ランス)が結果を残した。三笘は「すばらしい活躍だった。刺激になった」と振り返りながら、対抗意識ものぞかせる。「僕自身も代表で相当プレーしていなかったので、もう一回地位を確立する意味でも、しっかりとしたプレーを見せないと」と力を込めた。

 前回の最終予選は途中から参戦してチームを救う活躍を見せたが、今回もさらなる躍動に期待が懸かる。三笘自身も主力としての自覚を語った。

「(前回は)サブから最後のところでチャンスをモノにしろというところで出されていた。今はしっかりとスタートだったり、途中からもあるが、よりチームを引っ張らないといけないシチュエーションになっている。そういうところを含めてピッチ内外でやっていかないと」

 最終予選は過去2大会連続で黒星スタート。W杯出場まで勢いを落とさないためにも、初戦は何よりも結果が求められる。「まずは失点しないことが大事。守備からしっかりと入って自分たちのリズムに持っていって、そのなかで自分の特徴を出せれば」。慎重な試合の入りのなかでも、自身の存在を改めてアピールするつもりだ。

(取材・文 石川祐介)