「僕は日本代表の関係者と話した」大谷翔平が勧誘した“もうひとりの日系名手”が激白 WBCの舞台裏「実現しなくて落ち込んだ」

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大谷(右)の熱烈な誘いを受け、日本代表入りに前向きだったというクワン(左)。(C)Getty Images

 日本の戴冠で話題沸騰となった昨年のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)。史上初の日系人選手であるラーズ・ヌートバーの参戦など列島で空前絶後のフィーバーを巻き起こした侍ジャパン。その一員になる可能性があった名手が、興味深い裏話を披露した。ガーディアンズに所属するスティーブン・クワンだ。

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 現在26歳のクワンは、父は中国系アメリカ人で、母は日系アメリカ人。母方の祖父母は山形県出身で、第2次世界大戦後にカリフォルニアに移住した家系だ。さらに幼少期から俊足巧打の伝説的なヒットメーカーであるイチローに憧れ、ついた異名は「リトル・イチロー」でもある。

 そんなバックボーンを持つクワンは、22年9月に当時エンゼルスに所属していた大谷からも熱烈な勧誘を受けた。だが、最終的に侍ジャパン入りの夢は叶わなかった。本人もしくは両親のどちらかが日本生まれである必要があるというWBCの設ける資格を満たせなかったのだ。

 日の丸を背負う可能性は間違いなくあった。MLB公式Xのインタビューに応じた26歳は、「Xに上がっていた動画なんだけど、その人物は君がオオタニから日本代表に勧誘されていると推測していたんだ。やっぱり推測でしかなかったのかな?」と問われ、「いや、100%、ホントの話だよ」と断言。大谷や侍ジャパン関係者とのやり取りを振り返っている。

「まず、僕は日本代表の関係者の人とオファーについて話をしていた。その時から素直に『いいね、最高だよ』って思っていた。その後も連絡を取り合おうってことになっていたんだけど、そうしたらオオタニが僕にアプローチしてきてくれたんだ。もう彼に夢中になっちゃったよ。本当にスーパークールな瞬間だった」

 やる気は十分にあったがゆえに落胆も大きかった。クワンは「不幸にも実現しなくて、あのときは本当に落ち込んだよ。もしまたチャンスが巡ってきたら、次こそはやってみたいと思う」と語っている。

 2022年と23年にゴールドグラブ賞に輝き、打率.301を記録している今季はオールスターにも初選出されたクワン。次回のWBCは26年だが、日進月歩で成長を続ける米球界屈指の巧打者が侍ジャパンのユニフォームに袖を通す日は訪れるだろうか。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]