銀メダルの北朝鮮ペア(ITTFインスタグラムより)

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パリ五輪卓球混合ダブルスで銀メダルを獲得した北朝鮮代表のリ・ジョンシク、キム・クムヨンペアが、国から処罰される可能性が出てきた。複数の海外メディアが2024年8月25日に報じた。

1回戦で張本、早田ペアを撃破

リ、キムペアは、混合ダブルス1回戦で日本代表の張本智和(21)、早田ひな(24)ペアと対戦し、4−1で破った。

メダル候補を相手に1ゲームしか落とさずに「番狂わせ」を演じたリ、キムペア。その力は本物で、勢いそのまま決勝まで勝ち進んだ。

決勝は中国代表と対戦。「王者」相手に粘りを見せるも2−4で敗退し、金メダル獲得はならなかった。一方、3位決定戦は韓国代表が香港代表を破り、銅メダルを獲得した。

英紙「ザ・テレグラフ」(ウェブ版)によると、北朝鮮で問題視されているのは表彰式での「自撮り」だという。

表彰式には、金メダルの中国ペア、銅メダルの韓国ペアとともに出席。表彰式では、韓国選手がスマートフォンで自撮りをし、選手それぞれが笑顔を見せた。

世界中から称賛の「自撮り」も北朝鮮では批判対象に

このシーンの写真がインターネット上で拡散されると、世界中から「五輪精神」や「スポーツマン精神」を称賛するコメントが寄せられた。

一方で、「ザ・テレグラフ」の記事によると、北朝鮮では選手たちの「交流」に関して、批判的な意見が出ているという。

「選手ら(北朝鮮ペア)が外国人選手、特に韓国の銅メダリストであるイム・ジョンフンとシン・ユビンの隣で『ニヤニヤ笑っている』ことで批判されている」とした。

記事によると、北朝鮮の選手らはオリンピックで韓国人選手や他の外国人選手と接触しないよう、接触した場合には処罰を受けることになるという「特別指示」を受けていたという。

政権の価値観や指示に反する行動をとったことが判明した選手は、懲戒処分の対象となる可能性があるが、処罰内容は明確ではないという。