Image: Egyptian Ministry of Tourism and Antiquities, Shutterstock , Tomasz Stachura / Marek Cacaj,

こうも暑いと飛び込みたくもなる海や川。そういえば、今年は「水」が絡んだ発見がいくつかありました。

1. 水に沈んだ町で見つかったもの

Image: Egyptian Ministry of Tourism and Antiquities

エジプトとフランスの考古学者チームによってナイル川の水中から発見されたのは、大規模な碑文や絵。そこにはトトメス4世やアメンホテプ3世など、時の権力者であるファラオについて書かれていました。

調査の様子
Image: Egyptian Ministry of Tourism and Antiquities

発見があったのは、ダム建設により水底に沈んだアスワン地区。

ダム建設にあたり、歴史的な構造物の多くが保存、移設され、なかにはニューヨークのメトロポリタン美術館で保管されているものも。

しかし、すべてが外へと運び出されたわけではなかったのです。

現に今回の調査では、大規模な碑文が見つかっています。川の底にはさらに多くの古代遺物が残されているのかもしれません。

調査の様子
Image: Egyptian Ministry of Tourism and Antiquities

この調査ではフォトグラメトリ(画像から3DCGモデルを生成できる技術)と、考古学術的な描画作業も行なったとのこと。現在、研究チームは発見した碑文の3Dモデルを作成中で、最終的には発表、公開するのが目標だそうです。

2. バルト海の沈没船の中にあったもの

Image: Tomasz Stachura / Marek Cacaj

19世紀の沈没船の中から未開封のボトルがたくさん見つかりました。保存状態は良好で、中身はシャンパン、そしてミネラルウォーターでした。

ミネラルウォーターのボトルは粘土製で、ドイツのSeltersという町で作られたものと判明。この町では800年以上にわたってミネラルウォーターが瓶詰めされてきたのだそうです。ボトルに押された印から、この船が航行していたのは1850年から1867年。遭難の時期がかなり正確に推定されています。

3. ブラジルの海がヤバいかもしれない

Image: Shutterstock

ブラジル近海に密輸業者が落としたコカインを、サメが摂取していたと判明しました。

リオデジャネイロ沖で捕獲された13匹のサメからコカインや関連化学物質が検出され、サメの健康に悪影響を与える可能性が指摘されています。特に、サメのDNA損傷や行動変化が懸念されています。

また、コカインを摂取したサメが人間に消費されることで、人間の健康にもリスクが生じる可能性があると研究者たちは警告しています。

4. 幻のクジラ

Image: New Zealand Department of Conservation

7月初旬のニュージーランドで、バハモンドオウギハクジラとみられる死骸が打ち上げられていました。体長は5m。

何が驚きって、このクジラは「世界でもっとも希少」といわれていて、これまでに一度も生きている姿を目撃されたことがありません。海中で泳いでいる姿を目撃した人はもちろんいませんし、生きたまま打ち上げられたこともありません。

バハモンドオウギハクジラは、1874年にニュージーランドのチャタム諸島沖で下顎と2本の歯が発見され、新種のクジラだと確認されました。1800年代以降、記録として残っているのはたった6頭です。

現在、遺伝子サンプルから死骸がバハモンドオウギハクジラでまちがいないかをオークランド大学が確認中。正式な結果の発表まで、数週間から数カ月かかるそうです。