トマトとミニトマトとでは、どちらの方が栄養価が高い?

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 スーパーや青果店では、中玉トマトや大玉トマトのほか、ミニトマトやフルーツトマトなど、さまざまなタイプのトマトが売られています。そもそも、トマトとミニトマトとでは、どちらの方が栄養価が高いのでしょうか。トマトの栄養素を効率的に摂取したい場合、どのように食べるのがお勧めなのでしょうか。管理栄養士の桜井このさんに聞きました。

ビタミンやリコピンが豊富なミニトマト

Q.トマト(中玉・大玉)とミニトマトとでは、どちらの方が栄養価が高いのでしょうか。また、フルーツトマトとはどのような食べ物なのでしょうか。

桜井さん「南米原産のトマトの原種は、ミニトマトのように非常に小さいものなんですね。原種が育つ南米は高温多湿で過酷な環境なので、病気などに強く、実に含まれる栄養価も高いといわれています。これは日本で食べられるミニトマトにも言えることで、大きいサイズのトマトよりも、ビタミンやリコピンなどの栄養成分が豊富に含まれているのが特徴です。

フルーツトマトはその名の通り、フルーツのように糖度が高く品種改良されたトマトのことで、糖度が10%以上のものと定められています。糖度が高い分、酸味が少ないのも特徴で、黄色やオレンジ、緑などカラフルな色の品種もありますね」

Q.トマトの栄養素を効率的に摂取するには、どのような食べ方がベストなのでしょうか。

桜井さん「トマトの代表的な栄養成分である『リコピン』は脂溶性なので、油と一緒に摂取すると吸収力が上昇するといわれています。そのため、イタリアンなどでは味の相性も良く、抗酸化作用なども期待できるオリーブオイルと一緒に用いられることが多いです。加熱調理をするとうまみもアップするため、リコピンを効率よく取り入れたいときは、炒め物やグリルなどを作る際に使うのがお勧めです。

一方、トマトに豊富に含まれているビタミンCは熱に弱い特性があるため、加熱すると壊れやすくなります。ビタミンをたくさん摂取したいときは、サラダやカプレーゼに混ぜて、オリーブオイルをかけて召し上がっていただくのが良いですね」

Q.では、トマト、ミニトマト、フルーツトマトのそれぞれのお勧めの調理法について、教えてください。

桜井さん「普通のサイズのトマトは加熱すると酸味が増すため、トマトソースやミネストローネなど、味のアクセントとしてサッパリ食べたいときにお勧めです。一方、ミニトマトは加熱すると甘味が増すため、煮物やソテーなどの炒め物に加えるのも良いですね。

フルーツトマトは、もちろんそのまま食べていただいても良いですし、糖度の高さを生かしてジャムにするのもお勧めですよ」

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 トマトよりもミニトマトの方が栄養価が高いのは、意外だったかもしれません。種類によって味が違うのはもちろんですが、調理法でも酸味や甘みが変わるため、ご自身の好みに合わせてトマトや調理法を選んでみてはいかがでしょうか。