和田アキ子(C)日刊ゲンダイ

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 金メダリスト北口榛花選手(26)の競技中の様子を見て「トドみたい」と言ったことで、逆風にさらされている和田アキ子(74)。39年続いている司会のTBS系「アッコにおまかせ!」での発言だったが、不適切にもほどがあり過ぎる発言には批判が殺到。SNSなどでは引退勧告コールのようなムードである。

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 広告関係者に聞くと、「『おまかせ』は芸能やスポーツなどの時事ネタを取り上げ、和田アキ子が歯に衣着せぬ物言いをするのがウリなんです。ときに裏情報もあり、視聴者がそうした物言いに共感していた時代もありましたけど、今やネットの方が情報も早く誰もが発言できますし、和田さんがどう言ったところで新鮮味は出にくい。むしろ誹謗中傷に分類されるような内容が少なくないので、かつてのウリがリスクでしかなくなっているんです」

 それでも存続しているのは、和田が大手芸能プロ「ホリプロ」所属という事情と無関係ではない。

「数多くのタレントを供給し、テレビを支えてきた事務所ですので局も頭が上がらない。また番組やCMに自社の看板タレントを出す場合、その制作も請け負うことを条件にしてくることがホリプロは多いんです。よく言えばビジネスの幅が広く、悪い面を言えば既得権益を丸抱えしてるとも言え、忖度を生みやすい。『おまかせ』に、ホリプロのまだ売れてもいないタレントがバーター出演したり、和田に近いタレントがよく出てくるのは、そのため。芸能界で隠然たる力を示すことができているんですね。そこの大御所である和田さんにモノが言えるわけもない」(前出の広告関係者)

 その結果がナアナアの展開にミスの連発、ニュースを扱っても取材が不十分でトラブル頻発という体たらく。その延長が「トド」発言なのだろう。

 和田を知る芸能プロデューサーはこう言う。

「アッコさんは『トド』発言の後に『かわいい』とも言っていて、決して悪意があってのものではない。アッコさんの物言いは昔も今も変わりません。ホリプロの後輩でもある元サッカー日本代表の武田修宏氏が事務所を辞める決意を伝えたら、『しょうがないな。おまえサッカーバカだからな』とアッコさんは言ったそうです。これも今ならアウトでしょうけど。武田氏は『あたたかいエールをもらいました』とコメントしていました。そういうヒトなんですよ」

■「芸能界での立ち位置が特別だったからできるところもあると思います」

 芸能リポーターの小柳美江さんはこう言う。

和田アキ子さんは長年芸能界のご意見番として知られ、何かあるたびにマイクを向けさせていただいています。おめでたい話題のインタビューを受けてくれる芸能人はたくさんいらっしゃるのですけど、不倫などスキャンダルや離婚、トラブルを起こしたときも、和田さんは応じてくださる。和田さんならではの歯に衣着せぬコメントは多くの共感を集めましたし、聞いたこともない情報もくださり、とても貴重でした。『ゴッド姉ちゃん』とも呼ばれるように、芸能界での立ち位置が特別だったからできるところもあると思います」

 同じ芸能リポーターの平野早苗さんが加えて言う。

「和田さんは決して悪い意味で今回言ったわけではなさそうです。それでも、人を何かに形容して話すのは今の時代アウトですよね。昭和の時代なら笑って済んだかもしれませんけど、コンプライアンスなども鑑み、公に発言していくのであれば感性もアップデートしないと駄目ということになるのでしょう。とはいえ和田さんへの批判も過熱し過ぎの感があり、窮屈な世の中になってるな、とも感じます」

 コンプライアンス重視の行き過ぎを指摘する声は有識者からも出ている。“愛のムチ”は今や単なるパワハラなだけに、和田の感性や物言いが令和の時代にそぐわなくなっているのは確か。時代を築いた大物タレントに求められるのは、テレビからの潔い引き際、自主退場ではないだろうか。

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 危なっかしい発言が多い割には「芸能界のご意見番」を任されている和田アキ子。その座を降りなくて良い理由は何なのか?

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