「綾鷹」好調 コカ・コーラボトラーズジャパン4−6月20%以上成長 上期飲料販売数量1%増に貢献 事業利益は40億円増加

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 コカ・コーラボトラーズジャパンホールディングスは、緑茶飲料ブランド「綾鷹」の好調が牽引して、価格改定による消費減退の影響を受ける中、上期(1−6月)飲料トータルの販売数量は前年比1%増を記録した。

 上期売上収益は、数量を成長させながら価格改定効果でケース当たり納価を引き続き改善したことで1.8%増となった。上期事業利益は前年から40億円増加した。

 販売数量について、8月5日、決算説明会に臨んだビヨン・イヴァル・ウルゲネス副社長CFOは「7年ぶりにフルリニューアルした『綾鷹』の貢献などにより上期の成長を押し上げた。第2四半期(4−6月)の『綾鷹』の販売数量は対前年で20%以上の成長となった」と説明する。

 好調要因の1つに、日本コカ・コーラのスー・チョイCMOは20・30代の若年層をメインターゲットに戦略を練り上げた点を挙げる。

 「戦略については、若年層にさらに訴えられるような強い製品にしていくことを決めて価値提案を再考した。これは我々にとってチャレンジだった。アンバサダーも非常に関連性の高い方を選ぶことができ、消費者に非常に近い位置でリニューアルできた」と語る。

 「綾鷹」は2007年に誕生。ブランド勃興期に強固な絆を結んでいた若年層は17年の歳月を経て壮年前期に差し掛かり、新たな若年層の獲得が課題となっていた。
 この課題認識のもと、4月15日のリニューアル発売に伴い大規模マーケティングと店頭活動を展開。

 上期の営業活動について、ビヨンCFOは「自販機では『コカ・コーラ』や『綾鷹』のキャンペーンを活用し炭酸と茶系カテゴリーを中心に活動を強化し、スーパーやコンビニなどの手売りチャネルでは『綾鷹』を最大限に活用して多くの売り場を獲得した。これにより『綾鷹』の初回導入は大きな成果を収めた」と振り返る。

 コミュニケーションでは、宇多田ヒカルさんをアンバサダーに起用して「綾鷹」の成長とともに歩んできた既存ユーザーとの深い絆を維持しつつ、新たに命名した“綾鷹ジェネレーション”に該当する20・30代のリクルートを促進している。

 スーCMOは、磨きをかけた中味も好調要因に挙げる。

 リニューアルでは、目指す味わいをこれまでの“急須でいれたような本格的なお茶の味わい”から“淹れたての一杯目のおいしさ”へと昇華させた。
 綾鷹ジェネレーションを意識して、旨味は前身商品と比べて約40%増加。濃く旨味があるのにも関わらず後味は軽やかでスッキリさせるようにして「トライアルとリピートにつながっている」という。