町内会、人手不足の原因は?
大竹まことがパーソナリティを務める「大竹まことゴールデンラジオ」(文化放送・月曜日~金曜日13時~15時30分)、7月31日の放送に放送大学・教養学部社会と産業コース教授の玉野和志が出演。発売中の著書『町内会─コミュニティからみる日本近代』に関連して、「町内会」の現状を解説した。
大竹まこと「御本は『町内会─コミュニティからみる日本近代』。帯には“日本人の「きずな」はこうしてつくられた”。日本では消えていく、みたいなものに思い入れがありそうにも聞こえます」
玉野和志「簡単には消えないと思いますが、かつてに比べると力がかなり落ちてきた、ということです。いろいろなところから、それが問題じゃないか、と言われている、ということだとだと思います」
大竹「昔なんかを考えると町内会は大活躍でしたねえ」
玉野「いい意味でも悪い意味でも地方自治体というのは地域の下支えをしてきた、という団体ですね」
大竹「子供たちをたくさん集めて、何かに参加しましょう、ということを町内会がやっていた記憶があります」
玉野「いまでもやっているところはあると思います。地域のスポーツ大会とかですね。ラジオ体操なんかもそうですし。町内会が世話をしている、ということは多かったのではないでしょうか。夏休みにそういう行事が、昔はよくありましたね。町内会の『子ども会』というのが成立していた時期ですね」
水谷加奈「花火大会とかもやっていましたよね」
玉野「解剖までしていましたよ。土地の会長さんの家の2階で、集まって(笑)」
大竹「役員やいろんなことをしている方って報酬は……」
玉野「ほとんどがボランティアです。多くの人が支えていた時期というのは、戦争の前後で、大学まで行きたかったけど行けずに地域で活動して商売を始めて、町会を支え出したら行政の人に認められて相談に乗られる、といったことができる、というところがあった。ある種、勉強だと思って参加している、という方が昔は多かったですね」
大竹「昔に比べて人数は?」
玉野「人手不足というか、なり手不足ということが深刻に言われています。高齢化もありますし。最近聞くのは、高齢で退職したあとに『手伝おうか?』と思っていた方が働き続けなければいけなくなる、という都合で。高齢者がなかなか退職できない、という状況もあるみたいです」
大竹「森永卓郎さんは『みんな75歳まで働かなくてはいけない、と言われているようなもんだ』とおっしゃっていました」
玉野「実際にそういうかたちで『あの人、退職するからお願いしよう』と思っていたら、『いや働かなくてはいけないんだ』ということが最近多い、というふうに聞きます」