「相手が嫌なものを変える必要はない」夏場に向けた阪神の投手運用に球団OBが提言 中継ぎの負担軽減を重要視

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岩崎(写真)は現時点で40試合に登板。ゲラは37試合、桐敷は43試合で投げている(C)KentaHARADA/CoCoKARAnext

 苦しみながらも掴んだ3連勝だった。

 7月28日、甲子園球場で中日と対戦した阪神。3-1とリードして9回表を迎えたが、岩崎優が2失点を許して同点に。1イニングで43球を要する苦しいピッチングとなったものの、なんとか同点で踏みとどまった。

【動画】「必勝の流れ」2024年7月28日【 阪神 vs 中日】 佐藤義則の眼

 そして延長11回裏、中日の絶対的守護神であるライデル・マルティネスからチャンスを作り、森下翔太がサヨナラタイムリー。同一カードの3連戦すべてで打点を記録し、後半戦のスタートを3連勝で飾った。

 粘り強く勝利をモノにした阪神は、この試合で合計6人のピッチャーがマウンドに上がった。この投手起用について、球団OBはやや不安を感じているようだ。

 阪急、オリックスで通算165勝の実績を残し、引退後は阪神の投手コーチも務めた佐藤義則氏が、YouTubeチャンネル『佐藤義則チャンネル』を7月29日に更新し、今後の投手運用に対する所感などを述べた。

 動画の冒頭では、2回裏に飛び出した大山悠輔のホームランについて言及。2回表、中日の細川成也が一発を放った後のイニングだっただけに、「長打でお返しできたのが阪神のほうに勢いがある」と称賛。7月の月間打率が3割超えの主砲を讃えた。

 一方、2失点を許した岩崎については「ボール、コースが甘い。いい時のボールが投げきれていない」と指摘。豪速球を投げるピッチャーではないだけに、「コントロールが甘いと捕まりやすい」と語った。

 また、昨日は7回から継投に入り、最終的に6人が登板。この点について「西の内容だったらどうだったのかな」と切り出し、6回88球で被安打4、四死球0だった西の続投も選択肢の一つと捉えていた。

 佐藤氏は自身が投手コーチを務めた経験から「7・8・9回は一番長く感じる」と話し、継投の難しさを解説。そのうえで「相手が嫌なものを変える必要はない」と自身の経験から提言した。

「相手バッターがピッチャーに対してタイミングが合っていないのを、抑えがいるからといって変える必要はない」と、臨機応変な投手運用が求められると説明。暑さの影響で疲れが抜けにくくなるだけに、先発投手が1イニングでも多く投げることはもちろん、中継ぎ投手の負担軽減も重要になると話した。

 7月30日からは甲子園で、首位・巨人との3連戦を控えている阪神。追う立場であるだけに、最低でも2勝1敗、もちろん3連勝を狙っていきたいところだろう。阪神はどのようにして夏場を乗り切るのか注目だ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]