クイーンSに出走予定のボンドガール(撮影:下野雄規)

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 今週の日曜日は、札幌競馬場でクイーンステークス(GIII・芝1800m)が行われます。

 12年以降に札幌芝1800mで開催されたクイーンSを見ると、様々な年齢の馬が勝利しています。年齢別に見ると3歳馬と4歳馬が3勝ずつ、5歳馬と6歳馬が2勝ずつを挙げています。

 ただ、ここで注意したいのは単勝や複勝の回収率です。3勝を挙げている3歳馬ですが、単勝や複勝の回収率は100%を大きく下回る数字となっています。この時期の3歳馬が古馬相手になると斤量面での恩恵が見込めます。実際、データ対象期間内のクイーンSでは、3歳馬の斤量は51キロか52キロとなっており、古馬と比べると3キロ以上の差があります。実績のある3歳馬でも軽量で出走できますので、人気が集中しやすい傾向にあります。

 軽量で出走できる3歳馬は魅力十分ですが、全馬を買ってしまうのは期待値としてはマイナスになります。まずは3歳馬の取捨選択をしっかりと行う事がクイーンSを攻略するカギになるのではないでしょうか。

 ここでは、上位人気が予想される馬の死角となりそうなデータをひとつ紹介します。

【条件】
キャリア8戦以下(ただし、前走4着以内の馬は除く)
[0-0-0-11]複勝率0%
該当馬:イフェイオン、コガネノソラ、ボンドガール
(過去の該当馬:22年ウォーターナビレラ1番人気10着、18年リバティハイツ3番人気10着、16年ロッテンマイヤー3番人気10着)
※特に言及のない限り、データは12年以降に札幌芝1800mで開催された10レースを対象にしています。

 上位人気が予想されるボンドガールが該当しました。

 データ対象期間内のクイーンSにおいて、キャリア8戦以下だった馬は2019年のフィニフティを除き全て3歳馬となっています。そして、前走で4着以内に好走していた馬以外は全て馬券圏外となっています。

 豊富なキャリアを持つ古馬相手に3歳馬が結果を残すためには、前走で4着以内と好走し勢いに乗って挑む事が重要と言えるのではないでしょうか。過去の該当馬に挙げたウォーターナビレラやリバティハイツ、ロッテンマイヤーは重賞での好走歴があった実力馬でしたが、前走で4着以内に入れずリズムを崩しており、クイーンSでも本来の力を出し切れずに人気を裏切る結果となっています。

 該当馬に挙げたボンドガールは前走で17着と惨敗。直線で他馬から寄られる不利があっての結果ですが、そのようなアクシデントで精神的なダメージが残っていないか心配されるところです。また、大敗でリズムを大きく崩してしまっているので、本来の力を出し切れない可能性は十分にありそうです。

 ボンドガールは重賞で連対実績のある馬ですが、その時と同様に走れる精神状態であるかは不明です。上位人気が有力ですのでリスクを背負ってまで勝負するほどのリターンにも期待できないとなれば、思い切って本馬の評価を下げる事も考えたいところです。

 重賞レースの参考に、是非お役立てください。