TWICE

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日本の大規模会場を埋め尽くす

 韓国の大手芸能事務所JYPエンターテインメント所属の9人組ガールズグループTWICE(トゥワイス)がワールドツアーの追加公演「TWICE 5TH WORLD TOUR 'READY TO BE' in JAPAN SPECIAL」を開催し、異様なまでの動員力を見せている。特に目を見張るのがその会場だ。7月13、14日はヤンマースタジアム長居(大阪市東住吉区)、同月20、21日は味の素スタジアム(東京都調布市)で開催し収容人数はいずれも5万人。最終地となる同月27、28日の日産スタジアム(横浜市港北区)に至っては7万2000人というからその規模に驚く。

【写真】「逆にテンション爆上がり」…雷雨の中、ライブを行ったTWICE

 ライブ公演を取材した音楽ライターがこう振り返る。

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「20日の味スタ公演では、突然のゲリラ雷雨で開演が1時間遅れ、『雷雲が通り過ぎています』というアナウンスの後、午後7時にスタートしました。しかし、アナウンスとは裏腹に1時間ほどしたら再び雨脚が激しくなり、満席のアリーナ席はたちまち水たまりがあちこちに。昼間は快晴だったためカッパやレインコートなど雨具の準備をしてこなかったファンはなすすべなくびしょ濡れです。それでも帰ろうとするファンはほとんどおらず、声を嗄らして声援を送っていましたね。ステージに雨が吹き込み、TWICEのメンバーの髪の毛もけっこう濡れていました。ラストはメンバー全員が傘をさしてトークをするほど。メンバーとファンの団結力のすごさを目の当たりにして壮観でしたよ」

 今回のTWICEの大規模ワールドツアーは昨年4月のソウルからスタート。豪州、北米、欧州、東南アジアなど世界各地を回り、最終地として日本では5月にヤンマースタジアム長居、味の素スタジアム、12月にバンテリンドームナゴヤ、福岡PayPayドーム(各2日連続)で公演を行った。それからわずか半年余で追加公演が実施され、再び各地の巨大スタジアムを満席にしてしまった。これほどまでの動員力を誇るアーティストは、日本にはほとんどいないのではないか。

「TWICEは2016年に泣き顔の文字“TT”をタイトルにした『TT』の大ヒットで、一躍スターダムにのしあがりました。日本での人気は衰えるどころか、年々過熱しているように見えます。4回目のワールドツアーの際は、22年4月に東京ドームで3日連続公演を行いました。これはK-POPガールズグループとしては初という大記録です。当時も取材しましたが、観客の歓声が地響きのように大きくてビックリした記憶があります。今月の味スタでも激しい雨の中、『BDZ』のパフォーマンスに合わせて5万人が『Let's go! Let's go!』と叫び声を上げる場面には鳥肌が立ちましたよ」(前出の音楽ライター)

今後の活動を左右する再契約問題

 まさに人気絶頂と言えるが、ファンの間ではある“懸念”がささやかれている。それは今後の活動を左右する再契約問題だ。Mnetのサバイバルオーディション番組「SIXTEEN」で選ばれたTWICEは、韓国人5人(ジョンヨン、ジヒョ、ダヒョン、チェヨン、ナヨン)、日本人3人(ミナ、サナ、モモ)、台湾人1人(ツウィ)で構成される。2015年10月20日にミニアルバム「THE STORY BEGINS」収録の「Like OOH-AHH」でデビュー。それから7年後の22年7月12日に、メンバー全員がJYPと再契約を結んだことが発表された。

「同事務所に所属していた4人組ガールズグループmiss Aが2010年のデビューから7年後に解散したため、一部でTWICEも解散するのではという予想が上がっていました。しかし、再契約の知らせに世界中のファンが大喜び。発表となった“7月12日”の“7”はデビューから7年、“1”はファンの総称であるONCE(ワンス)、“2”はTWICE(2度)をそれぞれ表しているようです。再契約はアーティスト側が有利になるとされていますが、事務所とメンバーの収益配分について、メンバーのチェヨンが『けっこう上がった』と明かして注目を集めました」(同)

 2022年にJYPとの再契約を結んだTWICEのメンバーだが、次の契約満了は3年後の25年とみられている。TWICEの爆発的な動員力を手放したくないJYPは、来年に迫ってきた契約満了に向けてメンバーへの説得を始めるだろうが、果たしてうまくいくのか。

 韓国の大手芸能事務所関係者はこう話す。
 
「2年前の再契約の際、台湾メディアが台湾人のツウィを除くメンバー8人は5年の再契約をJYPと結ぶ予定で、ツウィだけ3年になると報じました。JYPから否定するコメントはないので真偽は不明ですが、現状、再契約期間は全員3年で来年が満期というのがもっぱらの見方です。ツウィは2019年版『世界で最も美しい顔100人』で1位を獲得するほどでしたから、個人のキャリアを見据えてソロ活動に乗り出しても不思議ではありません」

 確かに近年、メンバーの個別活動が活発化している。ナヨンはTWICE初のソロアーティストとして2022年に1stミニアルバム「IM NAYEON」、今年5月に2ndミニアルバム「NA」をリリース。23年7月には、日本人メンバーのミナ、サナ、モモのユニット・MISAMOがミニアルバム「Masterpiece」を発表し、同8月にはジヒョが1stミニアルバム「ZONE」でソロデビューした。ファッション志向のチェヨンは『Esquire Korea』とのコラボでソロ写真集『ONCE MORE』を今月発売し、腕や背中のタトゥーを積極的に公開している。

 一方、ジョンヨンは椎間板ヘルニアやパニック障害で一時期活動を中断していた。薬の副作用で体重が増えたが、最近は元東方神起のジェジュンとYouTubeの配信動画に出演し「メンタルが大事。趣味がたくさんあればモチベーションが上がり元気になる」と発言しており、仕事最優先という考えではないようだ。

 来年以降、メンバー全員そろってのTWICEのステージが見られなくなるおそれがあるため、「これで見納めかもしれない」と危惧するファンがコンサートに押し寄せているようだ。残り1年。解散となれば、ファンは文字通り「TT」となるしかないのか。

デイリー新潮編集部