【現地報告】中国で熱狂的な支持を集める音楽番組『歌手2024』の魅力を探る
中国で絶大な人気を誇る音楽バラエティ番組『歌手2024』。その理由を紐解きながら、中国国内での音楽シーンの変化についての考察を、中国の現地ライター・Elisie氏から寄稿してもらった。
■第9シーズンまで続いている長寿番組。中国の視聴者にとって欠かせない存在
最近、中国国内で絶大な人気を誇っている音楽バラエティ番組『歌手2024』をご存知でしょうか。この番組では那英(Na Ying/ナー・イン)、汪蘇瀧(Silence Wang/サイレンス・ワン)、尚雯婕(Laure Shang/ラウル・シャン)、二手玫瑰(Ershoumeigui/アルショウメイグェイ)、杭蓋楽隊(HANGAI BIG BAND/ハンガイ)といったC-POP界の有名なアーティストに加え、Adam Lambert(アダム・ランバート)、Chante Moore(シャンテ・ムーア)、Faouzia(フォージア)などの海外の実力派アーティストが出演していることでも有名です。「全編ライブ配信」という生放送での放送形式が特徴の番組で、その目新しさから放送初日にしてすぐに話題沸騰の番組となりました。
『歌手2024』は湖南衛視という会社が制作している歌唱力対決を題材とした番組で、もともとは韓国MBCが制作した番組『I Am a Singer』をベースにしていると言われています。
2017年に『歌手』と改名され、対戦形式も次々と進化していきました。第9シーズンまで続いているこの長寿番組は、中国の視聴者にとって欠かせない存在となっています。
『歌手2024』の対戦ルールは非常に複雑で、視聴者ですらわからないなんてことも…。
そのルールとは、主に<1>順位決定戦と<2>チャレンジ戦に分かれていて、<1>順位決定戦では、最初に選ばれたアーティストが多くの観客の前で自身の代表曲を順番に発表をし、観客の審査で順位を決めます。<2>チャレンジ戦ではチャレンジャーが現在の上位陣の中から指名し、1vs1での歌唱対戦を行い、もしチャレンジャーが上位陣に勝利しチャレンジが成功した場合、順位決定戦の観客投票で最下位になってしまった選手が脱落していくというルールです。
これにより現時点で最下位の歌手は常に脱落の可能性がちらついており、歌手はもちろん会場全体が緊張感を持った状態で行われるため、歌手のパフォーマンスが最大限引き出されるルールとなっています。
■『歌手2024』の大人気の理由は、豪華なアーティストが勢揃いしていることや「全編ライブ配信」
『歌手2024』は5月10日の第1回目の放送以来、爆発的な人気を誇り、湖南衛視の公式データではなんと連続6回で中国の地上波の各大手テレビ局で視聴率No.1を打ち出しています!関連動画のうち100万以上の「いいね!」を獲得したものが13本、SNSでの総拡散量は1146.3億回に達し、世界でも大人気の番組となっています。
ここまでこの番組が大人気な理由は、豪華なアーティストが勢揃いしていることや「全編ライブ配信」という点が人気の理由となっています!
製作陣はこの番組を「アーティストのワールドカップ」にするという目標を掲げ、世界的に有名な歌手への参加オファーを積極的に行っております。そのため過去の放送では、米国のR&B女神Chante Moore(シャンテ・ムーア)やカナダの新進気鋭の女性歌手Faouzia(フォージア)がなどの海外の超大物歌手が次々と参加しています。
初回放送では、Chante Moore(シャンテ・ムーア)が世界的な名曲「If I Ain’t Got You」を披露し、世界の歌姫が持つ4オクターブの広い音域と圧倒的な歌声で人々を魅了するとともに、中国に到着してわずか24時間でしたが、彼女はそれをもろともせず圧巻のパフォーマンスで初代チャンピオンの座を勝ち取りました。
▼Chante Moore(シャンテ・ムーア)
今大会で「Crazy」を見事に歌い上げ、2位を獲得したのはカナダ出身のモロッコ系女性歌手Faouzia(フォージア)でした。1位2位を獲得した海外アーティストの圧巻のパフォーマンスは他の出場選手にプレッシャーと緊張感を与え、白熱したバトルを演出しました。その白熱した勝負から、視聴者の間で出場選手の順位に関して、当時熱い議論を巻き起こしました。
▼Faouzia(フォージア)
■わずか1時間の間で約83万人がリアルタイムでのネット投票に参加
第3回放送では、視聴者投票によってチャレンジャーが選ばれました。
この日はわずか1時間の間で約83万人がリアルタイムでのネット投票に参加するなど投票は大いに盛り上がりました。その投票から選ばれたチャレンジャーはなんと米国の大人気ポップ歌手Adam Lambert(アダム・ランバート)でした。自身の代表曲である「Whataya Want From Me」を歌い上げ、会場の熱気は今回の放送で最高潮の盛り上がりとなり、チャレンジ戦を勝利で飾りました。
▼Adam Lambert(アダム・ランバート)
過去に放送された『歌手』シリーズにも数多くの実力派海外アーティストが出場しています。特に有名なアーティストを挙げると、カザフスタンのオペラプリンスDimash Kudaibergen(ディマシュ・クダイベルゲン)、韓国版『I Am a Singer』でチャンピオンに輝いた超実力派歌手The One(ザ・ワン)、魅力的な歌声を持つ韓国の男性歌手黄致列(ファン・チヨル)、マレーシアで国宝級歌手と呼ばれているShila Amzah(シラ・アムザー)などが出場しています。
▼Dimash Kudaibergen(ディマシュ・クダイベルゲン)
▼The One(ザ・ワン)
▼黄致列(ファン・チヨル)
▼Shila Amzah(シラ・アムザー)
また『歌手2018』では、ロンドンオリンピックの閉会式で圧巻のパフォーマンスを披露した英国のポップクイーンJessie J(ジェシー・J)も出場し、見事この回のチャンピオンに輝きました。彼女は番組で「Price Tag」、「Domino」、Ariana Grande(アリアナ・グランデ)とのコラボ曲「Bang Bang」などの名曲を披露し、観客と視聴者は熱狂の渦へと引き込まれた。
▼Jessie J(ジェシー・J)
日本の国民的歌手であるMISIAも2020年に『歌手・当代之年』に参加しました。
彼女は日中間の平和を願い、番組では「未来へ」や「銀の龍の背に乗って」の名曲を披露し、彼女の想いは彼女の歌声に乗せて会場や視聴者へ届けられました。彼女の歌った曲はのちに中国語でカバーされ、今も多くの人に歌われており、中国全土で広く親しまれています。
MISIAの卓越した表現力と歌唱力は視聴者から絶賛され、公開された動画のコメント欄には「日本語がわからなくても彼女の歌に完全に共感できる」といったコメントが多く寄せられました。しかし、番組の後半で新型コロナウイルスの感染拡大により、MISIAは中国へ渡航ができず現場での収録が困難となってしまい、彼女の参加を心待ちにしていた多くの視聴者にとって、本当に残念な結果となってしまいました。
▼MISIA
■C-POP界からも多く実力派のアーティストが出場
番組では豪華な顔ぶれが揃う海外アーティストに対し、C-POP界からも多く実力派のアーティストが出場しました。
特に『歌手2024』には、C-POP界の実力派歌手が数多く出場しています。1967年生まれの著名な華語歌手である那英(Na Ying/ナー・イン)は、中国全土で人気のある実力派の女性歌手です。彼女の音域は非常に広く安定しており、特に高音域での歌声は驚くほど澄んでいて聴く人の心を優しく包み込んでくれます。彼女の登場により会場の誰もが、彼女が優勝するだろうと確信していましたが、先に登場した実力のある海外歌手の圧巻のパフォーマンスや全編ライブ配信とミスが許されないという厳しい状況に直面し、数々の賞を受賞してきた彼女でさえ大きなプレッシャーを感じずにはいられませんでした。これにはネットユーザーたちも、この番組のことを「那英の冒険記」などと冗談混じりに喩えていました。
▼那英(Na Ying/ナー・イン)
また、台湾出身の歌手黄宣(=YELLOW/ホアンシュエン)は、類稀れなる舞台パフォーマンス力とアレンジ力を持っています。彼は、オルタナティブポップからジャズまで、幅広いジャンルの曲を自在に操ることができ、彼のこの才能に対し自らを「宝島(台湾)のドウェイン・ジョンソン」と呼ぶなど、彼の自信溢れるユーモアセンスで観客から愛されている歌手です。
▼黄宣(=YELLOW/ホアンシュエン)
さらに、今回の番組に参加しているもうひと組のアーティストは、モンゴル族出身の杭蓋楽隊(HANGAI BIG BAND/ハンガイ)です。メンバーの胡日査(HURIZHA)は、観客から『ドラゴンボール』の悟空の師匠である界王様に似ていると言われていることでも有名です。
民族色豊かな杭蓋楽隊は7人組で、2007年にはイギリスでデビューアルバム『杭蓋』をリリースしました。彼らは、アジア最大の音楽フェスティバルであるフジロックのメインステージに立った実績もあるバンドでもあり、モンゴル族の伝統楽器である馬頭琴や、独特な歌唱法である喉歌(ホーミー)を駆使する彼らの音楽は、番組に新たな風をもたらしました。
▼杭蓋楽隊(HANGAI BIG BAND/ハンガイ)
今回出場したもうひとつのロックバンド、二手玫瑰(Ershoumeigui/アルショウメイグェイ)は、中国北部(河北省や山東省)の色濃い文化を取り込み、民謡音楽や二人転(漫才のようなもの)といった文化と現代の音楽を見事に融合させています。彼らの地元で有名な「嗩吶(ソーナ)」(チャルメラ)や「葫芦糸(フルス)」(ひょうたん笛)といった伝統的な楽器を巧みに使いこなし、独自の音楽スタイルを形成しています。そのユニークな音楽性とひときわ目を引く派手な民族衣装は、中国のネットユーザーから「臭くて癖が強いけど、食べれば食べるほど美味しい臭豆腐」と評価されています。
▼二手玫瑰(Ershoumeigui/アルショウメイグェイ)
その他にも、1989年生まれの男性歌手汪蘇瀧(Silence Wang/サイレンス・ワン)は中学時代からクラシック音楽に目覚め、大学時代には自身のオリジナルソングをネット上に公開し、その斬新な音楽性から爆発的な人気を博し、多くの音楽チャートで1位を獲得しました。彼は人気ドラマのサウンドトラックを数多く手掛けており、特にドラマ『花千骨』の挿入曲「年輪」が有名であり、彼の代表的な作品となっています。『歌手2024』への出場は彼にとって大きなチャレンジとなりました。今回彼が選んだ曲は当時未発表のオリジナルソングでしたが、まだ歌い慣れない曲だったことや国内外の大物歌手が圧巻のパフォーマンスをする中で極度の緊張状態に陥り、本来の実力を発揮できず終了してしまいました。彼自身、歌唱技術では他の出場者には及ばないものの、常に挑戦し続ける姿勢や独創的な音楽スタイルを貫く彼の努力と魅力は、観客の胸に強く響きました。
▼汪蘇瀧(Silence Wang/サイレンス・ワン)
チャレンジャーとして登場した女性歌手尚雯婕(Laure Shang/ラウル・シャン)は1982年に上海で生まれ、その後、彼女は復旦大学に入学・フランス語学科を卒業し、在籍中は多言語を操る優秀な学生でした。その後、2006年に湖南衛視の『超級女声』オーディション番組に参加し、510万票という中国オーディション番組史上最高得票数で優勝を果たした超実力派の歌手です。彼女が出場した『歌手2024』では、王菲の『帰途有途』を歌い、深みと透明感のある美しい歌声で観客を魅了しました。残念ながら、最終的には対戦相手のFaouzia(フォージア)に惜しくも敗れてしまいましたが、そのパフォーマンスは多くの人々の心に残りました。
▼尚雯婕(Laure Shang/ラウル・シャン)
■過去出場した、C-POP界のトップアーティストたち
過去の番組には、多くのC-POP界のトップアーティストも出場しており、その中でも代表的な歌手を5名ご紹介します!
李玟(CoCo Lee/ココ・リー)はその卓越した歌唱力と魅力的なパフォーマンスで『我是歌手第四季』の優勝を果たしています。1975年生まれの彼女は「華人の光」と称され、オスカー受賞作である『臥虎蔵龍』の主題歌「A Love Before Time」を歌い、第73回アカデミー賞の最優秀オリジナルソング賞にノミネートされました。また、彼女はオスカー授賞式で歌った初の華人でもあります。2020年にはディズニーの実写映画『ムーラン』の中国語版主題歌である「自己」を歌い上げました。しかし、残念ながら2023年7月5日、48歳という若さで永遠にこの世を去ってしまいました。このことに多くのファンは彼女の死を嘆き悲しみ、今も彼女を深く懐かしんでいます。
▼李玟(CoCo Lee/ココ・リー)
1968年生まれの黄綺珊(Susan Huang/スーザン・ホァン)は、一度聴いたら絶対に忘れられない独特の歌声を持ち、その声はまるで私たちに物語を語りかけているような深みがあります。最近では、大ヒット曲『向云端』を披露し、数多くの音楽チャートに彼女の名前が登場したのち、2013年の『我是歌手第一季』に出場し、その名を広く轟かせました。この回で彼女がカバーした「The Power of Love」や「I Will Always Love You」は、この番組の中で不朽の名作となっています。
▼黄綺珊(Susan Huang/スーザン・ホァン)
1990年生まれの華晨宇(Hua Chenyu/フア・チェンユー)は、湖南衛視のオーディション番組『快楽男声』で総合優勝を果たし、鮮烈なデビューを果たしました。彼は中国国内で最も影響力のあるアーティストのひとりであり、中国版のツイッターでもある新浪微博で3700万人以上のフォロワーがいます。華晨宇(Hua Chenyu/フア・チェンユー)は『歌手2018』と『歌手・搭档之年』の2つのシーズンに参加し、それぞれ準優勝と優勝という成績を収めています。華晨宇(Hua Chenyu/フア・チェンユー)は才能豊かなオリジナル歌手であり、番組内で自身で作曲した「斉天」を披露し、一躍注目を浴びました。また、中国のミュージシャン陳粒(Chen Li /チェン・リー)の「易燃易爆炸」をカバーした彼のステージも観客を熱狂させ、この曲を一気に人気曲に押し上げました。
▼華晨宇(Hua Chenyu/フア・チェンユー)
1991年生まれの訒紫棋(=G.E.M./タン・チーケイ)は、上海出身で香港で育った、才能あふれる音楽プロデューサー兼歌手です。彼女の可愛らしい容姿とは裏腹に力強い歌声・パフォーマンス力を兼ね備えており、小柄な体でありながら爆発力を秘めているなどそのギャップが魅力的な歌手です。彼女は『我是歌手第二季』で自身のオリジナル曲でもある「泡沫」を披露し、その卓越した歌唱技術で観客を驚かせました。最終的には多くのライバルと競う決勝戦で彼女は準優勝を獲得し、優勝は「向天再借五百年」を華麗に歌いあげた国民的な男性アーティストの韓磊(Han Lei/ハン・レイ)で、彼女は彼に次ぐ見事な功績を収めました。
▼訒紫棋(=G.E.M./タン・チーケイ)
1983年生まれの台湾出身の歌手A-Lin(アーリン)は、『我是歌手第三季』で、まさにダークホース的な存在でした。このシーズンは「神々の戦い」と称され、韓紅(Han Hong/ハン・ホン)、孫楠(Sun Nan/スン・ナン)、李健 (Li Jian/リー・ジェン)、譚維維 (Tan Weiwei/タン・ウェイウェイ)などのC-POP界を代表とするトップアーティストの面々や、「イルカの声」として知られる張靚穎 (Jane Zhang/ジェーン・チャン)、R&Bの天才胡彦斌 (Tiger Hu/タイガー・フー)、韓国からの実力派歌手The One(ザ・ワン)などが集結しました。A-Lin(アーリン)は、豪華な歌手たちがひしめく厳しい戦いの中でも、彼女の個性である中音を巧みに操り、優れたパフォーマンスを披露しました。その類い稀なる中低音が持ち味の歌声で、番組の決勝まで進出しました。この回で彼女は一躍有名となり、彼女のソロシングル「給我一個理由忘記」は、多くの人々がカラオケで必ず歌う定番の曲となっています。
▼A-Lin(アーリン)
『歌手』シリーズは第9シーズンまで続いている長寿番組で、魅力的なアーティストが多数出場しているため、本記事では全員を紹介することは出来ませんでした。例えば、大魔王の異名を持つ女性歌手の譚晶(Tan Jing/タン・ジン)、清華大学電子工学科を卒業した才色兼備な男性歌手李健 (Li Jian/リー・ジェン)、アルバム『Simple』を日本語盤でもリリースし日本でツアーを行ったことでも知られている林憶蓮(Sandy Lam/サンディ・ラム)、韓国MAMAアジア最優秀歌手賞(MAMA AWARDS)と全米音楽賞年間国際アーティスト賞(International Artist Award)を受賞した張杰(Jason Zhang/チャン・ジエ)、元Beyondのメンバー黄貫中(Paul Wong/ポール・ウォン)、シンガーソングライターとして才能を開花させた李栄浩(Li Ronghao/リー・ロンハオ)など、中国で有名なトップアーティストが数多くこの番組に出場しています。
▼譚晶(Tan Jing/タン・ジン)
▼李健 (Li Jian/リー・ジェン)
▼林憶蓮(Sandy Lam/サンディ・ラム)
▼張杰(Jason Zhang/チャン・ジエ)
▼黄貫中(Paul Wong/ポール・ウォン)
▼李栄浩(Li Ronghao/リー・ロンハオ)
■真の実力を持った歌手を好み、心から楽しめる音楽を求めている中国の視聴者
出場したアーティストの紹介が終わったところで、『歌手2024』がこれほど人々から人気を集めたもう一つの大きな要因が、「全編ライブ配信」の放送形式を採用したことです。
従来の音楽番組は長期にわたり、「複数回の撮り直し」や「音声の修正」を行い、歌手たちのパフォーマンスを最大限引き出す形で放送してきました。ただ、長期にわたりこの方法に慣れてしまった歌手は次第に歌うことへの努力を怠り、自身の歌唱力に常に磨きをかける本当の意味でのアーティストは減っていきました。この状況が蔓延してしまったため中国の視聴者は、真の実力を持った歌手を好み、心から楽しめる音楽を求めています。そこで、『歌手2024』は「口パク」を拒否し、「全編ライブ配信」を行うことで、中国の観客の心に響きました。この大胆な試みは「ナマズ効果」(英語で「catfish effect」。競争がゆるい環境に強敵を放り込むと、もともと弱かった者が自分自身を強化して強くなる、という意味)のように中国の音楽シーン全体を刺激し、視聴者の支持と共感を得ることができました。
■音楽が舞台上での唯一の共通言語。この純粋さと真摯さこそが、『歌手』が長年にわたり中国の視聴者から愛され続けている本当の理由
この番組に敢えて出場する歌手たちは、そのパフォーマンスの良し悪しにかかわらず、勇気と実力を持って、自身のアーティストとしての尊厳を勝ち取っています。まだ知名度の低い若いアーティストたちは『歌手』を通じて一気にブレイクし、無名だった実力派のアーティストたちは再びキャリアの頂点に立つことができます。実力がこの番組で唯一のパスであり、音楽が舞台上での唯一の共通言語です。この純粋さと真摯さこそが、『歌手』が長年にわたり中国の視聴者から愛され続けている本当の理由なのでしょう。
現在も番組は放送中であり、今年のチャンピオンが誰になるのかはまだわかりません。すべての出場するアーティストが、この負けたら終わりの真剣勝負で最高のパフォーマンスを披露してくれることを期待しています。
TEXT BY Elisie
メイン写真提供:『歌手2024』
『歌手2024」OFFICIAL SITE