あなたの家の冷蔵庫、「認知症を招く冷蔵庫」かも⁉️病気リスクがわかるチェックリストで診断!

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人生100年時代といわれる現在。長生きできるのは嬉しいことだけれど、老後が長くなればなるほど心配になるのが「認知症」ですよね。でも実は、脳が喜ぶ食材を正しく食べれば、認知症の予防・改善は可能なのだとか!そこで今回は、医学博士・認知症カウンセラーである山根一彦氏による著書『OK食材、NG食材もズバリ! 認知症を防ぐ最高の食べ方』(KADOKAWA)から、認知症を予防する食生活のヒントを少しだけお届けします。

高齢者の2人に1人が認知症、または予備軍に……


実は、日本は認知症大国です。厚生労働省の調査によれば、2012年の段階で日本には約462万人の認知症患者がいました。それが2025年には、700万人以上に膨れ上がるだろうといわれています。まさに、高齢者の5人に1人が認知症になる計算です。

しかも、これは正式に診断される数であって、実際にはさらに「認知症予備軍」とでもいうべき人たちがいます。記憶力や注意力などの認知機能に低下が見られるものの、日常生活に支障を来すほどではない「軽度認知障害(MCI)」の人たちです。認知症や軽度認知障害であることに気づかずに暮らしている人たちもいるでしょう。そう考えると将来的には、*高齢者の2人に1人は認知機能に問題を抱える時代が来る……! *そういっても、けっして大げさではないと、私は考えています。

あなたの家の冷蔵庫、「認知症を招く冷蔵庫」になっていませんか?


認知症を防ぎ、改善する食べ方を取り入れていく大前提として、冷蔵庫を正しい状態に整えておくことはとても重要です。実は冷蔵庫は、認知症のリスクや進行度を見極める格好のポイントです。

冷蔵庫を開けたとたん、中身がゴロゴロと落ちてきませんか?

冷蔵庫の中から、なにか嫌な臭いがしませんか?

飲みかけ、食べかけのものがたくさん入っていませんか?

野菜が干からびていませんか?

「冷凍していつか食べよう」となんでも冷凍庫に押し込んでいませんか?


「あれ?昔はこうじゃなかったのにな?」と思ったら今すぐ冷蔵庫の整理を始めましょう。毎日使う冷蔵庫の無残な状態を気持ちのいい状態に整えれば、これから最高の食べ方を学び、実践していく意欲にもつながります。

余談ですが、脳の機能と片づけについては、「散らかったところを片づけると集中力と情報処理能力が改善する」という研究結果もあります。

あなたの認知症リスクがわかる!冷蔵庫チェックリスト


冷蔵庫のチェックポイントをテスト形式でご紹介。ご自身の冷蔵庫はもちろん、親御さんの冷蔵庫もときどきチェックして認知機能に変わった点はないか気をつけてあげるのにも便利です。さあ、当てはまる項目は何個ありますか?

□冷蔵庫の中が清潔でない。汚れが目にとまる。

□冷蔵庫の中から、なにか嫌な臭いがする。

□冷蔵庫の中が整頓されておらず、取り出したいものが取り出せない。

□冷蔵庫の奥になにが入っているか見渡せない。

□どこになにをしまうか、いつも行き当たりばったりで規則性がない。

□同じ食材が何個も入っている。

□賞味期限切れの食材が入っている。または冷蔵庫の中に賞味期限を把握できていないものがある。

□飲みかけ、食べかけのものがいくつも入っている。

□干からびた野菜が入っている。

□食べたらお腹を壊しそうなものが入っている。

□ふたがきちんと閉まらないものがある(調味料のチューブなど)。

□製氷機を使っている(製氷機を清潔に保つのは実はとても難しいのです)。

□「冷凍していつか食べよう」となんでも冷凍庫に押し込みがち。

□冷蔵庫のドアにあれこれ紙類を貼っていて、紙がよく落ちる。あるいは、見たい紙がどこにあるのかひと目で探せない。

□冷蔵庫の上、床や壁との隙間にほこりが溜まりっぱなし。

判定


・8個以上が当てはまる

認知機能の低下が心配です。また、冷蔵庫の中に漂う「毒素」が脳に与えるダメージも心配です。まずは当てはまる項目が7個以下になるのを目標に、冷蔵庫を整えてみてください。

・5個〜7個以上が当てはまる

冷蔵庫を開けるたび、小さなストレスが少しずつ溜まり、じわじわと脳に悪影響を与えているかもしれません。当てはまる項目が4個以下になるよう、冷蔵庫を整えてみてください。

・4個以下が当てはまる

今は認知機能に大きな問題はなさそうです。当てはまる項目をさらに減らそうとすることで、脳にいい刺激を与えてあげてください。

毎日食べたい! 認知症を防ぐOK食材


ブロッコリー



アブラナ科の野菜には、認知症予防に欠かせない「抗炎症力」「解毒力」「抗酸化力」という3つの力が備わっています。アブラナ科の野菜の中でもとくにおすすめなのはブロッコリーです。ブロッコリーには「イソチオシアネート」という、前述した3つの力に優れている成分が特に豊富に含まれているからです。調理する際に気を付けてほしいのは、野菜をなるべく切り刻んでほしいということ。実は「イソチオシアネート」は、切り刻むことで初めて生まれる成分なのです。

ニラ



ニラの特有の香りのもとは「アリイン」「メチイン」という成分。「アリイン」には強い抗酸化力があり、「メチイン」にはピロリ菌増殖抑制作用があります。認知症の患者さんにはピロリ菌感染率が有意に高いこと、ピロリ菌の除菌が認知機能の改善に有効であることは、脳神経系の医学誌ですでに報告されています。ニラは傷みやすく、冷蔵保存できるのは3日ほどです。新鮮なうちに自家製の「冷凍ニラ」にしておきましょう。生のまま細かく切って冷凍すると、アリインとメチインの量が増えます。

レモン果汁



認知症の予防や改善には、活性酸素の産生を抑えることが重要です。ビタミンA、C、E、ポリフェノールは、活性酸素から体を守る成分の代表格です。中でもビタミンCの血中濃度が高い人は、認知機能の低下を防げる可能性があるそうです。しかしビタミンCは、摂取が難しい栄養素です。というのは、食品中のビタミンCは水溶性なので、せっかく口にしても、2時間もすれば使われない分は尿になって体外に出てしまうのです。それでは、ビタミンCの血中濃度を高く保つことができません。そこでおすすめなのが、有機レモン果汁です。1日何回かに分けて、こまめに飲み物や食べ物にかけましょう。果汁といっても、いちいち絞る必要はありません。スーパーによくある、ビンに入った有機レモン果汁が手軽です。

本文は『OK食材、NG食材もズバリ! 認知症を防ぐ最高の食べ方』(KADOKAWA)より一部抜粋・編集しています。

メイン画像提供:Adobe Stock

著者メッセージ


不治の病と考えられてきた認知症ですが、今現在大きくその認識が変わりつつあります。長い研究の中で、認知症の本当の原因がわかってきたからです。

私の新刊 『認知症を防ぐ食べ方』(KADOKAWA)では、その認知症の原因に対抗するための食事の内容や食べ方について幅広くわかりやすく解説しています。あなたの脳は、あなたが今まで食べたものでできています。これからの脳の健康を左右するのは、これからあなたが食べるものです。またそれらの食べものをどう調理するか、どんな順番で食べるかなどによって、脳をさらに活性化することもできます。

認知症が心配な方もそうでない方も、健康な脳を作っていくための指南書として本書を活用していただけると幸いです。

書籍紹介


『OK食材、NG食材もズバリ! 認知症を防ぐ最高の食べ方』(KADOKAWA)



14万人に支持される医学博士が伝授!認知症を予防、改善する食べ方

◆「認知症は不治の病」は過去のこと!

◆認知症を招く"3つの原因"を遠ざける最新の食べ方のルールを網羅!

◆できることから1つずつ実践すれば誰でも認知症を予防、改善できる!

◆認知症リスクは冷蔵庫を見ればわかる!「冷蔵庫チェックテスト」初公開

――目次――

はじめに――大好きな祖母との思い出

第1章――ここまでわかった! 認知症の最新情報

第2章――なるべく避けたい食材と対策について

第3章――毎日食べたい食材の食べ方と選び方

第4章――脳を守る食事と調理の基本の考え方

おわりに――「すべて避ける」ではなく「できるだけ減らす」で大丈夫

著者紹介


山根 一彦(やまね かずひこ)

医学博士。一般社団法人認知症協会代表理事。神経変性疾患・生体防御・感染症代謝を専門とし、第一三共ヘルスケア株式会社、SBIアラプロモ株式会社など、複数の大手製薬企業で商品開発・改良に参加。知財として価値の高い複数の特許を取得。行政に依頼されての認知症予防出張講演や介護施設の食事指導、認知症専門人材の育成、教材開発、認知症関連書籍の監修・執筆活動を行う。著書に『マンガでわかる医学博士がすすめる認知症にならない最高の習慣』(新潮社)。