「小さいから栄養が少ない」って思ってない? 管理栄養士に聞いて分かった「ミニ野菜」の“大きい”メリット
ミニトマトや芽キャベツなどの「ミニ野菜」。一般的な野菜と比べてサイズが小さいことが最大の特徴ですが、それゆえに「小さい分、栄養が少ないのでは…?」と思ったことがある人もいるかもしれません。実際、ミニ野菜と一般的な野菜とでは、栄養成分に違いはあるのでしょうか。管理栄養士の桜井このさんに、「ミニ野菜の疑問」について聞いてみました。
ミニトマトの「リコピン」は普通サイズの2倍
Q.「ミニトマト」と「トマト」のような、ミニ野菜と普通の野菜は、栄養成分に違いはあるのですか。
桜井さん「ミニ野菜やベビー野菜と呼ばれているものは、小さい状態で成熟するように品種改良しているものや、大きく成熟する前にあえて早めに収穫するものがあります。
『大きく成長させた方がいいのでは?』と思うかもしれませんが、実は一般的なサイズの野菜よりも栄養が凝縮されていたり、大きく成長すると摂取できなくなってしまう栄養成分を補えたりするなど、栄養面で大きなメリットがあるものが多いのです。
例えばミニトマトは、赤い色のもとにもなっていて抗酸化作用のある『リコピン』という成分が、普通サイズのトマトの2倍も含まれているといわれています。ビタミンや鉄分などの栄養成分も凝縮されていて、非常に栄養面に優れていますね」
Q.他にも、ミニ野菜ならではのメリットはあるのでしょうか。
桜井さん「ミニ野菜は、あえて未成熟の状態や大きくなり過ぎない品種に改良して出荷をしているため、大きく成熟した野菜よりも実や皮がやわらかいです。そのため、普段は丸ごと食べられないような野菜でも、皮ごとそのまま食べられるものも多いですね。
また、通常サイズのキャベツのような大きな野菜は、一玉買ってしまうとなかなか使いきれない…といったこともあると思います。一方で、ミニ野菜の場合だと一玉でもサイズが小さいため、食べきりやすく、冷凍保存などもしやすいという点でもメリットが大きいのではないでしょうか」
Q.ミニ野菜はたくさん摂取しても問題ないのでしょうか。
桜井さん「野菜に関しては、成分の観点における上限はこれといってありません。ただし、これは何事にもいえるのですが、どんな食べ物であっても適量が重要です。『◯◯(食品名)ダイエット』など、特定のものしか食べないといったダイエット方法が定期的に流行しますが、栄養士の観点からは、同じものしか摂取しないというのはやはり避けていただきたいというのが本音です。
確かに野菜は栄養成分も豊富で、積極的に摂取してほしいのは事実ですが、野菜だけでは取れない栄養も多いです。タンパク質や脂質など、野菜では補えない栄養を他の食べ物と一緒に摂取することで補えるよう、バランスよく食事をすることが重要ですね」
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扱いやすく、そのまま食べられるものも多いなど、さまざまなメリットがあるミニ野菜。実は栄養もたっぷりだそうなので、積極的に摂取していきたい野菜ということが分かりました。ただ、「野菜は健康によい」とはいっても、バランスよく摂取するのが重要です。上手にミニ野菜を取り入れながら、健康な食生活を目指しましょう。