松屋×松のや「ワンコイン朝食」でいいとこ取りな朝

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松屋・松のや併設店の480円モーニング。値上げ後でも、工夫次第で「ワンコイン」で充実したモーニングになります!(筆者撮影)

喫茶店やレストランが、朝の時間帯にドリンクやトーストなどのメニューを割安価格で提供するモーニングサービス。名古屋の喫茶店が始めた文化とされていますが、最近では大手外食チェーンも数多く提供しています。

そんなチェーン店の外食モーニングをこよなく愛するライター・ブロガー、大木奈ハル子さんがお届けする本連載。第85回となる今回、訪れたのは「松屋」です。

さまざまな外食チェーンで販売している朝限定メニュー。カフェやハンバーガーショップ、おそば屋さんなどはもちろんのこと、最近では焼肉店やラーメン店などでも独自のモーニングサービスを展開しています。

朝メニューの定番として、根強い人気を誇るのが牛丼チェーン。安価で提供される王道の和定食を食べたことがある人も多いのではないでしょうか。

松屋・松のや併設店で、いいとこ取りモーニング

7月は大手牛丼チェーン4社「すき家」「吉野家」「松屋」「なか卯」の朝メニューを食べ歩き、予算500円で食べられる朝食をレポートしていきます。先々週の「なか卯」、先週の「すき家」に引き続き、今週は「松屋」をご紹介します。

今回は、同系列のとんかつチェーン店「とんかつ 松のや」を併設する店舗を利用。牛丼店(松屋では牛めしと呼びますが)と、とんかつ店のいいとこ取りをしてきました。

【画像27枚】「併設店だからこそ」な楽しみ方ができる松屋。値上げ後でも工夫次第で「ワンコイン」も可能な充実モーニングの様子

「松屋」のモーニング、メニューは6種類です。


(筆者撮影)

・Wで選べる玉子かけごはん 税込330円
・得朝牛皿定食 税込390円
・ソーセージエッグ定食 税込490円
・豚汁朝定食 税込530円
・ソーセージエッグW定食 税込540円
・"炙り"焼鮭朝定食 税込680円

実は「とんかつ 松のや」も朝食メニューがあるのですが、併設店では一部メニューの取り扱いがないようで、朝食メニューはありませんでした。


(筆者撮影)

「松屋」の朝メニューの特色は、小鉢が4種類「ミニ牛皿」、「納豆(ネギ付)」、「国産とろろ」、「冷奴」から選べるところ(得朝牛皿定食のみ小鉢なし)。

しかもライスは、サイズを変更しても追加料金がかかりません。大盛でも特盛でも同じ価格で食べられます。その日の気分でサイドメニューを選べたり、腹ヘリ具合によってボリュームが増減できるのは、嬉しいポイントです。


(筆者撮影)

実は今回の価格改定で値下げしたメニューも!?

7月16日に価格改定があり、モーニングメニューもそれぞれ10円から50円の値上げとなりました。最安値で200円台を維持していた「Wで選べる玉子かけごはん」も、ついに300円の大台に乗り、税込290円から税込330円になっています。

値上げは残念ですが、実は値下げされたメニューもあるのです。


実は2022年時点ではミニカレーも小鉢で選べました。復活を切に願います(筆者撮影)

今回の値上げと日をおなじくして、牛めしと並ぶ人気レギュラーメニューだったカレーが、「ビーフカレー」から「チキンカレー」に変更になりました。トッピングなしの価格は税込580円から480円と、100円も安くなっています。

インフレが加速する昨今の、私たちの財布事情をおもんばかって、少しでも原価を抑えて安くておいしいものを届けたいという企業努力をひしひし感じます。

松屋&松のや併設店ならでは!裏技的ボリューム朝ごはん480円


Wで選べる玉子かけごはん330円に、スマホアプリのクーポンでサイドメニューをプラスして480円(筆者撮影)

「松屋」を運営する「株式会社松屋フーズホールディングス」は、同系列の「とんかつ 松のや」「マイカリー食堂(カレー店)」の併設店を積極的に展開しています。今回は「松屋」モーニングの最安値メニュー「Wで選べる玉子かけごはん」税込330円に、「とんかつ 松のや」のサイドメニュー「コロッケ」と「ポテキャベ」をプラスしました。

内容は以下です。

・ライス(全サイズ追加料金なし)
・半熟玉子
・ミニ牛皿(選べる小鉢)
・みそ汁
・単品追加 コロッケ
・単品追加 ポテキャベ


アプリで30円値引きが適用されて、コロッケが50円に(筆者撮影)

アプリのクーポンを使用したので、「コロッケ」は税込80円が税込50円に、「ポテキャベ」は税込150円が税込100円に値引きされることで、予算の500円以下を死守!

合計480円とは思えないほど品数の多い、豪華な朝ごはんとなりました。


ライスにミニ牛皿と半熟玉子を載せたら、牛めしに大変身しました(筆者撮影)

選べる小鉢は、単品価格が税込200円の「ミニ牛皿」をセレクト。他の小鉢の単品価格が税込100円〜170円なのでバリュー感がありますし、量は少なめとはいえライスに載せれば、看板商品である牛めしの味を楽しめるなんてありがたすぎます。

半熟玉子を割って黄身を絡めれば、しょうゆ味の甘辛いつゆで煮込んだ牛肉と玉ねぎはまろやかさを増し、白ごはんがすすみまくりです。

さらに「とんかつ 松のや」のコロッケ。いたってシンプルなじゃがいものコロッケに申し訳程度にコーンが入っている、何の変哲もないやつではあるのですが、これがおいしい。揚げ物専門店のたっぷり油のフライヤーで、カラッサクッと揚がっているため、外は香ばしく中はホクホクとして、素朴だからこそ調理の妙技を感じさせてくれます。

ソースをかけずにそのまま食べると、じゃがいもの甘味がじんわりと口の中に広がります。マスタードをちょっとつけるとピリリと大人の味に。「コンビニのレジ横のコロッケでもだいたい100円以上するのに、単品価格が税込80円というのは良心的だな」と思っていたのに、アプリのクーポンを使うと税込50円……なんだか、昭和にタイムスリップしたような気分です。ありがてえ……。


千切りキャベツと相性抜群、松のやの特製ソース(筆者撮影)

そして「ポテキャベ」。ポテトサラダと千切りキャベツが小皿にたっぷりと入っています。これぞトンカツ屋ならではのサイドメニューという感じ。

ドレッシングもいろいろありますが、ここはあえてのソースで食べたい。卓上調味料には、「松屋」でお馴染みのドレッシングと焼肉たれにプラスして、「とんかつ 松のや」のソース2種類も並んでいました。特製ソースは酸味が強めでさっぱりとフルーティーな味わいなので、キャベツとの相性も抜群なのです。

ちょっと食べてはみそ汁で口内をリセットしつつ、いろいろな味でライスを楽しめる、贅沢ではないかもしれないけれど、なかなかに豪華な幸せモーニングを味わったのでした。

目玉焼きと納豆ご飯の懐かしい朝ごはん


ソーセージエッグ定食490円(筆者撮影)

「ソーセージエッグ定食」は税込490円。以前は450円だったので、40円値上がりしたものの、ギリギリ500円アンダーを維持しています。選べる小鉢は、「ミニ牛皿」ではなくあえての「納豆」をチョイスしました。

内容は以下です。

・ライス(全サイズ追加料金なし)
・目玉焼き
・ソーセージ
・ミニ野菜
・納豆(選べる小鉢)
・お新香
・焼きのり
・みそ汁

家庭の朝食を彷彿とさせる目玉焼き定食は、牛丼チェーンのモーニングメニューの定番です。ごはんと目玉焼きとちょっとしたおかずとみそ汁の朝食。普通の食事だからこそニーズがあるのでしょう。

納豆にからしとタレを入れて混ぜ合わせ、オンザライスしてネギをパラリ。そのままでも、焼きのりでくるんでもおいしい。お新香に目玉焼きにソーセージと、ごはんのお供にぴったりなおかずが揃っています。

目玉焼きの黄身は半熟。お箸で割ってしょうゆを少しだけたらして食べます。ソーセージの皮はパリッと香ばしく、粗挽きでジューシーでした。

お新香はキャベツと輪切りのきゅうり、いちょう切りした大根と昆布。浅漬けで塩味は薄め、さっぱりとサラダ感覚で食べられます。パリポリとした歯応えも楽しい。

そして、目玉焼きの隣に並んだ付け合わせのサラダ(ミニ野菜)がおいしいんです。キャベツがメインなのですが、レタス、紫キャベツ、薄切りきゅうりで食感と彩りがプラスされています。いつも感じるのですが、松屋の付け合わせのサラダは本気度が高い。


しっかり食べごたえのあるミニ野菜。卓上には2種類のドレッシングが用意されています(筆者撮影)

付け合わせのサラダってお弁当の下に敷いてあるナポリタンのような、唐揚げの横のレモンとパセリのような「とりあえず出しとけ」的なムードの漂う、ぞんざいな扱いのものも多いなかで、「ささ、野菜しっかり食べてくださいよ」という、鮮度とボリュームで提供されるんです。

申し訳程度に出てくる場合と違って「私は野菜をちゃんと食べた」という気持ちになれます。

新開店のセルフサービス店も、やはり男性客のみ


松屋の併設店は松のやと、マイカリー食堂の2パターンがあります(筆者撮影)

今回筆者が利用した店舗は、今年に入ってニューオープンした路面店です。セルフサービス式の店舗で、カウンター席を中心にレイアウトされ、駅からは徒歩5分以上かかるものの、大通りに面しており近隣にはオフィスビルも多いため、多くの人が行き交っています。

平日朝8時前に入店した際の利用客は5人ほど。出入りは多く30分ほどで15人以上が入店しましたが、皆が食べるや否やつむじ風のように出ていくので、つねに店内には5人ほど座っているという感じ。

以前にも当コラムで2回「松屋」を取り上げた際に、筆者以外では男性客しかいなかったと書いたのですが、なんと今回も男性客のみで、全員が1人客でした。


なぜかオーダーと会計の端末が別になっています。わかりにくいのか注文を途中で諦めて店を出る人もいました。この辺は要改善かもしれませんね(筆者撮影)

サラリーマンだけでなく、出勤途中のOLも「松屋」の前を歩いているにもかかわらず、これほどまでに男性だけが「松屋」に吸い寄せられるのはなぜなのか。

特盛の丼でライスをかきこむ恰幅の良いサラリーマンを横目に、あれこれ思案する朝です。

【その他の画像も】「併設店だからこそ」な楽しみ方ができる松屋。値上げ後でも工夫次第で「ワンコイン」も可能な充実モーニングの様子

編集部注:本記事に登場するメニューの価格は、すべて取材時点のものです。昨今の円安、原材料高騰などの影響を受けて価格が改定されている可能性があります。また、店舗によってモーニングの値段・内容は異なる場合があります。


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(大木奈 ハル子 : ブロガー・ライター)