映画『Iké Boys イケボーイズ』釈由美子&エリック・マキーバー監督インタビュー「自分の歩いてきた証」「出会うはずのないふたりが出会った」
日本の特撮を観て育ったというアメリカ人映画監督のエリック・マキーバーさんが、自身の故郷であるオクラホマ州を舞台に、日本特撮へのオマージュ満載で制作したファンタジー映画『Iké Boys イケボーイズ』が、現在全国順次公開中です。
オクラホマの⽚⽥舎に住む⾼校⽣で、⽇本の特撮やアニメのオタクであるショーンとヴィクラム、そして⽇本からの留学⽣ミキの3⼈が、⽇本のアニメDVDを観たことで不思議な⼒を⾝につけ、世界の存亡がかかった陰謀に巻き込まれていく姿を描く本作。
来日中のエリック監督と、熱いラブコールを受け出演したという釈由美子さんに映画『Iké Boys イケボーイズ』の魅力をうかがいました。
■公式サイト:https://atemo.co.jp/ikeboys/ [リンク]
■7/20(土)@シネマート新宿 金子修介監督×エリック・マキーバー監督の舞台挨拶決定!
https://atemo.co.jp/ikeboys/news.html#5
●まず監督にうかがいますが、いよいよ日本での公開を迎えますが、今の心境はいかがでしょうか?
エリック:ワクワクとドキドキ、半々です! 自分の作品が日本で全国劇場公開になることは少年の頃からの夢だったので、半分は達成感、もう半分はこれで油断をしないようにという複雑な気持ち。ちゃんと眠れない状態です(笑)。アメリカでは悔しいことにほぼ配信の時代になっているので、盛り上がってはいるからイベントに呼ばれることも少なくなく、それはそれでうれしいことなのでですが、映画本来の劇場公開という形で出来ることは、ものすごくうれしいことです。
●映画はスクリーンで上映しないと届かないものもありますよね。
エリック:そうですね。映像もそうですが、音響にも相当いろいろとこだわっていて、今回は5.1ですが、本来は7.1というミキシングになっていて。観てくださる方には音楽も含め、注目してほしいです!
●釈さんはアメリカでの撮影もあったと思いますが、出演が決まった時はいかがでしたか?
釈:最初アメリカ映画と聞いてまた英語を勉強しなくちゃと思ったのですが、エリック監督は日本語がとても堪能なのでとても助かりました。一番意思疎通を図らないといけない監督が日本語ペラペラだったので(笑)。
●監督は釈さんが主演した『ゴジラ×メカゴジラ』(02)の家城茜を観て以来、あこがれの人だったというようなことをうかがいました。
エリック:あこがれの人と言いますか、今回のキャスティングは恩返しの意味合いが強いですね。『ゴジラ×メカゴジラ』(02)を観ていた時期は、本当に辛かったんです。家城茜という役に勇気をいただいたので、恩返しとして、いつかいいものに出ていただきたいと思っていました。なのであこがれと恩返し、半々ですね。これは日本語で言うと、いわゆる縁だと思います。論理的に考えると地球の裏側にいる者同士、出会うはずもないけれど、出会って一緒に仕事をすると話も合い、まったく違和感なくという感じでした。なので次回作もぜひお願いしたいです(笑)。
釈:本当に一番うれしいことですよね。自分の若い時はデビューして時代の流れに乗らせていただいて、お仕事を順調にいただいて恵まれていたと思うのですが、その後のことは自分の歩いていた証だと思うんです。旬や若さがなくなった時に次につながるものは、たとえば過去の作品やご縁によってつながっていくものだと考えると、本当に感謝だと思います。
●ちなみに次回の構想は、どのような感じでしょうか?
エリック:この作品のパート2ではないのですが、わりと台本は出来上がっている感じではあります、まだ言えないですけどね!
●今回の『Iké Boys イケボーイズ』、日本のみなさんにはどのように楽しんでほしいでしょうか?
釈:日本のカルチャー、オタクとアニメと特撮がミックスされ、アメリカの青春グラフティも上手くミックスされた、不思議な作品になっていると思うので、ぜひ映画館で楽しんでいただけたらと思います!
エリック:これは半自伝であり、僕の人生に基づいていて、主人公がまさに僕自身の役だから、かなりピュアな気持ちで撮った一本になります。僕の情熱がそのまま入ったような映画なので、純粋な青春映画として楽しんでいただけたらと思っています。お待ちしております!
●今日はありがとうございました!
■ストーリー
人類の運命は、さえないオタクに託されるー
オクラホマの片田舎に住む高校生、ショーンとヴィクラムは日本の特撮やアニメが大好き。オタクでスクールカーストの最底辺にいる彼らの元に、日本からの留学生ミキがやって来る。ある夜、ショーンが入手したレアな日本のアニメDVDを3人で鑑賞すると、不思議な力を持ったDVDにより彼らは電撃を受けて気絶してしまう。翌朝目覚めて以降、ショーンは手からビームを発射、ヴィクラムは超怪力といったスーパーパワーを身に着けており、特撮好きの2人は大興奮。その一方、世界の存亡がかかった陰謀が渦巻いており、ショーンとヴィクラム、そしてミキの3人はそれに巻き込まれていく事に…。
公開中
(執筆者: ときたたかし)