イギリスの政権交代。女性の財務大臣就任は歴史的出来事?
ニュースキャスターの長野智子がパーソナリティを務める「長野智子アップデート」(文化放送・月曜日~金曜日15時30分~17時)、7月17日の放送では、今月投開票が行われた総選挙で14年ぶりに実現となった、イギリスの総選挙について、毎日新聞論説委員小倉孝保が解説した。
鈴木敏夫(文化放送解説委員)「(イギリスの)労働党政権のスターマー新首相、組閣人事を発表しました。いろいろな方が話題ですが、リーブスさん、イギリス初の女性の財務大臣に任命と。あと副首相も、労働党の副党首だったレイナーさん、こちらも女性です。25人中、11人を女性閣僚が占めて過去最多ということになりました。毎日新聞の元ロンドン支局長でもある小倉さんに解説をしていただきましょう」
長野智子「この人事はどう思われましたか?」
小倉孝保「『あ~、女性が増えたな!』とすごく思いました。それと財務大臣に女性が起用されたか、と。イギリスって首相は既に3人、女性が誕生していますからね(サッチャー、メイ、トラス)。国王も女性がいる。女性がトップに就くことにそんなに抵抗はない国なんですけど、財務大臣は一貫して男性だった。イギリスの閣僚の中で財務大臣は圧倒的に存在感があるんですね。国の予算をつくって、予算の発表のときに財務大臣が鞄を持って閣議に出る、というのがひとつの儀式になっていた」
鈴木「はい」
小倉「鞄の中にイギリスのこれからの政策が入っているんだ、という捉え方をされる。そこに女性が就いたという。いままでなかったポストに女性が誕生した、というイメージはあります」
鈴木「ブラウンさんも財務大臣から首相でしたね」
長野「リーブスさんという財務大臣、どういう方なんですか?」
小倉「よくは知らないんですけど……、影の内閣のとき既に財務担当だったんです。非常に財務について勉強していて。以前から、新しい内閣でスターマーさんが首相になったら、初めて女性の財務大臣が生まれるかもしれないよ、というのは話題になっていました」
長野「シャドー・キャビネット時代から女性が多く入っていたということで」
鈴木「影の内閣がちゃんとしていて、まあまあそのとおり新内閣に入ってきた。これも大切なことですよね」
小倉「イギリスの影の内閣はすごく機能しているんですね。いま保守党が下野しましたけど、保守党は保守党で影の内閣をつくっているんです。いざ政権をとったとき、どういう政策をしていくか、というのを勉強しているし。問題点があればそれぞれが追求できる、という体制をとっているんですよ」