札幌すすきの殺人事件、裁判傍聴でノンフィクション作家が感じたこと
野村邦丸アナウンサーがパーソナリティを務めるラジオ番組『くにまる食堂』(文化放送・月曜日~金曜日9~13時)7月17日の放送は、ノンフィクションライターの高橋ユキ氏が出演し、札幌・すすきののホテルで男性が殺害され頭部が持ち去られた事件の裁判を傍聴して感じたことを伝えた。
野村邦丸(パーソナリティ)「高橋さんが取材を続けるのが、札幌・すすきので起きた殺人事件。去年の7月1日、殺人、死体遺棄、死体損壊などの罪で逮捕、起訴された田村瑠奈被告(当時30歳)。ナイトクラブで知り合った男性会社員Aさん(当時62歳)とトラブルになった末に、後日、ラブホテルで殺害。ノコギリなどの複数の刃物で首を切断。持ち去った頭部を損壊したとされています。瑠奈被告の父親、修被告は犯行に使用したノコギリなどを購入。事件当日、瑠奈被告をホテル付近まで送迎。瑠奈被告が自宅に持ち帰った頭部を損壊する様子をビデオで撮影したとされている。瑠奈被告の母親、浩子被告はこの頭の部分を自宅に隠すことを容認しています。この事件、最初は、若い女性の男女関係のもつれかと思ったら、ちょっとおかしいぞという話になってますね」
高橋ユキ「男性会社員が女装をしたりとか、瑠奈被告だけじゃなくお父さんとお母さんが一緒に逮捕されたところで、すごく驚きました。浩子被告の裁判を6月からやっていて、傍聴の取材に行ってるところです。お母さんは頭部を隠すことを容認していると報じられている中で、“自分は容認はしていなかった”と言ってるんです。自分は全然知らなくて、ある日、娘が頭部を持ち帰った。持ち帰ってから気付いたと主張していて、この主張が認められるのかが気になってます」
邦丸「自分の娘に対して、お父さんとお母さんのほうが立場が下。娘をコントロールできなくなっていたという話を聞くのですが、裁判はどんな感じですか?」
高橋「第1回の公判で検察側の冒頭陳述では、瑠奈被告が3人の中で上位にいて、両親に対して叱責や暴力でコントロールしてきたという実態を明らかにしていたのですが、7月に行われた第2回の公判で修被告が証人として出てきて家族関係を証言したんですけど、“そこまでの関係じゃなかった”と否定しています。私は、本当はどうなんだろうか?と思いながら慎重に見ています」
邦丸「お父さんは精神科医でもあるわけですよね。専門家でもあるのに、車で送迎したりとか、このあたりもわからないですね」
高橋「お父さんは娘の求めに応じ続けてきたのを感じました。彼女のやりたいことは否定しない」
邦丸「娘のためにはこれがいいんだと思ってやっていたのか?ただ単に服従されていたのか?この辺もわからないですね」