© Kyle Barr / Gizmodo

先週開催されたSamsungの新製品発表会Galaxy UNPACKED。目玉となったSamsung初のスマートリングGalaxy Ringは日本での販売は(今のところ)なし。一方、折りたたみスマートフォンのGalaxy Z Fold 6とZ Flip 6は、グローバル発売と同じ7月31日に日本でも発売されます。Galaxy Zシリーズでは日本最速発売! 迷っている時間はあんまりないよ。

Galaxy Z Flipの実機を触ってきた米Gizmodo編集部のファーストインプレッションを見てみましょう。

1100ドル(日本では15万9700円)のGalaxy Z Flip 6、見た目は1000ドルの前モデルGalaxy Z Flip 5と基本的には同じです。カメラ周りのフレームとともにカメラのでっぱりが大きくなって、ヒンジもアプデされたけど、それでも外観デザインはほぼ双子と言ってよし。発表された瞬間から、今年はマイナーアプデの年なんだなって理解しました。

それは、つまり、折りたたんだときに外側にある小さなカバーディスプレイでできることは限られているし、まだこのカバーディスプレイの本領を発揮する時ではないんだと理解したということ。

誤解のないように先にいうと、マイナーアプデとはいえスペック自体は向上しています。

搭載されているCPUはSnapdragon 8 Gen 3だし、バッテリーも昨年の3700mAhから大きくなってZ Flip 6は4000mAh。広角カメラは50MPと大きくアップデート(Z Flip 5の広角は12MP)、ズームも光学相当2倍がつきました。ヒンジも新しくなって、防塵性能が上がり、今までよりも長持ちするとのこと。使えるウィジェットも壁紙のオプションも増えています。

でもね、使い勝手でいうと前モデルから大きく変わってはいないのです。

カバーディスプレイのもどかしさ

カバーディスプレイは、前モデルのZ Flip 5と同じく3.4インチのAMOLED。箱から出した状態では、この画面にアプリは配置されておらず、ウィジェットを選ぶスタイル。ウィジェットの中には重宝するものもありますが、自由度は低い。もし、好きにどのアプリでも設定できるなら、このカバースクリーンにボイスレコーダー置いておくのにって個人的には思っています。つまり、折りたたみスマホゆえに、開かなくてもできることを自由に選べたらいいのにということ。ここに制限があることが、いや、去年と同じようにあることが残念。音楽アプリ1つとっても、Spotifyのウィジェットはありますが、AppleMusicやTidalユーザーだと意味ないもの。選択肢があってこそ、なんですよ。

もちろんこれは初期設定の話なので、スマホのAdvanced Features>Labsという設定から、カバー画面用に好きなアプリを選べばいいわけですが、それでも選べるアプリが限定的。メッセージアプリ、Samsungメッセージアプリ、Googleマップす、Netflix、WhatsApp、YouTube。デフォで準備されているのはこれだけ。去年と同じセレクションなのも残念。

で、どうしても他を使いたいとなると、Samsungのアプリストアから「Good Lock」というアプリを入手して、さらに「MultiStar」てのをダウンロードして、Good Lockのウィジェットから好きなアプリを起動する方法しかありません。面倒すぎる!

スクリーンサイズも使えるアプリも前モデルから変わりないので、そりゃユーザーエクスペリエンスもなかなか変わりません。前モデルから感じていた、タイピングするときキーボードで画面が埋まっちゃうのかとか、動画はさすがに見にくいなとか、大多数のアプリはこのサイズ(カバーディスプレイ)にデザインされていないから、スクロールしまくることになるなとか。去年と同じ悩みは今年も続きます。

最後のアプリの使い勝手はまぁしょうがないにしても、なぜカバーディスプレイで使えるオプションがこうも限定的なのか理解できません。カバーディスプレイ設定する項目が「Labs(研究室)」なところが皮肉に感じるくらいです。1年の間実験的にやってた成果は新モデルに反映されていないのか?って。

ちなみに、ライバルであろうMotorola RazrやRazr+は、小さなカバーディスプレイにもユーザーが好きにアプリ設置できるんですけどね。

Motorolaのようにアプリ直配置がいいか、Samsungのようにウィジェットが便利か、ユーザーによって好みが分かれるともいえますが。

使用できないAI機能も

今年頭に発表されるやいなや大注目となったGoogleのAI機能「かこって検索」。SamsungではGalaxy S24 Ultraでいち早く使うことができましたが、対応端末が拡大。折りたたみスマホでもかこって検索やGemini AI機能を使うことができます。が、どこでも使えるわけではないのです。

そう、ここでもネックとなるのがカバースクリーン。カバースクリーンでは囲って検索は使えないのです。

Z Flipシリーズの運命は小さな画面が化けるかどうか

Samsung Z Flip 6は去年同様、カバースクリーンのサイズは3.4インチ。そのサイズゆえに、このスクリーンであれこれしようとそもそも思っていない、期待していないという意見もあります。一方で、サブ画面だからこそ活きてくると考える層もいます。私がまさにそのタイプ。

折りたたみスマホを開いてしまったら、端末をアンロックしてフルアクセスを得てしまったら、今見なくていいSNSやメールが目に入っちゃうじゃないか!と。だからこそ、サブであるカバーディスプレイという制限のある中で必要なものだけを確認したいのにと。そのために、好きな(必要な)アプリを自由に設定・設置させて欲しいのです。

今年のZ Flip 6は、正直マイナーアップデートです。ただ、今後、このカバースクリーンの自由さしだいで、端末としてまだまだ化ける余地があるとは感じました。ん…、この感想デジャヴかも。