「腰部脊柱管狭窄症」の初期症状はご存じですか? 原因や放置するリスクも医師が解説!
「腰部脊柱管狭窄症」の初期症状はご存じですか? 原因や放置するリスクについても「出沢明PEDクリニック」の出沢先生に解説していただきました。
※この記事はMedical DOCにて【「腰部脊柱管狭窄症」の症状や手術法を医師が解説 手術費用・成功率や術後生活の疑問も回答】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。
≫「腰部脊柱管狭窄症」とは? 医師が症状・原因・治療法を解説監修医師:
出沢 明(出沢明PEDクリニック)
千葉大学医学部卒業。その後、国立横浜東病院(現・国立病院機構横浜医療センター)整形外科医長、千葉市療育センター所長、帝京大学医学部附属溝口病院副院長補佐などを経た2014年、「出沢明PEDクリニック」を開院。経皮的内視鏡椎間板ヘルニア摘出術「PED(ペド)」を日本ではじめて導入する。日本脊椎脊髄病学会名誉会員、日本関節鏡・膝・スポーツ整形外科学会(JOSKAS)名誉会員、日本最小侵襲整形外科学会名誉会員、日本内視鏡外科学会名誉会員。
編集部
「腰部脊柱管狭窄症」とはどんな病気なのですか?
出沢先生
脊椎、いわゆる背骨には中心に穴のような通り道があり、神経が通っています。これが「脊柱管」で、この脊柱管が部分的に狭くなることにより、神経が圧迫されてしまうのが「脊柱管狭窄症」です。脊椎の中でも、とくに腰椎の脊柱管が狭窄した状態を「腰部脊柱管狭窄症」と呼びます。
編集部
どんな症状が出るのですか?
出沢先生
神経が圧迫されて症状が出ます。多くみられる症状としては下肢のしびれや痛み、感覚障害、筋力低下などがあります。しびれについては、いわゆる正座をしたあとのようなビリビリしたしびれというよりも、足の裏に「玉砂利を踏んでいるような違和感」に近いしびれのようです。
編集部
ほかにはどんな症状が出るのですか?
出沢先生
もう1つの特徴的な症状として、「間欠跛行(かんけつはこう)」があります。間欠跛行とは、一定期間(一般的には200~300m)歩くと足のしびれやもつれなどが出現し、しばらく前かがみになったり、座ったりして休むと症状が治まり、また歩けるようになるというのが主な症状です。
編集部
腰部脊柱管狭窄症を放っておくとどうなるのですか?
出沢先生
軽症であれば、自然に治ることもあると言われています。ですが、腰部脊柱管狭窄症の患者さん全体で見ると、大半が改善も悪化もしないか、または悪化していきます。進行すると、間欠跛行も重症化し、一度に歩ける距離が短くなります。安静にしていても足にしびれや痛みを生じるようになり、残尿感や失禁といった排尿障害なども出てきます。