井上尚弥、海外メディアの“物足りない相手”指摘に強調「まだ引退しない。楽しみに待っていてくれ」油断は「全くない」
NNTドコモ presents Lemino BOXING ダブル世界タイトルマッチ 井上尚弥 VS TJドヘニー&武居由樹 VS 比嘉大吾 開催発表記者会見
ボクシングの世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(大橋)が16日、都内で会見し、9月3日に東京・有明アリーナで元IBF世界同級王者TJ・ドヘニー(アイルランド)と4団体防衛戦を行うと発表した。WBO世界バンタム級王者・武居由樹(大橋)も同級1位・比嘉大吾(志成)と初防衛戦を実施。NTTドコモの映像配信サービス「Lemino」で独占無料生配信される。戦績は31歳の井上が27勝(24KO)、37歳のドヘニーが26勝(20KO)4敗。
井上は入場曲「Departure」ともに登壇。フィジカルアップしたドヘニーを迎え撃つ。
「当日どれだけ体重を増やそうが、フィジカル勝負をしてこようが、スピード勝負で触れさせなければ問題ない。ボクシングは体のデカさでやるのではないと理解している。その中でフィジカル勝負が必要になる場面もあるかと思いますけど、それすら必要ないくらい技術の差を見せて完封したい。皆さんがこの試合をどう思うかわかりませんが、気の抜けない相手。しっかりクリアしてこの先のスーパーバンタム級を見据える試合にしたい」
海外メディアからは物足りない相手と指摘もされているが、「その辺の声に関してはこの試合を終えて引退するわけでもなく、階級を変えるわけでもないので、楽しみに待っていてくれと。あと2年くらいはこの階級でやると考えているので、その中で今回がドヘニーだった。次も含めて皆さんが楽しみにしてもらえる試合を大橋会長がまた組んでくれると思う」と持論を吐露。もちろん油断については「全くないです」と即答した。
井上は5月に東京ドームでルイス・ネリ(メキシコ)に6回TKO勝ち。初回に試合では人生初ダウンを喫しながら3度奪い返して逆転した。試合後はWBO&IBF1位だったサム・グッドマン(オーストラリア)をリングに上げ、互いに戦うことを約束したが、グッドマンが今月10日に別の選手に左手を骨折しながら勝利。井上はドヘニーと戦うことになった。
「今はスパーリング中心の練習です。タパレス戦、ネリ戦は合宿を組まずに試合に挑んだ。今回は木曜から3日間、ジムで集中的にトレーニングをします。年間3試合は2017年以来。体の変化、疲れの抜け具合も変わっている。カバーするキャリアも積んでいるので、年間3試合をプラスに捉えたい。東京ドームで試合ができたのは凄くキャリアになる一戦。その一戦をこの試合で超えるようなパフォーマンスをしないといけない。燃え尽きるのではなきく、加速させるキャリアにしたい」
オーストラリア在住のドヘニーは、アイルランド国籍を持つ37歳のサウスポー。2012年4月にデビューし、18年8月にはIBF王者・岩佐亮佑に判定勝ちした。19年4月にWBA王者ダニエル・ローマン(米国)との統一戦に敗れて王座陥落。井上―ネリ戦では不測の事態に備えたリザーブとして待機したが、出番はなく別の選手に勝利した。現在はWBO2位につけ、パンチ力と経験を兼ね備えた難敵だ。
セミファイナルでは、WBO世界バンタム級王者・武居由樹(大橋)が同級1位・比嘉大吾(志成)と初防衛戦を行う。武居は5月に井上の前座でジェイソン・マロニー(オーストラリア)に判定勝ちで涙の王座奪取。比嘉は18年4月に世界戦では日本人初の体重超過を犯し、2度防衛したWBC世界フライ級王座を剥奪された。資格停止処分を経て1敗したが、再起後4連勝で世界戦にたどり着いた。
戦績は28歳の武居が9勝(8KO)、28歳の比嘉が21勝(19KO)2敗1分け。
【9月3日の対戦カード】
▽世界スーパーバンタム級4団体タイトルマッチ
4団体統一王者・井上尚弥(大橋)
VS
WBO2位TJ・ドヘニー(アイルランド)
▽WBO世界バンタム級タイトルマッチ
王者・武居由樹(大橋)
VS
同級1位・比嘉大吾(志成)
▽WBA世界スーパーライト級挑戦者決定戦
WBA暫定王者イスマエル・バロッソ(ベネズエラ)
VS
同級7位・平岡アンディ(大橋)
▽東洋太平洋ウェルター級タイトルマッチ
王者・佐々木尽(八王子中屋)
VS
同級10位カミル・バラ(オーストラリア)
▽日本スーパーバンタム級タイトルマッチ
王者・下町俊貴(グリーンツダ)
VS
同級3位・津川龍也(ミツキボクシング)
(THE ANSWER編集部)