Video: NASA’s Goddard Space Flight Center/J. Schnittman and B. Powell | 超大質量ブラックホールへのダイブ

ゲリラ豪雨や厳しい日差しで、外に出る気力が落ちている方も多いのでは。せっかくの3連休ですし、ディスプレイの中だけでも遠くに出かけてみましょう!

今回向かうのは、遥か遠く宇宙まで。グッと引き込まれるような話を3つ紹介します。

銀河の中心に不死の星があるらしい

Image: NASA, JPL-Caltech, Susan Stolovy (SSC/Caltech) et al.
スピッツァー宇宙望遠鏡から見た、天の川銀河の中心

あらゆる命に限りがあるように、星もいつかは死を迎える…はず。でも私たちのいる銀河の中心のごく近くに、不死の星があるのかもしれない、という論文が発表されました。そして不死たりえる理由は、ダークマターにありそうなんだとか。

天の川銀河の中心から3光年の距離に存在する「S星団」と呼ばれる星の集合体。地球の位置は銀河の中心から約2万6000光年なので、限りなくコアに近い場所です。

銀河の中心には巨大ブラックホールがあり、新たな星が生まれるには厳しい環境だと考えられていますが、S星団は若く見え、他の場所で形成されてから移動してきた風でもありません。またS星団には古い星が通常より少なかったり、重い星が多かったりと、従来のモデルでは説明できない特徴がいろいろあるのだそう。

この謎に対し、Kavli Institute for Particle Astrophysics and Cosmologyの研究チームリーダー・Isabelle John氏がSpace.comで解説しています。John氏によると、銀河の中心近くにはダークマターが大量にあるため、S星団の星にダークマターが降着することで「永遠に若い」ままでいられると考えられるのだとか。

ただこの論文は現在arXivのプレプリントサーバーにホストされている段階、つまり査読はまだ終わっていません。果たしてダークマターによる影響なのか、真相は如何に。

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銀河の中心に不死の星? ダークマターがエネルギー源に

ブラックホールに落ちたら何が見える?

Video: NASA’s Goddard Space Flight Center/J. Schnittman and B. Powell
超大質量ブラックホールへのダイブ

宇宙好きなら一度は考える「ブラックホールに落ちたら何が見えるのか? 」という疑問。はっきりと答えの分からない疑問に、NASAが映像で答えてくれました。

映像では、ブラックホールに落ちる人視点の映像をコンピューターシミュレーションしています。まずは以下の動画をご覧ください。

ブラックホールは宇宙で最も密度の高い物体の一つで、光であっても一度その中に入ってしまうと事象の地平面(ブラックホールの内側)から抜け出すことができません。それはブラックホールの重力が強烈であることによってもたらされているのですが、その中心の重力があまりにも強いため、これまでに吸い込まれた天体や光が、ブラックホール中心の周りにガス(降着円盤)として形成されます。これらはブラックホールに吸い込まれる(降着する)時に数百万度に加熱され、オレンジや黄色の渦を形成。これがダイブした後に見えていた渦の正体なんだそうです。

ちなみに、今回のレンダリングを普通のノートPCで行うと、その作業時間は10年以上になるのだとか。今回NASAはスーパーコンピュータを使って映像を作成しています。一体どのくらいの時間がかかったのかなど、記事内ではさらに詳しく述べています。

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ブラックホールに落ちたら何が見える?→NASAが答えてくれた

宇宙にそり立つ「創造の柱」の3D映像

Video: NASA Visualization Studio/Gizmodo

最後にもう一つ、壮大な映像を見ていきましょう。

ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が撮影した星雲「創造の柱」。NASAがその詳細な3Dグラフィックスを公開しました。

「創造の柱(Pillars of Creation)」とは、地球から6500光年ほど離れた“わし星雲”の一部であるガスと塵でできた巨大構造体のこと。そのサイズは、約4光年から5光年ほどあります。ちなみに、わし星雲は55光年から70光年ほどの大きさで超巨大。

ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が、神の手にもゾンビの手にも見えるとても神秘的な画像を撮影し、2022年にNASAが公開しました。そして、今回NASAが新たに公開したのは、ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡とハッブル宇宙望遠鏡が収集したデータから作成された創造の柱の3Dグラフィックスです。

約2分半の動画は、ハッブルがとらえた可視光線とウェッブがとらえた赤外線のどちらもビジュアル化されているのが特徴。

「その違いを理解することで、なぜ同じプロジェクトに異なる宇宙望遠鏡を活用するのかを知る手助けとなればと思う」と、今回のグラフィック映像の開発チームを率いたFrank Summers科学者は語っています。

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宇宙にそり立つ「創造の柱」の3D映像。まるで星雲の中を飛ぶよう