オラクル、クラウド向けインテリジェント・データ・アーキテクチャ「Exadata Exascale」発表
米オラクルは7月11日(現地時間)、クラウド向けのデータ・アーキテクチャ「Exadata Exascale」の提供開始を発表した。「Exadata Exascale」は、共有のコンピュートとストレージのプール上でデータベース向けに最適化された仮想インフラストラクチャで構成される。
「Exadata Exascale」とは
これまで、クラウドのテナントはExadataのコンピュート・サーバとストレージ・サーバを使って、ASM(自動ストレージ管理)により、データベース間でストレージを分散していた。対する「Exadata Exascale」には、汎用的なストレージとコンピューティングのプールが組み込まれており、これをテナントで共用する。
米オラクル Exadataおよびスケールアウト・テクノロジー開発担当シニア・バイスプレジデント コディー・ウママゲスワラン氏は、「Exadata Exascale」について、「テナントは必要なコアとストレージのみを指定するだけで利用を始められ、リソースは使った分だけ払う従量課金制となっている。Exascaleのコントロールプレーンは何十というストレージ・サーバに適用されており、共有されているサーバにより、データベースのクエリに数千のCPUを利用できる」と説明した。
米オラクル Exadataおよびスケールアウト・テクノロジー開発担当シニア・バイスプレジデント コディー・ウママゲスワラン氏
RDMAに対応、高速なストレージを実現する仕組み
ウママゲスワラン氏は、「Exadataは速かったが、Exascaleはさらに速い」と語った。それを実現している要素の一つが高速なストレージだ。
主流のクラウドストレージはアーキテクチャが多層であるため、すべての層でレイテンシーとボトルネックが増加し、スピードに制限がかかっているという。
そこで「Exadata Exascale」では、間の層を排除している。Oracle Database 23ai は、プールされたExascaleストレージ・サーバにデータリクエストを直接送信する。ウママゲスワラン氏は、「ダイレクトなデータ転送構造は速い。RDMA(Remote Direct Memory Access)の要件となっているマイクロ秒のレイテンシーが達成されている」と述べた。
また、ストレージ・クラウドは、アクセス頻度が高いデータや頻繁にアクセスされるデータをディスクからメモリやフラッシュに自動で移動して、DRAMとIOPSのパフォーマンスを上げるとともに、フラッシュディスクを空けるという。
さらに、サーバ間のインテリジェントな通信により、「Exascale Virtual Machine」クラスタ全体で高性能なデータベースのスケールを実現する。他のハイパースケーラーのデータベースサービスのスループットが最大21GB/秒であるのに対し、「Exadata Exascale」は2,880GB/秒だという。レイテンシーも他のクラウド・プロバイダーが1,000マイクロ秒であるのに対し、「Exadata Exascale」は17マイクロ秒とのことだ。
AIベクトル検索を高速化
「Exadata Exascale」は、AIの提供にも寄与する。例えば、独自の「AI Smart Scan」を用いて、AIベクトル検索処理をExascaleストレージにオフロードして、検索を高速化できる。ベクトル検索の問い合わせは、Exascaleストレージ全体で自動的に並行処理される。AIベクトルのクエリは最大30倍高速化できるという。
加えて、Exascaleは開発またはテスト用のデータベースローンを即時に作成することも可能だ。高度なスナップショット機能により、読み込み/書き込みソースを用いて、プラガブルやコンテナ・データベースのスペース効率に優れたクローンを簡単に作成できるという。
なお、Exascale上のDatabase Serviceでは、データベースとストレージの管理を自動化できる。テナントには、データベースおよびVMクラスタのみ表示され、 物理サーバは見えない。ストレージに関しては、データベースに必要な容量のみを割り当てて支払うため、IOPSの支払いはない。今後、RDMA IOをストレージおよび他のVMに実行しながら、ライブVM移行をサポートする予定とのことだ。
クラウド向けインテリジェント・データ・アーキテクチャ「Exadata Exascale」の差別化のポイント
日本では1週間以内で提供開始予定
「Exadata Exascale」は、現在「Exadata Database Service on Exascale Infrastructure」と「Oracle Cloud Infrastructure(OCI)」上の「Oracle Database 23ai」で利用可能。 将来的には、「Oracle Exadata Cloud@Customer」、「OCI Dedicated Region」、マルチクラウド環境でも利用可能となる予定。
「Exadata Exascale」の最小構成の価格は357ドルで、データベース・ストレージが300GB、ファイルシステム・ストレージが560GB、16個のECPUを利用可能。OCIのOracle Exadata Database Serviceの最小構成は4分の1ラックで、月額10,800ドル。
日本でも最初の顧客との契約に基づき1週間以内で提供開始となる見込みで、サービスのプロビジョニングは技術的には24時間以内で可能とのこと。
「Exadata Exascale」とは
これまで、クラウドのテナントはExadataのコンピュート・サーバとストレージ・サーバを使って、ASM(自動ストレージ管理)により、データベース間でストレージを分散していた。対する「Exadata Exascale」には、汎用的なストレージとコンピューティングのプールが組み込まれており、これをテナントで共用する。
米オラクル Exadataおよびスケールアウト・テクノロジー開発担当シニア・バイスプレジデント コディー・ウママゲスワラン氏
RDMAに対応、高速なストレージを実現する仕組み
ウママゲスワラン氏は、「Exadataは速かったが、Exascaleはさらに速い」と語った。それを実現している要素の一つが高速なストレージだ。
主流のクラウドストレージはアーキテクチャが多層であるため、すべての層でレイテンシーとボトルネックが増加し、スピードに制限がかかっているという。
そこで「Exadata Exascale」では、間の層を排除している。Oracle Database 23ai は、プールされたExascaleストレージ・サーバにデータリクエストを直接送信する。ウママゲスワラン氏は、「ダイレクトなデータ転送構造は速い。RDMA(Remote Direct Memory Access)の要件となっているマイクロ秒のレイテンシーが達成されている」と述べた。
また、ストレージ・クラウドは、アクセス頻度が高いデータや頻繁にアクセスされるデータをディスクからメモリやフラッシュに自動で移動して、DRAMとIOPSのパフォーマンスを上げるとともに、フラッシュディスクを空けるという。
さらに、サーバ間のインテリジェントな通信により、「Exascale Virtual Machine」クラスタ全体で高性能なデータベースのスケールを実現する。他のハイパースケーラーのデータベースサービスのスループットが最大21GB/秒であるのに対し、「Exadata Exascale」は2,880GB/秒だという。レイテンシーも他のクラウド・プロバイダーが1,000マイクロ秒であるのに対し、「Exadata Exascale」は17マイクロ秒とのことだ。
AIベクトル検索を高速化
「Exadata Exascale」は、AIの提供にも寄与する。例えば、独自の「AI Smart Scan」を用いて、AIベクトル検索処理をExascaleストレージにオフロードして、検索を高速化できる。ベクトル検索の問い合わせは、Exascaleストレージ全体で自動的に並行処理される。AIベクトルのクエリは最大30倍高速化できるという。
加えて、Exascaleは開発またはテスト用のデータベースローンを即時に作成することも可能だ。高度なスナップショット機能により、読み込み/書き込みソースを用いて、プラガブルやコンテナ・データベースのスペース効率に優れたクローンを簡単に作成できるという。
なお、Exascale上のDatabase Serviceでは、データベースとストレージの管理を自動化できる。テナントには、データベースおよびVMクラスタのみ表示され、 物理サーバは見えない。ストレージに関しては、データベースに必要な容量のみを割り当てて支払うため、IOPSの支払いはない。今後、RDMA IOをストレージおよび他のVMに実行しながら、ライブVM移行をサポートする予定とのことだ。
クラウド向けインテリジェント・データ・アーキテクチャ「Exadata Exascale」の差別化のポイント
日本では1週間以内で提供開始予定
「Exadata Exascale」は、現在「Exadata Database Service on Exascale Infrastructure」と「Oracle Cloud Infrastructure(OCI)」上の「Oracle Database 23ai」で利用可能。 将来的には、「Oracle Exadata Cloud@Customer」、「OCI Dedicated Region」、マルチクラウド環境でも利用可能となる予定。
「Exadata Exascale」の最小構成の価格は357ドルで、データベース・ストレージが300GB、ファイルシステム・ストレージが560GB、16個のECPUを利用可能。OCIのOracle Exadata Database Serviceの最小構成は4分の1ラックで、月額10,800ドル。
日本でも最初の顧客との契約に基づき1週間以内で提供開始となる見込みで、サービスのプロビジョニングは技術的には24時間以内で可能とのこと。