なかなかものが捨てられない人の特徴と、それを解決する方法をご紹介。子どもの作品など絶対に捨てたくないものを、効率よく保存するアイデアも。夫と2人の子どもとの4人家族、暮らしやすい家の仕組みづくりについての著書もある整理収納アドバイザー・三條凛花さんが語ります。

「譲る」のは時間と手間がかかると心得て

ものが捨てられない人の特徴、1つ目は「不要になったものを『だれかに譲ろう』と考えていること」です。そう考える理由が、「譲ったほうがラクな気がするから」であるなら、一度立ち止まって考えてみてください。

【写真】子どもの作品をコンパクトに保存するアイデア

ものを譲るときは、以下のことが必要になるケースが多いですよね。

・譲ろうと思っている相手に連絡して、それが必要か確認する。
・場合によっては、譲ろうと思っているものの写真を撮影し、見てもらう。
・その人が不要と答えた場合、別の人に連絡する。これを何度も繰り返すことも。
・譲る相手が見つかったら、手渡すために時間をつくって会う。

そう、譲るのには案外時間と手間がかかるのです。

それでも「もったいないから譲りたい」という場合におすすめなのは、譲りたいものをストックする「どうぞボックス」を用意すること。人が来たときにこの箱を出して、欲しいものがあれば持ち帰ってもらいます。これなら、もらってくれる人を探すための連絡をする必要がなく、受け取る相手も、必要なものを自分で選べるので負担になりません。

ここで心がけてほしいのは、「それでも余ったものは潔く捨てること」「箱は一箱に抑えること」「子どもは気づきにくい高さに置いて、大人に選んでもらうようにすること」です。この3つに気をつけて試してみてください。

「時間ができたら売ろう」では、いつまでも片づかない

ものが捨てられない人の特徴、2つ目は「不要品を売って、お金に換えたいと思っている」です。「売る」のは、面倒くさがりタイプの方にはおすすめしません。

フリマアプリで売る場合、出品のやりとりや梱包作業、発送作業が必要。リサイクルショップで売るのも、持って行く手間や店で査定を待つ時間がかかります。「売る」のも「譲る」と同じくとても手間と時間がかかるんです。

「言われなくてもわかっている」という人ほど要注意! というのも、わかっているからこそ「面倒だから時間ができたら売ろう」と考えやすく、処分を後回しにしがちなのです。

「売る」という方法は、出品のやりとりや梱包作業が苦痛でない人や、フットワークが軽い人、売れたときの達成感が楽しい人などに向く処分方法だと私は思います。先ほど紹介した「どうぞボックス」を活用するなどして、手放しやすい環境づくりをすることをおすすめします。

思い出の品は2パターンに分類して考える

ものが捨てられない人の特徴、3つ目は「思い出グッズが多い」ことです。子どもの作品や映画や観光時のチケットなど、自分にとって思い入れのあるものはなかなか捨てられないですよね。

そんなときは、「絶対残したいもの」「捨てたいけど捨てる勇気が出ないもの」の2パターンで考えてみましょう。

●絶対に残したいものは、スケッチブックに貼って保存

私も、子どもの作品はなかなか捨てられません。なので、よくできたなあと思うものは切り抜いてスケッチブックに貼っています。切り抜くことでかさが減りますし、成長が見えて楽しいですよ。折り紙作品も貼れます。

チケット類はすぐに捨てるタイプなのですが、とっておくなら「楽しむログノート」をつくります。日付を書き、チケットを貼るだけ。空いた部分に感想を書いたり、シールで埋めたり。すぐにデコる時間がなくても、日付とチケットがあればあとで思い出しやすいですよね。

このように「意味のあるもの」につくり変えることで、捨てない理由になります。「コンパクト」「統一感」もポイント。見た目や大きさが違うと散らかった印象になるので、思い出の品を貼るノートやスケッチブックは、同じものにするのがおすすめです。

●まだ捨てる勇気が出ないものは「捨て待ちボックス」へ

私の息子は、よく同じ折り紙を大量生産します。それらもスケッチブック1ページ分までは貼りますが、すべてを貼っていくとキリがない…。そこでわが家では、「ゴミ袋をセットした捨て待ちボックス」を活用しています。

「捨てられないものは箱に1年寝かせる」とよく聞きますよね。それをベースにした方法なのですが、大きなポイントとして、ゴミ袋を箱にセットしておきます。なお、わが家では高い場所に置いているため、箱ではなく100円ショップやスリーコインズなどで買えるクリアバッグを活用しています。

ここに「今は捨てられない」と思う作品を入れます。いっぱいになったら袋ごと取り出して処分します。「時間が経っている」「捨てるときに作品そのものを見なくていい」というのが重要。こうすることで、自分も子どももイヤな気持ちにならずに捨てられるんです。住んでいる地域にもよりますが、ゴミ袋の指定がなければ、中身が見えない黒いゴミ袋がおすすめです。

ただ生活しているだけで、どんどんものは増えていきます。今回ご紹介した方法が、不要なものを手放し、思い出のものを効率よく保存するお手伝いになればうれしいです。