【MLB】ドジャース、大乱調ミラーのマイナー降格を決断 ローテ崩壊で投手補強は必須 「大物を獲得しなければ失望する」と米メディア指摘
ドジャースは10日(日本時間11日)、前日9日(同10日)のフィリーズ戦に先発登板し、4回10安打9失点でKOされたボビー・ミラー投手のマイナー降格を発表。代わりにリッキー・バナスコ投手が昇格した。チームはエース格の山本由伸投手やタイラー・グラスノー投手らも負傷者リスト(IL)入りしており、台所事情が苦しくなってきた。
■指揮官「正しい状態に戻すための措置」
主力投手のIL入りが続いているドジャース。今度は前日炎上したミラーのマイナー降格が決定した。25歳の右腕は昨季11勝を挙げ、ポストシーズンでも先発。将来のエース候補として球団からの期待も高いが、今季はここまで1勝2敗、防御率8.07と低調。4月には右肩の炎症で一時離脱し、6月に復帰したものの波に乗れないでいた。
今回の措置について、デーブ・ロバーツ監督は「彼を正しい状態に戻さないといけない。それが、(降格を)決断した理由だ。彼を精神的、感情的、そして機械的にどうすれば最善の状態に戻せるか……。これが、ボビー(ミラー)と我々にとって最良の方法だと感じている」と説明した。
ロバーツ監督によると、ミラーは即マイナー球団に合流するのではなく、まずはピッチングディレクターであるロブ・ヒルと一緒にトレーニングを行い、メカニクスを見直す時間を持つという。2人は以前から強い信頼関係で結ばれており、“師弟コンビ”で復活の道を探ることになりそうだ。
指揮官は「彼が自分自身に重圧とストレスをかけていた。だから、この環境から引き離すことが有益だと思った。リセットして元気を取り戻せば、我々がよく知る彼本来の投球をしてくれるはずだ」と期待した。ただ、復帰時期については明言を避け、「調子を取り戻すことに集中させたい」と述べるにとどめた。
■ストーンとパクストンを残して“全滅”
ドジャースはこれで開幕からローテーションを守っているのは、ギャビン・ストーン投手とジェームズ・パクストン投手の2名だけという異常事態に陥った。MLB公式サイトも「ミラーがマイナーリーグに降格したことで、ドジャースの先発陣は今シーズンで最も薄くなった」と指摘。「ヤマモトがIL入りした翌日の6月16日以降、ロサンゼルスの先発投手陣の防御率は5.67で、この期間のナ・リーグで最悪。開幕前、ドジャースがこのような状況になるとは誰も想像もしていなかった」と記した。
また、米紙『ニューヨーク・ポスト』のジョン・ヘイマン記者は先日、30日に迎えるトレードデッドラインの動向を予想し「ドジャースは内野手でも外野手でもアップグレードすればいいが、先発ローテーションが最大の関心事であることに変わりはない」と言及。グラスノーのIL入り、ミラーの降格前から球団は投手補強に動いていたと明かした。
トップターゲットは、たびたび報道に出ているようにホワイトソックスの左腕ギャレット・クロシェ投手で間違いなさそうだが、すでに1回目のオファーは拒否されたという。
米スポーツサイト『インサイド・ザ・ドジャース』は「チームが大物投手のトレードを行わなければ、それは失望となる」と注文を付けた。投手陣に綻びが生じたドジャース。夏のトレード市場での補強は必須となりそうだ。