低燃費で雨にも強い! グッドイヤーの新ハイパフォーマンスタイヤ「イーグル F1 アシメトリック 6」に替えると走りはどう変わる?
ぬれた路面もきちんとグリップ
グッドイヤーのウルトラハイパフォーマンスタイヤ(UHP)に位置付けられる「イーグル F1 アシメトリック 6(EAGLE F1 ASYMMETRIC 6)」が発売になりました。
富士スピードウェイ(静岡県小山町)の安全運転訓練施設「モビリタ」でウエットとドライ路面でのハンドリングテスト、さらに一般道での試乗もできたので、そのインプレッションをお伝えします。
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イーグルという名前はグッドイヤーのスポーツタイヤブランドとして広く知られています。
モータースポーツ直系のハイグリップとハンドリング性能を究極まで追い求めているのは「イーグル F1 スーパースポーツ」ですが、快適性、静粛性、ライフなどを犠牲にしない範囲でハイグリップを追求したのが今回紹介する「イーグル F1 アシメトリック 6」です。
従来のアシメトリック 5から6に進化し、ドライ性能、ウエット性能、静粛性能、燃費性能がそれぞれ向上しているという説明を試乗前に受けました。
今回燃費は測定できませんでしたが、各項目の性能が確実に向上していることがわかったので、テスト順に詳しく解説していきましょう。
最初はウエット路面での急ブレーキテストです。クルマはスバル「レヴォーグSTI」で、タイヤは225/45R18 95YXLというサイズを履いています。
GPSを使って機械が自動的に60km/hから停止までの距離を計測してくれます。新製品のアシメトリック 6での急ブレーキテストでは、4回トライして最高と最低を除き2つの停止までの数字の平均は15.1mでした。
続いて従来品のアシメトリック 5でも同じようにテストしたところ、16mでした。この違いははっきりしていて、ABS作動中の滑りとグリップの差が明確だったのがアシメトリック 5で、新製品アシメトリック 6の良さが目立ちました。
高速ドライハンドリングテストは、トヨタ「GR86」に215/45R17 91YXLのタイヤを履いて走りました。
モビリタのコース内で100km/hでの高速コーナリング、パイロンで作ったダブルレーンチェンジ、S字コースを試しました。
ここでは新製品アシメトリック 6の遅れのない応答性、緊急回避のようなレーンチェンジでの安定性、タイトターンで切り増したときの追従の良さが目立ちました。
なかなかグリップ限界を越えることがなく、もし越えても滑りは最少で、すぐにグリップが回復するところに安心感がありました。タイヤがしっかりしていて、路面をつかむ感触も良いし、サイドウォールがへこたれないので大きな負荷をかけても負けない感じがしました。
一般道では「まろやかなのにしっかり」という乗り心地
ウエットハンドリングテストにおける低ミュー路(滑りやすい路面)ではちょっとおもしろい結果が出ました。
クルマは日産「スカイライン400R」で、タイヤは245/40R19 98YXLを履いていました。
滑りやすい路面ですが、グリップが強くなかなか滑り出さないのは新製品のアシメトリック 6でした。従来品アシメトリック 5のグリップ限界はアシメトリック 6より低いのですが、滑り出しが穏やかなため、アクセルとハンドルでコントロールが効くので楽しく走れました。
新商品アシメトリック 6はなかなか限界を超えないかわりに、スパッと速い滑りが出ました。ただし、ウエットハンドリングコースではESC(横滑り防止装置)をカットして走行していたので、これが通常のESCオンの状態のままなら、こうした滑りも抑えてくれるはずです。
雨の日はESCをカットせずに乗れば、新製品アシメトリック 6のグリップ限界の高さがアドバンテージになり、安全に速く走れると感じました。
一般道での試乗はメルセデス・ベンツ「C220d」で、タイヤは225/50R17 98YXLのアシメトリック 6を履いています。
走り慣れた富士スピードウェイの周辺道路では、乗り心地の良さを強く感じました。
UHPタイヤなのに市街地走行でのお買い物なども快適にこなせそうです。路面の凹凸をうまくトレッド面がへこんでくれるエンベロープ性(タイヤのトレッド部が地面の突起を包み込む性質)がうまく働いている感じです。
かといってサイドウォールはしっかりしているので、グリップ感はしっかりとあり、カーブを曲がるときのロールも小さく安心感が高いです。
一般道でのタイヤのパターンノイズ、ロードノイズなどは気になることなく、快適なドライブができました。
新イーグル F1 アシメトリック 6の応答性と快適性
まろやかなのにしっかり、という印象のアシメトリック 6ですが、応答性、とくに微小操舵(そうだ)での手応えと反応もクセがなく、高いレベルにありました。
センター付近の遊びは小さく、そこから切ったときの遅れはなく扱いやすいのです。応答性自体はシャープという動きではないですが、ちょうど良い具合なので扱いやすいのです。
UHPタイヤとして標準的な太い4本グルーブで5本のリブというパターンですが、アシメトリック 5から6になってリブをスリットで細かく刻んで音と乗り心地を向上させたようです。
スリットで刻んでいますが、さほど深くないので、ブロック剛性は落ちずにグリップ性能を確保しているのでしょう。
新イーグル F1 アシメトリック 6は、ワインディングロードはもちろん、サーキット走行も含めたスポーツドライビングに適したタイヤでした。
さらに、日常使いでも快適な乗り心地を確保し、騒音も抑えられているので、幅広いドライビングシーンで楽しく走れるでしょう。