風邪のひきはじめには「葛根湯」がいい? 効能・副作用を薬剤師に聞く

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風邪症状に対して効果的な漢方といえば「葛根湯」を思い浮かべる方が多いでしょう。そんな葛根湯ですが、「風邪のひきはじめに飲むとより効果的」というのをよく耳にします。一体なぜなのか、薬剤師の高野さんを取材しました。

※この記事はMedical DOCにて【葛根湯の効果を薬剤師が解説!効き目・効能は風邪症状以外にも】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。

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監修薬剤師:
高野 裕美(薬剤師)

薬学修士。大学院卒業後、大学病院勤務。その後、調剤薬局に勤務。働きながら結婚・出産を経験。より多くの人に医療情報を発信したいとの思いから、2022年より医療系Webライターとして活動中。

編集部

「葛根湯」はよく名前を聞く漢方薬ですが、一体どんな漢方薬なのでしょうか?

高野さん

生薬の力で体を温めて、免疫をサポートしてくれる漢方です。中には、7つの生薬が入っています。馴染みのある桂皮(ケイヒ/シナモンの仲間)、生姜なども配合されています。

編集部

そうなんですね。葛根湯はどんなときに飲むといいのでしょう?

高野さん

葛根湯は風邪のひきはじめに効果を発揮する漢方です。風邪のひきはじめは、まだ熱が上がっておらず免疫が十分に働いていません。そこで葛根湯を飲むことで熱を上げ、免疫力をアップさせてくれるのです。体がぞくぞくし出したら、すぐに飲むことが重要です。

編集部

葛根湯に副作用はありますか? 漢方薬と聞くと副作用が少ないようなイメージがあります。

高野さん

少ないですが、漢方薬にも副作用はあります。例えば、葛根湯に入っている麻黄という生薬は交感神経を興奮させる作用があるため、胃腸の働きが悪くなり、食欲減退や下痢などの副作用が出ることもあります。