50代で暮らしを小さくするために引っ越しを検討する方もいるのでは。7年ぶりに引っ越ししたというのは、50代の夫婦ふたりで暮らすミニマリストの本多めぐさん。「若いころに比べ体力気力が落ちていて引っ越しの作業が思うように進まず、疲れて体調も崩す羽目に…」。その経験から同世代の方が引っ越しでラクできるようなコツを教えてくれました。

1:疲れないために早めにスタート

疲れやすいと感じる50代は、とにかく早めの時期に引っ越し作業をスタートし「一日の作業量を少なく」するのがよいかと思います。

【ビフォーアフター写真】衝撃!結露で壁と床にカビが…

段ボールにしまっても不便にならないものからサクサク段ボールへ。たとえばオフシーズンの服、飾り物、イベント用品、慶弔用品、普段読まない本など。

同時に捨てるものも出てきますので、大型ゴミなど日にちが決まっているものは早めに処分していきましょう。

2:荷物を減らすために保存食を食べ、新たな買い物は最低限に

引っ越しの荷物は少ないのが吉。50代を中心とした家庭では少食になりがちで、食材が減るのもゆっくりペースです。災害備蓄のためローリングストックを実践されている方もいると思いますので、それも含め非常時の保存食材を早めに食べきることを意識するとよいかと思います。レトルトはランチなどでラクしながら消費していくのがおすすめ。

また乾物についても、スパゲッティーやそばなど乾麺を常備されている方も多いと思いますので、積極的に食べて減らすのがよいかと思います。ストック食材がなくなるとその分スペースがあき、全体量を把握しやすくなります。

それと同時に、引っ越しが近づいたら食材は最低限しか買わないことも忘れずに。安いからと言って大容量のお肉などを買って備蓄を増やしては元も子もないので、引っ越しの2週間くらい前から意識して買物を減らしましょう。しょうゆや料理酒など重たい調味料も、引っ越し前は小さめサイズの購入がよいかと思います。

3:段ボールは多めに!10枚は余分に準備すべし

心配事を減らすために、引っ越しの必須アイテムである段ボールは「多め」に準備しましょう。10枚は多めにもらうのをおすすめします。

荷物が思ったより多いとあっという間にたりなくなるものですし、また最後の数日で出るゴミを段ボールに詰める必要も出てきます。ゴミ収集日が引っ越し日と離れているとゴミが出せないため、段ボール1箱が全部ゴミ、ということも。ご近所でゴミを出してくれる方がいればお願いもできますが、繋がりの薄かったり難しい場合も多いですよね。

もし料金がオーバーしても、段ボールさえあれば、引っ越し日朝までに詰めて置けば運んでもらえます。引っ越しのなにが怖いかというと、引っ越し当日になっても荷物を詰め終わっていないことではないでしょうか。

それを回避するのに必要なのが段ボール。とにかくこれさえあれば分類してなくても、適当にでも詰めればOK! 安心のためにも多めに準備するのをおすすめします。

4:引っ越し前は料理しない!キッチン用品の荷造りは大仕事です

引っ越し前2〜3日は料理をしないと割りきりましょう! なぜなら、引っ越しの前日などギリギリまで料理をするとフライパンや鍋、調味料、食器類をしまえないため。

食器については、普段使う頻度の低い食器からしまうのですが、普段使いの食器でも、茶碗、汁椀、大皿、小皿、小鉢、グラス、コーヒーカップなど、家族ひとりでもあれこれ使うもの。家族の人数が多いほど倍々で量が増え、これを収納するのは結構大変なのです。

また、料理をするということは大物のフライパンや鍋をしまえないし、当然調味料もしまえない。しょうゆやお酒、油などは重たく、もれないようにパッキングするのも気を遣います。さらにボウル、お玉などキッチン小物もしまえないということ。これを短時間でやろうとするとかなりハード。だからこそ、引っ越し前の2〜3日は料理をしないことで、ゆとりができるのです。

自分の体と心をラクするために、数日間はお弁当や外食に頼ってみませんか。引っ越しは荷造りのあとに引っ越し後の荷ほどきもありますので、体力を温存しておきましょう。

私の失敗談ですが、冷凍庫のお肉が食べきれず前日朝まで料理をしていて、ギリギリに作業量が増えることに…。反省して、次回があれば食材を早めに減らし、最後の数日は料理しないと決めました。

5:仕事+プライベートの予定も控え、とにかく時間を確保

引っ越し前は、荷造りのほかに事務手続き、引っ越しのご挨拶や、友人とのお別れ会があったり、お世話になった方へのプレゼントを準備する方もいるでしょう。通院中の方は、引っ越し先で通う病院の紹介状をもらう必要が出てくるかもしれません。

というわけで、荷造りのほかにもやることが満載ですから、仕事はもちろん、すべての予定をあけることが大事です。在宅ワークの方は家で引っ越し前は仕事を入れず時間をつくるとともに、仕事道具を片づける。本、紙類、パソコン周りのものが早めに片づきます。

同時にプライベートの予定もなるべくあけておきましょう。大切な友人と会うのはもちろん大事ですが、引っ越した後でも差し支えない用事なら、後に回して時間をキープして。

6:家具の掃除を諦める。床や壁などお部屋を優先すべし

引っ越しの際の「家具の掃除」を手放すことで、時間と体力を浮かせることができます。家具の掃除は普段は見えている部分はそこそこきれいにしていると思います。しかし、普段触らない大物家具を動かすと、裏側にホコリや汚れがあるもの。ホコリは払うとしても、汚れを落とすとなると体力を消耗します。目にしたら掃除をしたくなるのですが、そこはあえてやらないことで体力温存できます。

いちばんいいのは、普段から家具の裏や下までキチンと掃除しておくことですが…。ズボラな私はできていませんので、引っ越しのときに掃除をしようとして最後の数日とても疲れてしまいました。なので、教訓として引っ越しのときは家具の掃除は諦めることにしました。引っ越し先でがんばることにします。

また、賃貸物件に住んでいる場合、なにより床や壁などお部屋をきれいにして、退居費用を浮かせるほうが大事です。住んでいるときしか掃除できませんし、とくに結露によるカビは入居者負担になりますので、しっかり壁や床をきれいにするほうが節約になります。

わが家のビフォーアフター写真です。

私はもともと引っ越しが好きで、若いときはてきぱき動けたものです。今回もそのつもりで作業していたら1.5倍くらい時間がかかり、50代になって体力が落ちていることを実感しました。

引っ越しは体だけではなく頭を使う場面もあり、心身共に消耗します。無理しない引っ越しのヒントになれば幸いです。