〈那須2人殺害〉「事件がまるで映画みたい」「黒幕って誰ですか?」と逮捕前に記者に語っていた長女「両親が亡くなって利権が転がり込むのは誰?」と質問すると…「うーん私」

写真拡大

東京・上野で焼肉店など飲食店を多数展開していた「サンエイ商事」社長夫妻が殺害され、栃木県那須町で遺体が見つかった事件。警視庁栃木県警の合同捜査本部が6月27日、夫妻の長女である宝島真奈美容疑者(31)を殺人容疑で逮捕したことで再び急展開を見せ始めた。真奈美容疑者は、仲介役に続いて指示役が逮捕された4月29日の集英社オンラインの直撃取材には「この事件は映画みたい」と“論評”していた。

〈〈衝撃〉長女・真奈美容疑者と関根容疑者のラブラブなツーショット写真と刺青だらけの関根容疑者…背中一面に「殿」と「姫」、腹には「鶴」の刺青が…

「何か情報あります?」「逆に知りたいんですけど…」

4月29日、指示役の佐々木光容疑者(28)が逃亡先の沖縄県で逮捕されたことから、記者は真奈美容疑者に再び接触を試みた。

世田谷区の自宅前で午後5時すぎ、就学前と思しき男女の幼子とともに、コンビニの袋を手に下げて帰宅した真奈美容疑者に「2人目が逮捕されましたね」と声をかけると、「何か情報あります?逆に知りたいんですけど」と“逆取材”が始まった。

幼子2人には中国語で家に入るよう促し、路上で記者とのやり取りが続いた。

「さっきニュースで見たんですけど、顔ってわかりますか。さっきまでは名前しか出ていなかったので」

記者が佐々木容疑者の顔写真を見せつつ、平山容疑者の名前を出し、両親とトラブルなどがあったかどうか確かめてみたが、返ってきたのはこんな答えだった。

「ないですね。ないというか、わかんないです。そこまで把握できていないです。平山というのは指示役? これは逮捕なんですか、それとも任意?」

もちろん逮捕だが、この時点では2人の容疑は死体遺棄と死体損壊で、さらに両親(被害者の宝島龍太郎さんと幸子さん夫妻)を都内で拉致して抵抗できない状態にして車で運んだ人物は別人の可能性が高いことを伝えると、おもむろにこんな問いを返してきた。

「ちなみに、不動産の人っていうのはなんか話してました?」

この時はまだ、自身の内縁の夫である関根誠端容疑者に続いてGW終盤に逮捕された不動産業者の前田亮容疑者の存在はどこにも報じられていなかった。

ただ、後に前田容疑者が管理していたことが判明する品川区東五反田の空き家に、両親を乗せた白いレンタカーが入り、続いて平山綾拳容疑者が実行役のために用意した黒い乗用車が入っていったことはわかっていた。

真奈美容疑者は自分や関根容疑者とこの「空き家」をつなぐ接点である前田容疑者の存在を悟られまいと予防線を張ったのかもしれない。そして、こんな風に質問のような感想をぶつけてきた。

記者が「宝島夫妻が亡くなって利権が転がり込むのは誰?」と質問すると…

「じゃあ、不動産の人が入りました、次に来た車が入りました。その間の間隔ってどのくらいなんだろう。もう謎が多すぎて。ニュース見て、ずっと(どういう構図になっているんだろうと)絵は描くんですけど、疑問なところしかないから。

どこで殺害されて、どのタイミングで誰がっていう感じなんで。警察は直接、言ってくれないから、だからもう今、ずっとニュースでしか私も情報得られてない」

佐々木容疑者の顔写真については、こんな反応だった。

「名前も含めて全くわからないですけど、上野近辺にいっぱいいそうな方ですよね。コワモテというか、たくさんいすぎて逆にわからないというか」

ここで話はサンエイ商事と裁判沙汰にまでなっている商売敵の焼肉店や当時、佐々木容疑者らの黒幕と称されていた「X」という人物について、真奈美容疑者の方から話題を向けてきた。

「逆に、記者の方たちが目をつけるのあるじゃないですか。なんかありませんか。警察の言うXが誰なんじゃないかとか」

当然、Xが関根容疑者のことを指すのはお互い暗黙の了解だったと思われるが、もちろんそんなことを伝えるわけにはいかない。

やんわりと、多店舗経営をしていた宝島龍太郎さん夫妻が亡くなった際に誰にビジネスの利権が転がり込むのか、捜査当局は注目するだろうことを示唆すると、イタズラっぽい笑みを浮かべながらこう答えたのだった。

「うーん。私? 実際、事件自体がちょっと映画っぽいじゃないですか。実際にあんの、こんなことって(笑)。私も今も実感わかないくらいなんで。でも、そういう風に考える人もいますよね。私でも多分考えると思うから」

「お店の方は真奈美さんが継ぐ形ですか?」の質問に…

このころは既に、上野の「宝島ロード」の何店舗かは営業を再開しており、真奈美容疑者と関根容疑者夫妻も将来を“夢想”してほくそ笑んでいたのかもしれない。

「お店の方は真奈美さんが継ぐ形で回しているんですか」

記者の問いかけに、彼女はこう答えた。

「そこは考えてます。まだ…、そうですね、ちょっとまだわかんないです。できる気もしないですし…。いきなりそんな。(経営にはあまり)関与してなかったから。

(記者さんには)ほかにも聞きたいことはいっぱいあるんですけど(笑)。でも全部わかるわけじゃないから。もう今、頼りにしてるっていうか。記事を、逆に(笑)」

これ以降、真奈美容疑者とはメールなどでのやり取りはあったものの、直接顔を合わせる機会はないまま時間が過ぎた。

捜査は進み、真奈美容疑者が張った予防線もあっさりと切れたわけだ。これからどんな供述が飛び出てくるのか。合同捜査本部の調べに注目が集まること必至だ。

※「集英社オンライン」では、今回の事件について、情報を募集しています。下記のメールアドレスかX(Twitter)まで情報をお寄せ下さい。

メールアドレス:
shueisha.online.news@gmail.com

X(Twitter)
@shuon_news 

取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班