「カスピ海ヨーグルト」を手づくりするとなぜ高齢者と子どものQOLが改善するのか? 実践してみた結果は
食楽web
●カスピ海乳酸菌を用いた手づくりヨーグルトは、生活にどのような影響を与えるのか。『フジッコ株式会社』と武庫川女子大学 教育学 部教育学科 准教授 吉井美奈子先生、園田学園女子大学健康人間学部食物栄養学科 辻秀美教授との共同研究の結果をまとめます。
『フジッコ』は、武庫川女子大学 教育学 部教育学科 准教授 吉井美奈子先生との共同研究の結果を発表しました。今回は、カスピ海乳酸菌を用いた手づくりのヨーグルトが子どものQOL(※Quality of Life(クオリティ・オブ・ライフ) の略称。自分らしい生活が送れているかという生活の質を評価する概念)を向上させることというもの。
これまでの研究で園田学園女子大学健康人間学部食物栄養学科 辻秀美教授は、家庭内での継続的なヨーグルトの手づくり実施により、高齢者の精神的QOLが向上する事を見出しています。
「ヨーグルトの手づくり」が子どものストレス低下と両親への気持ちの向上が見られる
題目は、「ヨーグルトの手づくり行動が子どものQOLに及ぼす影響」。「近年の日本では核家族の増加や共働き世帯の増加に伴って、子どもの孤食や親子関係の希薄化が社会問題」ということを出発点に、「カスピ海乳酸菌」を用いてカスピ海ヨーグルトを手づくりすることが子どものQOLやストレス及び親子関係にどのような影響を与えるのかという研究です。
研究結果を示す図がこちら
小学3~6年生の親子を対象に8週間継続して「カスピ海乳酸菌」を用いたヨーグルトの手づくりを実施。市販品の「カスピ海ヨーグルト」を食べてもらうグループと普段通りの生活をしてもらうグループとともに比較しています。
試験期間0週目、4週目、8週目を図にまとめていますが、「カスピ海乳酸菌」を用いたヨーグルトの手づくりを実施したグループは、週を追うごとにグラフが低下していっています。市販品を食べたグループや普段通りの生活をしたグループでは、特別な変化は見られませんでした。
結果、「カスピ海乳酸菌」を用いたヨーグルトの手づくりは、子どもの生活の向上を促すきっかけ作りとなるのでは……ということで、この研究結果に興味を持ったので家庭でも実践してみました。
『フジッコ』の「手づくりカスピ海ヨーグルト種菌セット」
著者が購入した「手づくりカスピ海ヨーグルト種菌セット」はスーパーマーケットや『フジッコ』の通信販売でも購入ができます。他に用意するのは保存容器と牛乳のみ。ヨーグルトを作る瓶や容器は、あらかじめ煮沸消毒をしておくと安心です。牛乳は、「種類別」と表示のある牛乳500mlが必要です。
種菌と牛乳を混ぜるだけ
よく混ざったら室温や季節にもよりますが24時間そのまま置いておきます。上手に作れるのか不安でしたが菌の力を信じて丸1日様子を見ていくと……。
ちゃんとできていた! [食楽web]
12時間経過した時点ではまだしゃばしゃばしていました。約7時間後、外出先から帰宅後チェックすると、なんとできているではありませんか。そのまま冷蔵庫へ入れて冷やしてから、はちみつをかけていただきました!
カスピ海ヨーグルトのとろっとしたテクスチャーはクレモリス菌の力によるもの。善玉菌の一種で、腸内環境を整えることに一役買ってくれる菌です。食べておいしく、何より作る面白さがカスピ海ヨーグルトの魅力ですね。夏は夜に仕込んで、朝起きたら冷蔵庫にしまうという流れを作ると安心して食べられるように感じました。夏休みの自由研究にも良いかもしれませんね。
(取材・文◎亀井亜衣子)
●DATA
フジッコ株式会社
https://www.fujicco.co.jp