【吉田 みく】37歳「学歴コンプレックス」に苛まれる、専業主婦の絶望…偏差値65から転落、早稲田、GMARCHも全滅しFラン大へ

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学歴さえあれば」の沼に陥る女性

日本社会において学歴と年収は切っても切り離せない相関関係にある。

indeedの調べによれば、最終学歴が高卒と大学・大学院卒の生涯年収を比較した場合、男性では約5600万円、女性で約6500万円の収入差があったことを報じていた。

しかし、単なる大卒というだけで、高卒よりも高収入が見込まれるはずもないことは周知の事実だ。現在は将来年収の目安も大学名で可視化されるため“学歴のチケット”は将来を考えるうえで意外に重い。

2021年にOpenWork「働きがい研究所」が発表した「卒業生の年収が高い大学ランキング30」を見るとトップ30校のうち、20校が国公立大学が名を連ねている。

金額別では東大、一橋、慶應、京大、東工大(10月より東京科学大学に名称変更)は1000万円以上、早稲田、ICU、名大、阪大、神大、上智は800万円後半〜900万円台で推移、GMARCHでは明治、青学、中央の3校のみが800万円前半の想定年収をマークしている。

一方、少子高齢化の影響から働き手確保のための高卒需要も高まっている。東大の授業料値上げによる大学全体の学費高騰が危惧されるなか、働きながらキャリアを積み、転職してステップアップする道を選択する者も増加する可能性は十分にある。

借りた奨学金を返済できるだけの高収入を見込めればよいが、返済ができずそれゆえ望まない仕事で稼いだり、長く苦しい暮らしをしている者も相次いでおり、大きな社会問題にもなった。

現在、約8割が高校卒業後に進学、うち約6割が大学進学を希望していると言われているが、やみくもな大学進学は将来的に自分の首を絞めることにもなりかねない。進学であろうが就職であろうが、その一歩が未来の方向性を決定づけるため、ルートからはずれた者はコンプレックスに苛まれる場合もある。

千葉県で夫と子ども3人と暮らす、専業主婦のサツキさん(仮名、37歳)も、その大学卒業から現在に至るまで15年間、学歴コンプレックスに悩まされているひとりだ。小松菜奈似の美人で自信にも溢れている様子に見えるが、学歴のこととなると顔をしかめてこう話す。

「今でも大学受験の夢を見ますし、ママ友との会話で出身大学の話が出ると頭が痛くなります。良い大学を出ていたら人生変わったのかな…って、そんなことを考える日々です」

サツキさんの学歴至上主義的な考え方は中学時代から始まっていた。「偏差値が高い人=人として魅力がある人」という考えに浸り、自身も高い偏差値を狙えるよう日々勉強に打ち込んでいた。

学歴のない人は将来性もない、人生に落ちこぼれないためにもハイスペックな男性と知り合わないと…そのために自分も絶対に有名大学、大企業に就職しないと…。そんな考えを抱いていたそうだ。その背景には両親の育て方やきょうだいからの影響がある。

「両親から『友達の子供は有名私立大学に入学した』『いい大学に入って良い嫁ぎ先を探してほしい』と言い聞かされて育ちました。

私には上に姉と兄がいるのですが、二人とも高卒でいい会社にも入れず安い給料で働いています。共働きの両親も中小企業で働いていたので、末っ子の私だけはお金に苦労しない人生を送ってほしいという思いがもしかしたらあったのかもしれません」

中学での学内成績や模試の結果は中ランクだったそうだが、何としてでも偏差値の高い高校に入りたいと思っていたサツキさんは、勉強に時間を費やし、自宅から1時間の距離にある偏差値65の私立高校を単願で受験。見事合格した。しかし入学直後からがっかりすることの連続だった。

「この環境に染まっちゃいけない」

「本当にこの高校に合格したの?って思うほど、授業中の生徒の私語も寝ている人も多かったんです。

学校の進路実績を見ると、早慶上智どころか、明治、立教などGMARCHの進学者も少なくて…。中堅かそれ以下の進学が大半だったんです。ポテンシャルのある偏差値の高い生徒を集めて、入学後の勉強は自主性に任せる学校だったってことが後から分かって後悔しました。

このまま周りに合わせてたら、とてもじゃないけど偏差値の高い大学には合格できない、環境に染まっちゃいけないって大手の進学塾に通うことにしたんです」

入塾試験では英語の成績がとくによく、「早慶上智も狙えるかも」という講師の激励もあり、“有名大学の絶対合格”を掲げてさらに勉強への意欲を燃やした。

交友関係も「いい大学に入って、嫁ぎ先を探して欲しい」という両親の言葉通りに、同じ高校の男子はレベルが低いと、塾のトップ校に通う男子とのみ交流を図りそのうちの一人と交際に発展。時には「一緒の大学に行こうね」と夢を語り合いながら、勉強に打ち込んだ。

だがその一方で成績は伸び悩んだ。英語の成績だけはキープしていたものの、その他の教科では平均点そこそこ。模試の成績は良くなく、下のクラスに落ちて次第と頭の良い男子との交流も薄れ交際相手との縁も切れてしまった。

高校3年には教科全体で偏差値50を切ることも多く、客観的に見ればGMARCHの合格は危うい成績にまで落ち込んでしまった。

「高校の担任も塾の面談でも、偏差値40台の大学を滑り止めとして受けることを勧められましたが、いくつもりがない大学だったので聞き流しました。母は驚いていましたが、私は絶対に大丈夫だと思っていたので説得して志望校を変えずに受験しました」

早稲田大学を本命に、GMARCHは滑り止めとして受験したものの結果は惨敗。センター試験も受けたが4割くらいの正答率だったそうだ。

「周囲には”頭いい子”のイメージで通していたので全落ちして本当に恥ずかしかった。浪人は経済的にも精神的にも厳しく、専門学校への進学や高卒で就職は選択肢もない。なんとしてでも大学生になりたかったので、定員割れしている大学を受験しました。Fラン大学です」

望んでいない大学への進学、同級生に進路を聞かれることが怖かったサツキさんは卒業式に出なかった。ここからサツキさんの学歴コンプレックスは加速していく。

その詳細は、引き続き<慶応卒のエリートの子を「計画妊娠」した、37歳の専業主婦が「ハイスぺ婚」に絶望したワケ…こんなハズじゃなかった>で明かす。

慶応卒のエリートの子を「計画妊娠」した、37歳の専業主婦が「ハイスぺ婚」に絶望したワケ…こんなハズじゃなかった