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国が猛毒のダイオキシン類を含む除草剤を国有林に埋めるなどしていた問題で、林野庁が全国に先駆けて、熊本県宇土市で撤去作業を始めました。

【写真を見る】全国の国有林で処分された猛毒ダイオキシン類を含む除草剤「2,4,5-T系」 熊本で全国初の撤去作業開始【埋設の46自治体一覧あり】

宇土市では高さ約6.5メートルのテントが設けられ、除草剤の撤去作業が本格化しています。

埋められていたのは、「2,4,5-T系」と呼ばれる除草剤です。

熊本森林管理署 廣田忠善 署長
「すべてテントの中で、飛散しないように対策をとっています」

安全管理上内部は見られませんが、除草剤は地中約1.5メートルに埋められていて、テントでは除草剤をドラム缶に移す作業が行われています。

作業開始前、この場所はうっそうとした森の中、フェンスで完全に覆われていました。

「2,4,5-T系」は、かつて全国の国有林などで使われていました。しかし猛毒のダイオキシン類を含み、発がん性などの健康被害が問題視されたことで、国内では53年前の1971年に使用禁止となり、各地の国有林に埋めるなど国が処分を進めました。

現在は埋められて半世紀が過ぎ、2020年7月豪雨では、熊本県芦北町の埋設地の近くで土砂が崩落するなど、住民の間で流出への不安の声が高まっています。

こうした声を受けて、林野庁が今年度から撤去に着手。このうち宇土市で、全国で初めて本格的な掘削と撤去を始めました。

廣田署長「埋設農薬(除草剤)を掘削して埋設物を確認した上で、ドラム缶で処理場まで運ぶ」

今回の作業は7月中旬にも終える予定で、林野庁は今年度、佐賀県と高知県でも撤去を進めます。

「2,4,5-T系」全国で46か所

「2,4,5-T系」を埋設している自治体は全国で15道県46か所あります。


ーーどのように処理する?

今回撤去する約2トンは、熊本県外の処理施設で約1300度の高温で燃やして無害化します。熊本県内では熊本市や芦北町も撤去を求めていますが、具体的な目処は立っていません。


「2,4,5-T系」を埋設・管理している自治体(林野庁によると)

【北海道】夕張市、音更町、遠軽町、標茶町、清水町、本別町
【青森県】中泊町
【岩手県】久慈市、宮古市、岩泉町、雫石町、西和賀町、野田村
【福島県】会津坂下町
【群馬県】東吾妻町、昭和村
【愛知県】設楽町
【岐阜県】下呂市
【広島県】庄原市
【愛媛県】宇和島市、久万高原町、松野町
【高知県】土佐清水市、いの町、大豊町、四万十町
【佐賀県】吉野ヶ里町
【熊本県】熊本市、宇土市、芦北町
【大分県】別府市
【宮崎県】宮崎市、串間市、小林市、西都市、都城市、日之影町
【鹿児島県】伊佐市、南九州市、肝付町、屋久島町、湧水町

※岐阜県下呂市、宮崎市、宮崎県小林市、鹿児島県伊佐市は2か所で埋設